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第二十六章
第百十四話:鎮魂歌(4)
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◆一つ目:MOB幹部
********************************************
◇
ギルド幹部本人と違い、子息達に対する警戒は手薄と言える。よもや、子息達が狙われないとでも思っているのだろうか。
そんな馬鹿な事があるか!!
この私は、この場に集ったギルド幹部の子息達の誰よりも若い時からギルドの刺客と殺し合ってきたのだ。子供だから見逃すとか崇高な精神を持ち合わせていないギルド幹部にそんな配慮などしない。遺恨を残さないためにも必ず排除しなければならない存在だ。
ギルド幹部・・・全20名。現時点で生きている幹部は、その内16名だ。
この私が過去に殺した時から幹部は、補充されていない。ギルド幹部になるにしても一定以上の成果を出さないと高官からの格上げはないそうだ。尤も、幾人か格上げ候補は居るらしい。此度の戦争で良い成果を持ち帰った者には、幹部の椅子と南方諸国連盟傘下の王家との婚姻と言う餌があるらしい。
「幹部に対してこちらは倍の32名か・・・これだけ居れば、全員討ち取れる可能性は十分にある。なんせ、身内から闇討ちだからな」
ゼルシア君とその恋人のお陰で、沢山のお仲間が集められた。ギルド幹部の子息達は何かと顔見知りが多いらしく、芋づる式で実に温い作業だった。既に全員脳内に蟲を寄生させている。そして本日はゼルシア君主催の親睦会という名目で各位が家を抜けてきている。よって、多少帰りが遅くなっても何の問題はない。
これ程まで順調に幹部の子息達を洗脳できたのは、『ウルオール』の諜報員が各方面でギルド幹部の賞金首情報を流し始めた事が起因している。各方面に散っていた幹部や子息達が続々と本拠地である『アームズフェント』に集まってきてくれたのだ。
だが、ここに向かう道中や幹部の住居で金に目のくらんだ冒険者によってギルド幹部が数名殺されているがね。そういった情報もギルド幹部連中の耳には届いているのだろう。
ギルドのお膝元だけあって、ギルドの権力は絶対的な物だから自国と違い刃向かう者は殆ど居ないだろうからね。ギルド幹部にとっては、世界一安全な場所に思えるのだろう。
その考え自体は、間違ってはいない。ギルド幹部達が連れている護衛も集ってきているので警備体制はより厚くなっている。
だが、それを素通りできる者達が私の先兵達なのだよ!!
そして、この私はその先兵達に質問を投げかけている。ギルド幹部を殺すに当たり超えるべき問題がなにかと言う質問だ。折角、一同に集まった同じ地位の者達だ忌憚ない意見を交換して見事解決への糸口を見つけて欲しいものだ。
だが、どいつもこいつもろくな意見を言わない。まるで、やる気が感じられない。こちらは、即座に貴様等をぶち殺しても良いのだが・・・それでは、余りに残酷だと思い生きる機会を与えてあげたのに何たる怠慢。
「無理だ・・・親父達は俺達より強い。それに、護衛の者達だっているんだ」
「はぁ~、そんなの分かりきっている。貴様等が生きた年数以上に幹部連中は生きているんだ。それに応じたレベリングも行っている。だがな、親の背中を超えるのは子供の仕事だとは思わないかね?」
今回は時間が無い。本来なら手助けなどしないのだが特別サービスだ。このレイア、君達が両親の背中を超える手伝いをしてあげようじゃないか。
何を隠そう、蛆蛞蝓ちゃんは肉体改造のスペシャリストだからね。以前も君達ギルド幹部の秘匿施設にとらわれた子供を改造してあげたのだ。その時の経験を生かして今回は更に素晴らしい術式を施してくれる。既に、いくつもの改造プランが出来ているのだ。
モモナァ(お父様、少々手間取りましたが32名分の改造手術の準備が整いました。いつでも始められます!!)
『アームズフェント』ギルド支部の地下を勝手に増改築させて貰った我々の拠点。そこに、用意された新品の手術台と様々な器具と数々の薬品。真上がギルドだと色々な物資があるので実にやりやすい。物資が色々と無くなって問題が起こるだろうが、代わりにお金をおいてきているという優しさ。これで誰も困ることはない。
当然の配慮である。
そして、選りすぐりの蟲達が揃っている。
「ま、まさか・・・!?」
「察しが良いね。そう、君達はここで新しい力を手に入れる!! この私自ら、君達が目的達成のためのお手伝いをしてやろう。さぁ、融合したい蟲を選ぶと良い。冒険者としてレベリングした経験があるなら見た事がある蟲は・・・いないだろうね。一応、図鑑には載っているのだが知らないか」
『モロド樹海』の深部にいる蟲達だ。ステイシスほどではないが・・・実力は、折り紙付きだぞ。単純な強さでなく、絡めてを好むのならば粘液や毒がお勧めだ。素人でも扱いやすいし、効果も高い。
「いやあぁ・・・・・・ぎゃーーー」
女の一人が叫んだと同時に苦痛の悲鳴をあげはじめた。
脳内に寄生しているブレインウォーカーが私に対して良からぬ行動をすると悟って、止めに入ったのだろう。冒険者の経験がある大の大人が恥も外聞も捨てて嘔吐してのたうち回る程の激痛だ。
「君達は何か思い違いをしているようだが・・・選択肢など無いのだよ。よいかね? 君達がギルド幹部である両親を確実に殺せる名案を出さない限り、この私は君達に手を貸してあげなければいけない。要するに!! これから目の前で行われる手術を拒否するのならば死ぬ気で名案を考えたまえ。嘘偽り無く、確実に殺せる自信がある者だけはこの私が手を貸す必要はないだろう」
人には知恵という武器もあるのだ。よって、思考停止した者達に活路など見いだせるはずが無い。ここは心を鬼にしてでも頭を使って貰おう。これだけの人数がいるのだ。おまけに、それなりの高度な教育も受けているはず。これで何も案がでないなんて、ほんとに生きている意味が無いといえよう。
「じ、時間をくれ。1時間・・・いや30分で必ず考えてみせる」
「蟲が反応しないと言うことは本気か。良いだろう。さぁ、皆も本気で考えたまえ。君達のやる気を出させるために、そこで倒れている女がどのように肉体改造されるかよく見ておくといい」
床に倒れた女をつかみあげ手術台へとご案内した。
では、僭越ながらこの私も蛆蛞蝓ちゃんのオペの手伝いをしよう。こう見えて、外科手術はそれなりの腕前だと自負している。沢山、実践してきたからね。某モグリ医師並の腕前であろう。
モモナ(お父様との共同作業!! 頑張らないと!!)
白衣を着る蛆蛞蝓ちゃん。そして、なぜか、先んじて手術台に横になる蟲達!! 蛆蛞蝓ちゃんに切り刻まれたいのだろう。なんて、求愛行動だ。だが、その手術台は先約があるからどいてあげてね。
◇
この日、32人中23名がこの私の手によって生まれ変わった。生まれ変わった者達には、妹だけは許してくれという者も居たので仲良く改造してあげた。しかも、合体機能まで実装するという配慮までしてあげたよ。蛆蛞蝓ちゃん曰く・・・合体機能の発想はありませんでしたと驚かれてしまった。
肌が見える場所を大々的に改造すると目立ってしまう。女性も多いのだから紳士としてその程度の配慮は当然である。服で見えない場所は、思いつく限りの改造を施してあげた。これで暗殺の成功率は格段に跳ね上がるであろう。
「あぁ、そうそう。その改造・・・色々と試作段階の技術を取り入れてるから元の体には戻せない」
「そ・・・ん・・・な」
私からの餞別だ。是非、受け取って欲しい。
その力があれば、成功報酬で生存期間を延ばされても不自由なく冒険者として暮らせる。だから、そんな絶望的な顔をしないで欲しいね。ギルド崩壊後には、間違いなく各方面から首を狙われる事になるだろうから、その安全対策でもあるのだ。いくら、この私が生存を保証しても自活及び自衛する力は必要だ。
「あ~、後、そこの連中・・・ゼルシア君とその恋人・・・えっと、ルーシア君だったかね? 二人を囲んで威圧しない。君達は、彼等に感謝すべきなんだよ。本来なら、君達が私の目の前に生きて立っている事は奇跡に近い。なんせ、今でも君達ギルド幹部に連なる血筋を殺したくてウズウズしている」
ちなみに、ゼルシア君とルーシア君は二人とも本気でギルド幹部である両親を殺す案を提示したので改造は行っていない。本人達も本気でやれると思っている案だ。だから、私は二人の気持ちを尊重してあげたのだ。
自力で親の背を超えられるならそれに越したことは無い。
ギッギ(お父様、お食事の用意が出来ました~)
私の可愛い蟲達が、この場に集った皆のために祝いの席を用意したのだ。これから困難に立ち向かう戦士達にせめてもの手向けとという気遣い。しかも、この祝いの席を企画したのが蟲達なのだから、本気で爪の垢でも飲ませて少しは改心させてやりたいと本気で思うわ。
さぁ、私の知り合いでも滅多に口にする事ができない蟲のフルコースを食べると良い。改造されていない者にとっては、あらゆる面で健康が良い方向に改善されるであろう。改造された者達にとっては、より体に馴染むであろう。
「言っておくが、この私と私の可愛い蟲からの差し入れだ。残すなんて不届き者は理解しているな」
さぁ、存分に楽しむが良い。
全員が席に着き、用意された料理を口にしていく。ブレインウォーカーによっって強制的に食べさせられている者達が目立つ。そういう輩には、味覚を敏感にしたり躍り食いを推奨させよう。
そんな、宴の最中ゼルシア君が席を立って近づいてきた。
「・・・・・・2日後に、決行する。計画通りに依頼したい」
「いいだろう。こういうのは行動が早いほうがいい。あまり、決行までの時間を開けると肉体改造した連中がボロをだしかねないからね」
ゼルシア君の計画に便乗して、刺客全員が一斉発起する。
ギルド幹部の家族までここに集まっているので、何か重大な問題が発生すれば間違いなく幹部専用の秘密の抜け穴を使い脱出をはかる。それに乗じて行動をするとのことだ。
よって、この私はその重大な問題を引き起こす本人というわけだ。
◆
先日、ヴォルドー領の一件で集まった以来だな。よもや、こんなにも早く幹部全員がこの場に集まる事になのとは想定外だ。
しかし、『ウルオール』の連中め・・・人の首に賞金をかけて民衆を煽るとは、外道の所行だ。お陰で、自国では安全とは言い切れなくなった。王家の方も裏で色々動いており、きな臭い。最悪、王家の一員でもあるこの私を排除しようとしている気配もある。
現時点で、南方諸国連盟の軍勢は『ウルオール』を筆頭とした連合軍に対して圧倒的に不利な状況だ。ランクAの化け物二人が戦線に居る以上、どれだけ兵をつぎ込んでも時間稼ぎにしかならない。
こちらは、停戦に持ち込む材料を手に入れるか・・・同じ化け物であるクロッセル・エグザエルをぶつける以外に道はあるまい。
「集まったついでに確認しておきたいのだが・・・クロッセル・エグザエルを派遣した件の成果を聞いてないぞ。予定では、例のセリナ・アーネスト・ヴォルドーを連れて帰ってきてもおかしくないはず」
「クロッセル・エグザエルに依頼をして期日を守らなかった事は過去に一度もない。依頼の期日から既に1日が経過している。恐らくは、殺されたと見て間違いないだろう」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
殺された!? あのランクAの化け物がだと!?
「誰にやられたんだ!! 『聖』の双子は戦場だぞ。『闇』の使い手も『聖クライム教団』で目撃されている。『蟲』の使い手も実力者だが、アレには勝てないはずだぞ」
「『闇』の使い手については、確かに『聖クライム教団』で目撃されているが・・・教祖との面会には現れなかったという情報も入ってきている。『闇』の使い手が動いたと見て間違いあるまい」
南方諸国連盟をおそった大災害・・・『闇』と『蟲』の使い手による人災だ。
その時から裏で組んでいるのではないかと懸念していたが、事実であったか。しかし、金などで動かない『闇』の使い手を味方にどうやって引き入れたのだ。『闇』の使い手が崇拝するグラシアを餌に出来るはずも無い。そんな事をすれば消されるのは見えている。
だからこそ、ギルドも『闇』の使い手を取り込めないでいたのだ。
「・・・まて!! それなら『蟲』の使い手はどこに居るんだ!? ヴォルドー領には、『闇』の使い手。戦場には『聖』の使い手。ガイウスの側には、エーテリアとジュラルドとかいう冒険者しか確認されていないぞ」
「そんなの決まっているだろう。十中八九、この『アームズフェント』かその近郊であろう。陸海空の全てを移動可能で、変装から透過まで十八番の『蟲』の使い手だ。この都市程度の警備体制では、進入を拒むのは不可能だろうな」
規格外の化け物め!!
そもそも、なぜそんなに落ち着いている!! これがどれだけ重大な事態か分かっているのだろう。
「まぁ、落ち着け。我々とて事の重大さは理解している。人、物、金というあらゆる物資を限界近くまで失った我々のとれる道は多くは無い。よって、決議をするためにこの場に集めたのだ」
「決議?」
「そうだ。我々は時間が経過する程、状況が悪化するのは目に見えている。よって、最後まで徹底抗戦して活路を見いだすか。降伏するかだ」
「降伏? 馬鹿げたことを言うな。『ウルオール』にどんな条件を突きつけられると思っている。間違いなく、ギルドという存在は失われるぞ」
「だから、我々が生き残る為に手を打つのさ。覚えているか『筋肉教団』という組織を。あの組織の下請けになろうじゃないか我々がな。ギルドという存在は、モンスターが居る以上不可欠な存在だ。我々がつぶれれば間違いなく各国で大きな問題になるだろう。巨大な組織がいきなり解体されては、どうなるか目に見えている」
一理あるな。我々が持つ情報網やコネ・・・ノウハウは取引材料になると言うことか。世界の安定のために見逃せという交渉ならば、余地はある。流石に権限は縮小されるだろうが、時間をかけて権限を拡大していけばよいな。
「だが、交渉はどうするのだ。教祖であるゴリヴィエは『ウルオール』公爵家の令嬢だぞ。おまけに、王家の血筋。更には、『蟲』の使い手との親交もある。そんなのとまともな交渉は可能なのか」
「あの脳筋を交渉相手とするのは難しいであろう。副教祖であるタルトという亜人がいる。そちらのほうが幾分かマシであろうな。情報によれば、重度の美少年マニアらしいから、我々が持つ出産工場や特別孤児院を自由に利用させるなどの餌で釣れば交渉の窓口は開けるであろう」
あの血染めのタルトという異名を持つ者か。『ウルオール』で近年話題の冒険者。難民を顔色一つ変えずに大虐殺する者でも色を好むと言う訳か。まぁ、その程度の出費で済むなら安い買い物だ。
早々に使者を派遣して交渉に入らねばなるまい。『蟲』の使い手が事を起こす前に『筋肉教団』を調停役にしてなんとか国家間の契約まで持ち込まねば、我が身が危ない。
ダン!!
突然会議室の扉が開けられた。幹部が一同に集うこの場所をノック一つせずに開ける程の事態・・・まさか!?
「た、大変です!! 『アームズフェント』周辺を蟲の大群が包囲しております」
「っ!! それほどの大群が事前に察知出来ないと言う事は、『蟲』の使い手も来ているな。『アームズフェント』の戦力で持ちこらえる事は?」
「無理であろうな。高ランクの蟲系モンスターを含む100万近い戦力を相手に出来る者がいるなら、セリナ・アーネスト・ヴォルドー捕縛に一緒に向かわせているわ」
「では、交渉の時間を稼ぐために全員散るとしよう。各自で優秀な交渉人を派遣して、対応をさせる。当面の連絡方法は、いつものように」
妻と子供達を早急に呼び戻して、ここを移動せねばならないな。さて、いくつか当てはあるが、交渉人も派遣する必要があるからどこが良いか考える必要があるな。
************************************************
まもなく、今年も終わってしまいます。
来年から本気を出すという台詞を今年で何度使ったことか・・・来年になったら、また同じ台詞を言うんだろうな。
というわけで、読者の皆様良いお年を!!
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ギルド幹部本人と違い、子息達に対する警戒は手薄と言える。よもや、子息達が狙われないとでも思っているのだろうか。
そんな馬鹿な事があるか!!
この私は、この場に集ったギルド幹部の子息達の誰よりも若い時からギルドの刺客と殺し合ってきたのだ。子供だから見逃すとか崇高な精神を持ち合わせていないギルド幹部にそんな配慮などしない。遺恨を残さないためにも必ず排除しなければならない存在だ。
ギルド幹部・・・全20名。現時点で生きている幹部は、その内16名だ。
この私が過去に殺した時から幹部は、補充されていない。ギルド幹部になるにしても一定以上の成果を出さないと高官からの格上げはないそうだ。尤も、幾人か格上げ候補は居るらしい。此度の戦争で良い成果を持ち帰った者には、幹部の椅子と南方諸国連盟傘下の王家との婚姻と言う餌があるらしい。
「幹部に対してこちらは倍の32名か・・・これだけ居れば、全員討ち取れる可能性は十分にある。なんせ、身内から闇討ちだからな」
ゼルシア君とその恋人のお陰で、沢山のお仲間が集められた。ギルド幹部の子息達は何かと顔見知りが多いらしく、芋づる式で実に温い作業だった。既に全員脳内に蟲を寄生させている。そして本日はゼルシア君主催の親睦会という名目で各位が家を抜けてきている。よって、多少帰りが遅くなっても何の問題はない。
これ程まで順調に幹部の子息達を洗脳できたのは、『ウルオール』の諜報員が各方面でギルド幹部の賞金首情報を流し始めた事が起因している。各方面に散っていた幹部や子息達が続々と本拠地である『アームズフェント』に集まってきてくれたのだ。
だが、ここに向かう道中や幹部の住居で金に目のくらんだ冒険者によってギルド幹部が数名殺されているがね。そういった情報もギルド幹部連中の耳には届いているのだろう。
ギルドのお膝元だけあって、ギルドの権力は絶対的な物だから自国と違い刃向かう者は殆ど居ないだろうからね。ギルド幹部にとっては、世界一安全な場所に思えるのだろう。
その考え自体は、間違ってはいない。ギルド幹部達が連れている護衛も集ってきているので警備体制はより厚くなっている。
だが、それを素通りできる者達が私の先兵達なのだよ!!
そして、この私はその先兵達に質問を投げかけている。ギルド幹部を殺すに当たり超えるべき問題がなにかと言う質問だ。折角、一同に集まった同じ地位の者達だ忌憚ない意見を交換して見事解決への糸口を見つけて欲しいものだ。
だが、どいつもこいつもろくな意見を言わない。まるで、やる気が感じられない。こちらは、即座に貴様等をぶち殺しても良いのだが・・・それでは、余りに残酷だと思い生きる機会を与えてあげたのに何たる怠慢。
「無理だ・・・親父達は俺達より強い。それに、護衛の者達だっているんだ」
「はぁ~、そんなの分かりきっている。貴様等が生きた年数以上に幹部連中は生きているんだ。それに応じたレベリングも行っている。だがな、親の背中を超えるのは子供の仕事だとは思わないかね?」
今回は時間が無い。本来なら手助けなどしないのだが特別サービスだ。このレイア、君達が両親の背中を超える手伝いをしてあげようじゃないか。
何を隠そう、蛆蛞蝓ちゃんは肉体改造のスペシャリストだからね。以前も君達ギルド幹部の秘匿施設にとらわれた子供を改造してあげたのだ。その時の経験を生かして今回は更に素晴らしい術式を施してくれる。既に、いくつもの改造プランが出来ているのだ。
モモナァ(お父様、少々手間取りましたが32名分の改造手術の準備が整いました。いつでも始められます!!)
『アームズフェント』ギルド支部の地下を勝手に増改築させて貰った我々の拠点。そこに、用意された新品の手術台と様々な器具と数々の薬品。真上がギルドだと色々な物資があるので実にやりやすい。物資が色々と無くなって問題が起こるだろうが、代わりにお金をおいてきているという優しさ。これで誰も困ることはない。
当然の配慮である。
そして、選りすぐりの蟲達が揃っている。
「ま、まさか・・・!?」
「察しが良いね。そう、君達はここで新しい力を手に入れる!! この私自ら、君達が目的達成のためのお手伝いをしてやろう。さぁ、融合したい蟲を選ぶと良い。冒険者としてレベリングした経験があるなら見た事がある蟲は・・・いないだろうね。一応、図鑑には載っているのだが知らないか」
『モロド樹海』の深部にいる蟲達だ。ステイシスほどではないが・・・実力は、折り紙付きだぞ。単純な強さでなく、絡めてを好むのならば粘液や毒がお勧めだ。素人でも扱いやすいし、効果も高い。
「いやあぁ・・・・・・ぎゃーーー」
女の一人が叫んだと同時に苦痛の悲鳴をあげはじめた。
脳内に寄生しているブレインウォーカーが私に対して良からぬ行動をすると悟って、止めに入ったのだろう。冒険者の経験がある大の大人が恥も外聞も捨てて嘔吐してのたうち回る程の激痛だ。
「君達は何か思い違いをしているようだが・・・選択肢など無いのだよ。よいかね? 君達がギルド幹部である両親を確実に殺せる名案を出さない限り、この私は君達に手を貸してあげなければいけない。要するに!! これから目の前で行われる手術を拒否するのならば死ぬ気で名案を考えたまえ。嘘偽り無く、確実に殺せる自信がある者だけはこの私が手を貸す必要はないだろう」
人には知恵という武器もあるのだ。よって、思考停止した者達に活路など見いだせるはずが無い。ここは心を鬼にしてでも頭を使って貰おう。これだけの人数がいるのだ。おまけに、それなりの高度な教育も受けているはず。これで何も案がでないなんて、ほんとに生きている意味が無いといえよう。
「じ、時間をくれ。1時間・・・いや30分で必ず考えてみせる」
「蟲が反応しないと言うことは本気か。良いだろう。さぁ、皆も本気で考えたまえ。君達のやる気を出させるために、そこで倒れている女がどのように肉体改造されるかよく見ておくといい」
床に倒れた女をつかみあげ手術台へとご案内した。
では、僭越ながらこの私も蛆蛞蝓ちゃんのオペの手伝いをしよう。こう見えて、外科手術はそれなりの腕前だと自負している。沢山、実践してきたからね。某モグリ医師並の腕前であろう。
モモナ(お父様との共同作業!! 頑張らないと!!)
白衣を着る蛆蛞蝓ちゃん。そして、なぜか、先んじて手術台に横になる蟲達!! 蛆蛞蝓ちゃんに切り刻まれたいのだろう。なんて、求愛行動だ。だが、その手術台は先約があるからどいてあげてね。
◇
この日、32人中23名がこの私の手によって生まれ変わった。生まれ変わった者達には、妹だけは許してくれという者も居たので仲良く改造してあげた。しかも、合体機能まで実装するという配慮までしてあげたよ。蛆蛞蝓ちゃん曰く・・・合体機能の発想はありませんでしたと驚かれてしまった。
肌が見える場所を大々的に改造すると目立ってしまう。女性も多いのだから紳士としてその程度の配慮は当然である。服で見えない場所は、思いつく限りの改造を施してあげた。これで暗殺の成功率は格段に跳ね上がるであろう。
「あぁ、そうそう。その改造・・・色々と試作段階の技術を取り入れてるから元の体には戻せない」
「そ・・・ん・・・な」
私からの餞別だ。是非、受け取って欲しい。
その力があれば、成功報酬で生存期間を延ばされても不自由なく冒険者として暮らせる。だから、そんな絶望的な顔をしないで欲しいね。ギルド崩壊後には、間違いなく各方面から首を狙われる事になるだろうから、その安全対策でもあるのだ。いくら、この私が生存を保証しても自活及び自衛する力は必要だ。
「あ~、後、そこの連中・・・ゼルシア君とその恋人・・・えっと、ルーシア君だったかね? 二人を囲んで威圧しない。君達は、彼等に感謝すべきなんだよ。本来なら、君達が私の目の前に生きて立っている事は奇跡に近い。なんせ、今でも君達ギルド幹部に連なる血筋を殺したくてウズウズしている」
ちなみに、ゼルシア君とルーシア君は二人とも本気でギルド幹部である両親を殺す案を提示したので改造は行っていない。本人達も本気でやれると思っている案だ。だから、私は二人の気持ちを尊重してあげたのだ。
自力で親の背を超えられるならそれに越したことは無い。
ギッギ(お父様、お食事の用意が出来ました~)
私の可愛い蟲達が、この場に集った皆のために祝いの席を用意したのだ。これから困難に立ち向かう戦士達にせめてもの手向けとという気遣い。しかも、この祝いの席を企画したのが蟲達なのだから、本気で爪の垢でも飲ませて少しは改心させてやりたいと本気で思うわ。
さぁ、私の知り合いでも滅多に口にする事ができない蟲のフルコースを食べると良い。改造されていない者にとっては、あらゆる面で健康が良い方向に改善されるであろう。改造された者達にとっては、より体に馴染むであろう。
「言っておくが、この私と私の可愛い蟲からの差し入れだ。残すなんて不届き者は理解しているな」
さぁ、存分に楽しむが良い。
全員が席に着き、用意された料理を口にしていく。ブレインウォーカーによっって強制的に食べさせられている者達が目立つ。そういう輩には、味覚を敏感にしたり躍り食いを推奨させよう。
そんな、宴の最中ゼルシア君が席を立って近づいてきた。
「・・・・・・2日後に、決行する。計画通りに依頼したい」
「いいだろう。こういうのは行動が早いほうがいい。あまり、決行までの時間を開けると肉体改造した連中がボロをだしかねないからね」
ゼルシア君の計画に便乗して、刺客全員が一斉発起する。
ギルド幹部の家族までここに集まっているので、何か重大な問題が発生すれば間違いなく幹部専用の秘密の抜け穴を使い脱出をはかる。それに乗じて行動をするとのことだ。
よって、この私はその重大な問題を引き起こす本人というわけだ。
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先日、ヴォルドー領の一件で集まった以来だな。よもや、こんなにも早く幹部全員がこの場に集まる事になのとは想定外だ。
しかし、『ウルオール』の連中め・・・人の首に賞金をかけて民衆を煽るとは、外道の所行だ。お陰で、自国では安全とは言い切れなくなった。王家の方も裏で色々動いており、きな臭い。最悪、王家の一員でもあるこの私を排除しようとしている気配もある。
現時点で、南方諸国連盟の軍勢は『ウルオール』を筆頭とした連合軍に対して圧倒的に不利な状況だ。ランクAの化け物二人が戦線に居る以上、どれだけ兵をつぎ込んでも時間稼ぎにしかならない。
こちらは、停戦に持ち込む材料を手に入れるか・・・同じ化け物であるクロッセル・エグザエルをぶつける以外に道はあるまい。
「集まったついでに確認しておきたいのだが・・・クロッセル・エグザエルを派遣した件の成果を聞いてないぞ。予定では、例のセリナ・アーネスト・ヴォルドーを連れて帰ってきてもおかしくないはず」
「クロッセル・エグザエルに依頼をして期日を守らなかった事は過去に一度もない。依頼の期日から既に1日が経過している。恐らくは、殺されたと見て間違いないだろう」
・・・・・・・・・
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殺された!? あのランクAの化け物がだと!?
「誰にやられたんだ!! 『聖』の双子は戦場だぞ。『闇』の使い手も『聖クライム教団』で目撃されている。『蟲』の使い手も実力者だが、アレには勝てないはずだぞ」
「『闇』の使い手については、確かに『聖クライム教団』で目撃されているが・・・教祖との面会には現れなかったという情報も入ってきている。『闇』の使い手が動いたと見て間違いあるまい」
南方諸国連盟をおそった大災害・・・『闇』と『蟲』の使い手による人災だ。
その時から裏で組んでいるのではないかと懸念していたが、事実であったか。しかし、金などで動かない『闇』の使い手を味方にどうやって引き入れたのだ。『闇』の使い手が崇拝するグラシアを餌に出来るはずも無い。そんな事をすれば消されるのは見えている。
だからこそ、ギルドも『闇』の使い手を取り込めないでいたのだ。
「・・・まて!! それなら『蟲』の使い手はどこに居るんだ!? ヴォルドー領には、『闇』の使い手。戦場には『聖』の使い手。ガイウスの側には、エーテリアとジュラルドとかいう冒険者しか確認されていないぞ」
「そんなの決まっているだろう。十中八九、この『アームズフェント』かその近郊であろう。陸海空の全てを移動可能で、変装から透過まで十八番の『蟲』の使い手だ。この都市程度の警備体制では、進入を拒むのは不可能だろうな」
規格外の化け物め!!
そもそも、なぜそんなに落ち着いている!! これがどれだけ重大な事態か分かっているのだろう。
「まぁ、落ち着け。我々とて事の重大さは理解している。人、物、金というあらゆる物資を限界近くまで失った我々のとれる道は多くは無い。よって、決議をするためにこの場に集めたのだ」
「決議?」
「そうだ。我々は時間が経過する程、状況が悪化するのは目に見えている。よって、最後まで徹底抗戦して活路を見いだすか。降伏するかだ」
「降伏? 馬鹿げたことを言うな。『ウルオール』にどんな条件を突きつけられると思っている。間違いなく、ギルドという存在は失われるぞ」
「だから、我々が生き残る為に手を打つのさ。覚えているか『筋肉教団』という組織を。あの組織の下請けになろうじゃないか我々がな。ギルドという存在は、モンスターが居る以上不可欠な存在だ。我々がつぶれれば間違いなく各国で大きな問題になるだろう。巨大な組織がいきなり解体されては、どうなるか目に見えている」
一理あるな。我々が持つ情報網やコネ・・・ノウハウは取引材料になると言うことか。世界の安定のために見逃せという交渉ならば、余地はある。流石に権限は縮小されるだろうが、時間をかけて権限を拡大していけばよいな。
「だが、交渉はどうするのだ。教祖であるゴリヴィエは『ウルオール』公爵家の令嬢だぞ。おまけに、王家の血筋。更には、『蟲』の使い手との親交もある。そんなのとまともな交渉は可能なのか」
「あの脳筋を交渉相手とするのは難しいであろう。副教祖であるタルトという亜人がいる。そちらのほうが幾分かマシであろうな。情報によれば、重度の美少年マニアらしいから、我々が持つ出産工場や特別孤児院を自由に利用させるなどの餌で釣れば交渉の窓口は開けるであろう」
あの血染めのタルトという異名を持つ者か。『ウルオール』で近年話題の冒険者。難民を顔色一つ変えずに大虐殺する者でも色を好むと言う訳か。まぁ、その程度の出費で済むなら安い買い物だ。
早々に使者を派遣して交渉に入らねばなるまい。『蟲』の使い手が事を起こす前に『筋肉教団』を調停役にしてなんとか国家間の契約まで持ち込まねば、我が身が危ない。
ダン!!
突然会議室の扉が開けられた。幹部が一同に集うこの場所をノック一つせずに開ける程の事態・・・まさか!?
「た、大変です!! 『アームズフェント』周辺を蟲の大群が包囲しております」
「っ!! それほどの大群が事前に察知出来ないと言う事は、『蟲』の使い手も来ているな。『アームズフェント』の戦力で持ちこらえる事は?」
「無理であろうな。高ランクの蟲系モンスターを含む100万近い戦力を相手に出来る者がいるなら、セリナ・アーネスト・ヴォルドー捕縛に一緒に向かわせているわ」
「では、交渉の時間を稼ぐために全員散るとしよう。各自で優秀な交渉人を派遣して、対応をさせる。当面の連絡方法は、いつものように」
妻と子供達を早急に呼び戻して、ここを移動せねばならないな。さて、いくつか当てはあるが、交渉人も派遣する必要があるからどこが良いか考える必要があるな。
************************************************
まもなく、今年も終わってしまいます。
来年から本気を出すという台詞を今年で何度使ったことか・・・来年になったら、また同じ台詞を言うんだろうな。
というわけで、読者の皆様良いお年を!!
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それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)
屯神 焔
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魔法が存在し、魔物が跋扈し、人々が剣を磨き戦う世界、『ミリオン』
この世界では自身の強さ、もしくは弱さを知られる『ステータス』が存在する。
そして、どんな人でも、亜人でも、動物でも、魔物でも、生まれつきスキルを授かる。
それは、平凡か希少か、1つか2つ以上か、そういった差はあれ不変の理だ。
しかし、この物語の主人公、ギル・フィオネットは、スキルを授からなかった。
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そんな彼は、田舎の小さな村で生まれ暮らしていた。
スキルを得られない体質の彼を、村は温かく迎え・・・はしなかった。
迫害はしなかったが、かといって歓迎もしなかった。
父親は彼の体質を知るや否や雲隠れし、母は長年の無理がたたり病気で亡くなった。
一人残された彼は、安い賃金で雑用をこなし、その日暮らしを続けていた。
そんな彼の唯一の日課は、村のはずれにある古びた小さな祠の掃除である。
毎日毎日、少しずつ、汚れをふき取り、欠けてしまった所を何とか直した。
そんなある日。
『ありがとう。君のおかげで私はここに取り残されずに済んだ。これは、せめてものお礼だ。君の好きなようにしてくれてかまわない。本当に、今までありがとう。』
「・・・・・・え?」
祠に宿っていた、太古の時代を支配していた古代龍が、感謝の言葉と祠とともに消えていった。
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彼は、朝起きたばかりで寝ぼけていたため、最後の「ありがとう」しか聞こえていなかった。
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ハイエルフの幼女は異世界をまったりと過ごしていく ~それを助ける過保護な転移者~
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事故で亡くなった日本人、黒野大河はクロノとして異世界転移するはめに。
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目的もない異世界生活だがすぐにハイエルフの幼女とであう。
なぜか、その子が気になり世話をすることに。
神様と修行した力でこっそり無双、もらった力で快適生活を。
邪神あり勇者あり冒険者あり迷宮もありの世界を幼女とポチ(犬?)で駆け抜けます。
PS
2/12 1章を書き上げました。あとは手直しをして終わりです。
とりあえず、この1章でメインストーリーはほぼ8割終わる予定です。
伸ばそうと思えば、5割程度終了といったとこでしょうか。
2章からはまったりと?、自由に異世界を生活していきます。
以前書いたことのある話で戦闘が面白かったと感想をもらいましたので、
1章最後は戦闘を長めに書いてみました。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
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公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
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貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
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言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
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小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
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お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
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注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
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「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

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異世界に転移したからモンスターと気ままに暮らします
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新庄麗夜は身長160cmと小柄な高校生、クラスメイトから酷いいじめを受けている。
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