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③ゴキブリ怪人が一歩ずつ近づいてきた。

「ごきげんよう~~」

 エスポワールは、始めて魔人を背に消え去っていった。
(だって、ゴキブリ、キライ!)

 一人でアパート、2LDKトイレ、風呂別に住んでいる希望(のぞみ)は、現代を守るために未来警察から派遣された特殊女戦士だった。でも、書類の書き換えは組織がしてくれて、学校にも通学している。未来と現代の違いから、天然キャラのお嬢様って感じでクラスの雰囲気になじんでいた。

「おはよう~美咲ちゃん」

「おはよう~今日も元気だね、希望ちゃん」

 友達の美咲は、お父さんがお医者さんで気立てのよい子だった。

「二人とも、仲がいいね」

 声をかけてきたのは、委員長の健君だった。ちなみに女子の委員長は希望である。

「ニュースだよ、ゴキブリ怪人が出て、あの美少女仮面エスポワールが逃げたらしいよ」

 聞きたくないニュースを知らせたのは、写真部の文也だ。すぐに、エスポワールを援護した健は、

「ゴキブリだよ、女の子は嫌いなんだから仕方ないよ、きっと、何か考えてやっつけてくれるさ」

 文也は、もう一つ困ったことがあるのだ、情報網やドローンを使って美少女仮面エスポワールの動向だけでなく、正体を探っているのだ。

 キンコンカンコン~キンコ~ンカンコ~ン~~

「さあ、授業がはじまるよ」

 希望は、情報の早さに驚いた。でも、どうやってゴキブリ怪人を倒せばいいのか・・・・・・・。


 学校の帰りにいたずら3人組に行き会った。スカートを押さえながら、

「みんな、急いでどこへ行くの?」

「お姉ちゃん、スカート持たなくても大丈夫だよ、それどころじゃないんだから、大ファンのエスポワールがゴキブリ怪人にやられちゃうかもしれないんだ!」

「どうして知っているの?」

「そんなことより、お姉ちゃんもどうすればゴキブリ怪人にエスポワールが勝てるか考えてよ、お願い~」

 3人組は、子どもなりにファンのエスポワールのために翻弄していたのだ。

「大丈夫よ、エスポワールは、ゴキブリは嫌だけど、みんなを守るために戦うわ」

「うん、エスポワールは、お姉ちゃんみたいにお馬鹿さんでないし、かわいいから大丈夫なんだけどね」

「そう、信じてあげているのね」

 ニコッと笑顔でスカートから手を放したら、

「お姉ちゃん、隙あり!!! パンツ白だ! 案外きれいな心を持っているんだね」

「こら~、人のパンツ占いするな!」

「わぁぁぁぁ~~~~~~~~~~」

 3人は、楽しそうに走って逃げて行った。

 部屋に戻ってベッドに寝転ぶと、十字架が怪人出現を知らせる。希望は、深く頷いて、ゴキブリ怪人出現の公園に変身して向かった。

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