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第四章 戦士マリンジャスティスレッドブルマ誕生 ①

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第四章 戦士マリンジャスティスレッドブルマ誕生

①レッドブルマは一人で釣りをしたいという願いを叶えるために、雲はあったが早朝に釣りに行った。好きなのは磯釣りなので、朝で引き潮の時に岸から離れた岩に向かったのだ。だれもいなくても知っている場所なので気にせず荷物を置く。
 まずは、いつもの エサのヤドカリ探しだ。少し大きめのヤドカリを岩の周りで探すと見つかった。ヤドカリのエサを付けて流れを見て糸を垂らす。景色を見ながら釣りをするという気持ちの一番良い時だ。
 離れた場所に人のようで人ではない異形の生き物が見える。初めて見るものでレッドブルマは恐怖心でいっぱいになった。すぐに自分の乗っている岩に寝そべって様子をみた。そして、だれかに連絡を取ろうとした時に、何と岩の中から声がする。
「私は海を守る神、海神じゃ! 海魔が日本、この近海に集まったようじゃ、レッドブルマよ、海魔を退治してくれないか、海を愛するレッドブルマが適任じゃ」
「えっ、私、夢を見ているの? いた~い」
 レッドブルマが自分の頬を抓った。
「今、履いているレッドブルマが変身アイテムでじゃ、左手を腰に当て右腕を前に出して手の平は下、中指、薬指、小指を折り曲げる、親指と人差し指の間を広げる、合い言葉と共に形を保ったまま上に素早くあげるのじゃ、そして、最後に左目をやや前に出しながらウインクすると変身じゃ、マリンジャスティスレッドブルマーチェンジアップと叫ぶのじゃ」
 レッドブルマは夢を見ているか幻なのか不思議だったが、異形の生き物が近づいてきたので、岩から聞こえた通りにやってみた。立ってポーズを取り、
「マリンジャスティスレッドブルマーチェンジアップ! 海は、このレッドブルマが守ってみせるわ!」
 ウインクをする時に自然と異形の生き物を指していた。レッドブルマは自分の全体を気付いていないが、赤いヘルメットに目にはバイザー、モトクロスの選手が着るような黒に赤い模様や線の入った手首までのレザージャケット、足下には滑らない赤いレインショートブーツ、右太腿にベルトで固定したレッグホルスター、聖剣が刺さっている。長い美脚がきわだって綺麗だ。
「ぅわ~、どうやって戦うの」
 レッドブルマが何となく身が軽くなった気分になって飛んだら数メートル先の岩までジャンプが出来た。そこで、初めて聖剣に気付き抜いて構える。
「側に来たら、魚を調理するみたいに捌くから」
 異形の生き物は、レッドブルマに襲いかかってきた。レッドブルマは自分でも驚くほど剣さばきが上手にできて、宣言通りに伸びてきたものは切っていった。さらに、足蹴りで倒すことも出来た。ただ、最後に消滅させる手段がない。戦い方の説明が一斎なく変身してしまったのだ。
「テレビのヒーローだったら、どうやって消滅させるんだっけ? う~ん、蹴って爆発? でも、海の異形の生き物はやわらかそうで無理! え~、海神様、どうやって最後は消滅させればいいの!」
 レッドブルマが声を出して聞いても答えてくれない。自分で考えろというのだろうか。
「もうっ、こうなったら勝手に考えて適当にやってみるわ、聖剣に太陽の光を反射させて、決めセルフを言うから」
 触手のようなものをレッドブルマに切られた異形の生き物は、体をジャンプさせてレッドブルマに体当たりをするようだ。レッドブルマも同じくジャンプして、聖剣に太陽の光を異形の生き物に当てた。 
「レッドブルマ、レインボーサンシャワー!」
 異形の生き物は、キラキラとした粒子に体が包まれて消滅した。
「やったわ、でも、やっぱりこれって、夢じゃ・・・いた~い」
 レッドブルマが自分の頬を抓ったら痛かった。夢ではない。レッドブルマは、海魔を狩って海を守るマリンジャスティスレッドブルマになったのだ。
 落ち着いてきて、やっと自分の姿を意識した。正義のヒロインらしさに満足だったが、ブルマの下は履いてないはずなのに変身後にはヌルヌルの違和感があることに気付いた。
「えぇぇぇぇ~っ! どうして、インナーのパンツが内側ヌルヌルワカメ!」
 レッドブルマは、さらに最大の悩みを思い出した。それは、どうやって変身解除をするのか。
「この姿では、帰れないよ~~~」
 レッドブルマは、空に向かって叫んだが、海神様からの変身解除の方法の返事はなかった。しかし、変身アイテムがレッドブルマであることを思い出した。
「レッドブルマを脱げば変身が解除されて、その後、普通に履けばいいのかも」
 レッドブルマはブルマを脱いでワカメのインナーパンツになったら、やはり変身解除ができた。ヘルメットやレザージャケットなど消えて、もとの姿になった。
「キャァッ!」
 インナーワカメも消えて、恥ずかしい下半身となっている。
 急いでレッドブルマを履いて、最初に海に来た時と同じ姿に戻った。そして、レッドブルマは釣りをするのをやめて、今の出来事を思い出しながら家に帰って行った。
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