20 / 74
⑤
しおりを挟む
⑤今日は、レッドブルマ、ブルーブルマ、ホワイトブルマの3人で西の砂浜に釣りに行く日だ。
三人が待ち合わせの時刻に砂浜に着くと、 颯太先輩と浜崎君もいた。二人は、レッドブルマが好きなので情報を集めてやってきたのだ。もちろん、偶然を装っている。ちなみに聡は釣りに興味がなくて来なかった。
「えっ、どうして颯太先輩と浜崎君がここに?」
「いやぁ、偶然だな~、二人で釣りに来たら行き会ったね」
前の釣り勝負で浜崎君が勝ったので颯太先輩はレッドブルマを諦めるはずなのだが、レッドブルマを見ては諦めきれず、二人で協力してレッドブルマと仲良くなり、最終的に付き合ってくれるのはレッドブルマに決めてもらうことにしたのだ。
レッドブルマは、素直で明るい性格で、二人に好意をもたれていることには気付かない。取りあえず、仲の良い先輩と後輩ぐらいにしか思っていないのだ。レッドブルマにとっては、陸上と釣りがすべてだった。
「いいじゃない、みんなで釣りましょう、でも、初めての人もいるから自己紹介はしようよ」
みんなで紹介しあう中で、五人の仲の距離感が縮まった。
「みんな、エサは何? アオイソメでないのは、多分、レッドブルマだと思うけど」
「これ、見て、手作りのルアーなの」
「へぇ~、初めて見たわ」
「もらってきた2枚の板を貼り合わせて、中心にワイヤーやオモリを仕込む方法で、貼り合わせや中通しって言うの」
「何を狙うの」
「釣れるかどうかわからないから、釣れてからのお楽しみかな」
「じゃあ、みんな、始めよう」
ブルーブルマが一番早く準備を終えて砂浜をかけて行った。砂浜に光沢ブルーブルマは目立つが、颯太先輩や浜崎君にとっては良い光景だ。まるで、ブルーブルマだけ移動しているように見える。
次にホワイトブルマが準備して移動する。慣れた場所などで釣れるポイントがわかるみたいだ。砂浜から地下水が湧き出て流れている所に向かった。
置いていかれそうな颯太先輩と浜崎君はレッドブルマに助言を求める。
「エサの付け方はこれでいいのかな」
「違うかな、今までは針に全部通していたけど、 まず、頭をカットね、そして、長いからいくつかにカット、そして、真っ直ぐに付けるの、ほら、こうやって」
「えっ、針が出ているよ」
「そう、キスはこれでいいの、でも、エサを垂れすぎないようにしないと垂れている所を喰って逃げちゃうの」
「レッドブルマってアオイソメを使ってないのに詳しいね」
「私もイソメを使うことはあるけど、例えば、ここ、ほら、砂浜に穴が空いているでしょ、これって、貝かも知れないけど、スコップで掘ると砂イソメが取れるの、ジャノメっていうのもいるけど、とにかく、買わないで自分で掘ってとるわ」
「他にはいないの、ここだけ」
「潮は引いた時に、磯の岩をどかして深く掘ると出て来るし、大きな岩の種類によっては、その岩を割ると出てくるわ」
「今日は、やらなかったの?」
「時間がかかるの、だから、捕る時間があったら釣ってる時間を長くしたいな」
「ふ~ん、そうか、いろいろありがとう、よし、釣りに行ってくるね」
「レッドブルマも手作りルアーでがんばれ」
「ありがとう、気をつけて」
颯太先輩と浜崎君は同じ所へ、レッドブルマは潮の流れのある方へ向かった。そして、ぎりぎりまで海の中に入っていく。
「は~い、釣れた」
最初に釣りに行ったブルーブルマではなく、ホワイトブルマだ。やはり、釣りにはポイントが大切なのだ。それでも、ブルーブルマは糸を引きながら魚を誘っていて、さすがだ。
「ほ~い、こっちもきたよ、キスさん、こんちは」
ブルーブルマが引きながら誘って釣れた。磯釣りとは違うが釣りの感触は同じなのだ。
流れの急な所を狙ってレッドブルマは投げては引き、また、投げては引いての繰り返しだ。
エサだけ捕られて、荷物の所に来たついでに、側にいたブルーブルマに聞いた。
「颯太先輩には、考える思考がないから、言っても無理~無理~」
颯太先輩は、ブルーブルマの光沢ブルマのお尻に砂をかけて抗議した。
「教えろ!」
「もう、やめてっ、まあ、さらさら砂は落ちてブルマに付かないからいいけど、レッドブルマは、秘密、ハイ、さようなら」
ブルーブルマはエサを投げて行ってしまった。
「おい、いつか、そのブルマ脱がしてやるからな」
「脱がせられるものならどうぞ、その前にレッドブルマが気になっているんでしょ、行ってみれば」
颯太先輩がレッドブルマの所に行くと、
「颯太先輩、狙っていたものがきたみたいです」
レッドブルマは、魚をばらさないように注意しながらリールを巻いていく。
「おおっ、がんばれ、レッドぶるま!」
「はい!」
しばらくして、背びれのとがった白っぽい大きな魚が釣れた。
「なんだ、これは、磯釣りでは見ない魚だな」
「スズキの小さい時で、セイゴです。焼いても煮ても美味しい魚ですよ」
こうして、レッドブルマは七匹もセイゴを釣れた。それを、みんなにも分けてあげて、三匹を自分のものにした。
みんなで釣果を話し合い、楽しい気分で解散した。
颯太先輩が帰る途中でサングラスをかけた若い男に声をかけられた。
「おまえは、あの赤いものを履いている人間の知り合いか?」
「えっ、はい、何か」
「あの赤いものをこの金額で買いたい、交渉して、ここに連絡をくれ! 手数料もこれだけ払う!」
「えっ、こんなに、あのう、スポーツ店に安く売っていますけど」
「だめだ! あいつの履いている赤いものが欲しい、頼んだぞ!」
颯太先輩は、変な趣味の人だと思ったが、もしレッドブルマは買いかえればバイト代よりも多く収入になる。どうやって説得しようかと考えながら自宅に帰った。
三人が待ち合わせの時刻に砂浜に着くと、 颯太先輩と浜崎君もいた。二人は、レッドブルマが好きなので情報を集めてやってきたのだ。もちろん、偶然を装っている。ちなみに聡は釣りに興味がなくて来なかった。
「えっ、どうして颯太先輩と浜崎君がここに?」
「いやぁ、偶然だな~、二人で釣りに来たら行き会ったね」
前の釣り勝負で浜崎君が勝ったので颯太先輩はレッドブルマを諦めるはずなのだが、レッドブルマを見ては諦めきれず、二人で協力してレッドブルマと仲良くなり、最終的に付き合ってくれるのはレッドブルマに決めてもらうことにしたのだ。
レッドブルマは、素直で明るい性格で、二人に好意をもたれていることには気付かない。取りあえず、仲の良い先輩と後輩ぐらいにしか思っていないのだ。レッドブルマにとっては、陸上と釣りがすべてだった。
「いいじゃない、みんなで釣りましょう、でも、初めての人もいるから自己紹介はしようよ」
みんなで紹介しあう中で、五人の仲の距離感が縮まった。
「みんな、エサは何? アオイソメでないのは、多分、レッドブルマだと思うけど」
「これ、見て、手作りのルアーなの」
「へぇ~、初めて見たわ」
「もらってきた2枚の板を貼り合わせて、中心にワイヤーやオモリを仕込む方法で、貼り合わせや中通しって言うの」
「何を狙うの」
「釣れるかどうかわからないから、釣れてからのお楽しみかな」
「じゃあ、みんな、始めよう」
ブルーブルマが一番早く準備を終えて砂浜をかけて行った。砂浜に光沢ブルーブルマは目立つが、颯太先輩や浜崎君にとっては良い光景だ。まるで、ブルーブルマだけ移動しているように見える。
次にホワイトブルマが準備して移動する。慣れた場所などで釣れるポイントがわかるみたいだ。砂浜から地下水が湧き出て流れている所に向かった。
置いていかれそうな颯太先輩と浜崎君はレッドブルマに助言を求める。
「エサの付け方はこれでいいのかな」
「違うかな、今までは針に全部通していたけど、 まず、頭をカットね、そして、長いからいくつかにカット、そして、真っ直ぐに付けるの、ほら、こうやって」
「えっ、針が出ているよ」
「そう、キスはこれでいいの、でも、エサを垂れすぎないようにしないと垂れている所を喰って逃げちゃうの」
「レッドブルマってアオイソメを使ってないのに詳しいね」
「私もイソメを使うことはあるけど、例えば、ここ、ほら、砂浜に穴が空いているでしょ、これって、貝かも知れないけど、スコップで掘ると砂イソメが取れるの、ジャノメっていうのもいるけど、とにかく、買わないで自分で掘ってとるわ」
「他にはいないの、ここだけ」
「潮は引いた時に、磯の岩をどかして深く掘ると出て来るし、大きな岩の種類によっては、その岩を割ると出てくるわ」
「今日は、やらなかったの?」
「時間がかかるの、だから、捕る時間があったら釣ってる時間を長くしたいな」
「ふ~ん、そうか、いろいろありがとう、よし、釣りに行ってくるね」
「レッドブルマも手作りルアーでがんばれ」
「ありがとう、気をつけて」
颯太先輩と浜崎君は同じ所へ、レッドブルマは潮の流れのある方へ向かった。そして、ぎりぎりまで海の中に入っていく。
「は~い、釣れた」
最初に釣りに行ったブルーブルマではなく、ホワイトブルマだ。やはり、釣りにはポイントが大切なのだ。それでも、ブルーブルマは糸を引きながら魚を誘っていて、さすがだ。
「ほ~い、こっちもきたよ、キスさん、こんちは」
ブルーブルマが引きながら誘って釣れた。磯釣りとは違うが釣りの感触は同じなのだ。
流れの急な所を狙ってレッドブルマは投げては引き、また、投げては引いての繰り返しだ。
エサだけ捕られて、荷物の所に来たついでに、側にいたブルーブルマに聞いた。
「颯太先輩には、考える思考がないから、言っても無理~無理~」
颯太先輩は、ブルーブルマの光沢ブルマのお尻に砂をかけて抗議した。
「教えろ!」
「もう、やめてっ、まあ、さらさら砂は落ちてブルマに付かないからいいけど、レッドブルマは、秘密、ハイ、さようなら」
ブルーブルマはエサを投げて行ってしまった。
「おい、いつか、そのブルマ脱がしてやるからな」
「脱がせられるものならどうぞ、その前にレッドブルマが気になっているんでしょ、行ってみれば」
颯太先輩がレッドブルマの所に行くと、
「颯太先輩、狙っていたものがきたみたいです」
レッドブルマは、魚をばらさないように注意しながらリールを巻いていく。
「おおっ、がんばれ、レッドぶるま!」
「はい!」
しばらくして、背びれのとがった白っぽい大きな魚が釣れた。
「なんだ、これは、磯釣りでは見ない魚だな」
「スズキの小さい時で、セイゴです。焼いても煮ても美味しい魚ですよ」
こうして、レッドブルマは七匹もセイゴを釣れた。それを、みんなにも分けてあげて、三匹を自分のものにした。
みんなで釣果を話し合い、楽しい気分で解散した。
颯太先輩が帰る途中でサングラスをかけた若い男に声をかけられた。
「おまえは、あの赤いものを履いている人間の知り合いか?」
「えっ、はい、何か」
「あの赤いものをこの金額で買いたい、交渉して、ここに連絡をくれ! 手数料もこれだけ払う!」
「えっ、こんなに、あのう、スポーツ店に安く売っていますけど」
「だめだ! あいつの履いている赤いものが欲しい、頼んだぞ!」
颯太先輩は、変な趣味の人だと思ったが、もしレッドブルマは買いかえればバイト代よりも多く収入になる。どうやって説得しようかと考えながら自宅に帰った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
⭐︎登録お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐︎登録して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
山姥(やまんば)
野松 彦秋
児童書・童話
小学校5年生の仲良し3人組の、テッカ(佐上哲也)、カッチ(野田克彦)、ナオケン(犬塚直哉)。
実は3人とも、同じクラスの女委員長の松本いずみに片思いをしている。
小学校の宿泊研修を楽しみにしていた4人。ある日、宿泊研修の目的地が3枚の御札の昔話が生まれた山である事が分かる。
しかも、10年前自分達の学校の先輩がその山で失踪していた事実がわかる。
行方不明者3名のうち、一人だけ帰って来た先輩がいるという事を知り、興味本位でその人に会いに行く事を思いつく3人。
3人の意中の女の子、委員長松本いずみもその計画に興味を持ち、4人はその先輩に会いに行く事にする。
それが、恐怖の夏休みの始まりであった。
山姥が実在し、4人に危険が迫る。
4人は、信頼する大人達に助けを求めるが、その結果大事な人を失う事に、状況はどんどん悪くなる。
山姥の執拗な追跡に、彼らは生き残る事が出来るのか!
黒地蔵
紫音@キャラ文芸大賞参加中!
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。
※表紙イラスト=ミカスケ様
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
夏から夏へ ~SumSumMer~
崗本 健太郎
児童書・童話
作者、崗本 健太郎の小学生時代の回顧録であり、
誰しも経験する子供の頃の懐かしい思い出が詰まっている。
短編が150話ほど収録されており、
通勤や就寝前など隙間時間にも読みやすい構成だ。
作者と読者との地域性や遊びの違いや、
平成初期の時代を感じさせる作風も魅力である。
日常の喧騒を忘れて癒されたい人は是非!!
※毎日20時公開 全48話
下記サイトにて電子書籍で好評販売中!!
Amazon-Kindle:www.amazon.co.jp/kindle
BOOK WALKER:www.bookwalker.jp
おっとりドンの童歌
花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。
意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。
「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。
なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。
「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。
その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。
道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。
その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。
みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。
ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。
ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。
ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる