8 / 13
8.
最初はもう彼との「同期」が終わったのかと思った。
しおりを挟む
勢い余ったお出かけの「約束」は、もうずっと楽しくて……
1.5時間があっという間なのは初めてだった。
途中同級生に似た姿が同じ車内に乗り込んで来た時に、一瞬涼君の表情が曇った。
それと同時にドクンと私の心臓も重く疼き、まだ彼と「同期」しているかどうかの疑いが消える。
でも「東京」が近づくにつれて不安は段々と消えて行き……
身体の中の焦げ付きも、見えない位に小さくなっていた。
◇
「東京」に着くと不思議と足取りは軽くなり、何もかもがキラキラしていた。
こんなに人で溢れているのに、私たちの普段の関係性なんて一人も気にしないし興味もない。
楽が実体化したようなモノが沢山あって、ただの街中なのに日常を忘れさせてくれるようだった。
二度とすれ違わない人達の間を、弾むようにすり抜ける。
視界にいつも涼君がいて、恥ずかしいけど安心していた。
同じものを見てワクワクして、同じ所に寄りたいと思った。
初めての体験にドキドキして、食べたい物もタイミングも同じ。
話題が尽きるはずがなくて、会話の中で二人の言葉がシンクロする度に面白くってキュッとなった。
その度に二人で顔を見合わせて大笑いしていたけど、
少し日が陰り始める頃には寂しさが顔を出してくる。
1.5時間があっという間なのは初めてだった。
途中同級生に似た姿が同じ車内に乗り込んで来た時に、一瞬涼君の表情が曇った。
それと同時にドクンと私の心臓も重く疼き、まだ彼と「同期」しているかどうかの疑いが消える。
でも「東京」が近づくにつれて不安は段々と消えて行き……
身体の中の焦げ付きも、見えない位に小さくなっていた。
◇
「東京」に着くと不思議と足取りは軽くなり、何もかもがキラキラしていた。
こんなに人で溢れているのに、私たちの普段の関係性なんて一人も気にしないし興味もない。
楽が実体化したようなモノが沢山あって、ただの街中なのに日常を忘れさせてくれるようだった。
二度とすれ違わない人達の間を、弾むようにすり抜ける。
視界にいつも涼君がいて、恥ずかしいけど安心していた。
同じものを見てワクワクして、同じ所に寄りたいと思った。
初めての体験にドキドキして、食べたい物もタイミングも同じ。
話題が尽きるはずがなくて、会話の中で二人の言葉がシンクロする度に面白くってキュッとなった。
その度に二人で顔を見合わせて大笑いしていたけど、
少し日が陰り始める頃には寂しさが顔を出してくる。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる