上 下
46 / 64

20 思い思われて ①

しおりを挟む
20 思い思われて

①家庭のことは、それなりにリズムを掴んだ中で、学校へ行った美月は、弘子たちに呼び出された。翔の妹が弘子に翔が美月の家に泊まったことを話したからだ。翔の妹は美月のことを何とも思っていないが、弘子には翔のことを知らせることになっていたから、教えたのだ。

「美月、翔が泊まったって本当、翔の妹から聞いたんだけど」

「うう~ん、まあ、翔君のご両親も知っていることだから、雨が強く振って・・・」

「それって、異性不純行為だよね、知ってるでしょ、翔もあなたも部活で大会に出られなくなるかも」

「違うの、だから、嵐で帰れなくて、ご両親も許可して・・・」

「ダメでしょ、学校の校則に違反なんだから、これは、翔には気の毒だけど、最後の大会は無理ね」

「お願い、翔君だけは学校には言わないで、私はどうなってもいいから」

「美月さんの私たちへの行動しだいよね、美恵、咲恵」

 3人は、学校へは言わないことの条件として何でも言うことに従うように命令した。美月は翔に迷惑をかけたくなかったので、条件をのんだが、家庭第一であることは伝えた。3人は、承諾してくれたのである。

 学校へは、膝上のミニスカートでくること、下着は弘子が用意したヒョウ柄をはくように命令した。美月は仕方なく言うことを聞いた。

「美月さん、私たち友達になったのよね」

 ある男子が、弘子に美月さんに嫌がらせをしているんじゃないかと問いただした。弘子は、美月に気のある男子だと知っているので、自分の方に引き込んだ。

「友達の証拠に、美月の下着を見せてあげる、ほら、美月はヒョウ柄、あははは~」

 男子は見ないふりをしながら、美月のヒョウ柄パンツを見て興奮している。あの真面目な美月さんが、ヒョウ柄パンツということにドキドキ感があるのだ。

「どう、わかった? 美月は私たちの友達なの、ふふ~」

「う~ん、まあ、男をからかうのはやめてほしいけど、まあ、分かった」

 弘子は翔と美月を別れさせたかった。だから、他の男達に美月に注目するようにさせているのだ。それは、体操部でも例外ではなかった。

 平均台でバランスを取ったり、床運動や鉄棒で股を開く時には男子に見せびらかすように命令した。しかも、普通は、レオタードの下にはかない選手もいるが美月ははいていたのに、レオタードの下に何もはかないように命令したのだ。

 すべては、翔君のため、美月は絶えていた。

 翔は美月の生活の変化に気付いた。家庭はうまく行っているはずなのに、生活面が気になることが多い。ミニスカートから始まって、今までの美月さんではないのだ。直接、確かめようと聞いた。

「美月さん、何か、困ったことがあったら話してほしいな、こんな僕でも役に立てるかも知れないから」

「弘子さん達とお友達になったの、だから、友達と同じことをしているから心配なんじゃないかと思うけど大丈夫よ、ありがとう、翔君」

 美月は長く話していると余計なことも言いそうなので、翔と分かれた、翔君のために耐える美月だった。そして、弘子は美月をカラオケに連れて行く、ある作戦を考えていた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

釣りガールレッドブルマ(一般作)

ヒロイン小説研究所
児童書・童話
高校2年生の美咲は釣りが好きで、磯釣りでは、大会ユニホームのレーシングブルマをはいていく。ブルーブルマとホワイトブルマーと出会い、釣りを楽しんでいたある日、海の魔を狩る戦士になったのだ。海魔を人知れず退治していくが、弱点は自分の履いているブルマだった。レッドブルマを履いている時だけ、力を発揮出きるのだ!

意味が分かると○○話

ゆーゆ
児童書・童話
すぐに読めちゃうショートショートストーリーズ! 意味が分かると、怖い話や、奇妙な話、時には感動ものまで?! 気軽に読んでみてね!

イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~

友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。 全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。

美少女仮面とその愉快な仲間たち(一般作)

ヒロイン小説研究所
児童書・童話
未来からやってきた高校生の白鳥希望は、変身して美少女仮面エスポワールとなり、3人の子ども達と事件を解決していく。未来からきて現代感覚が分からない望みにいたずらっ子の3人組が絡んで、ややコミカルな一面をもった年齢指定のない作品です。

湖の民

影燈
児童書・童話
 沼無国(ぬまぬこ)の統治下にある、儺楼湖(なろこ)の里。  そこに暮らす令は寺子屋に通う12歳の男の子。  優しい先生や友だちに囲まれ、楽しい日々を送っていた。  だがそんなある日。  里に、伝染病が発生、里は封鎖されてしまい、母も病にかかってしまう。  母を助けるため、幻の薬草を探しにいく令だったが――

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

おねしょゆうれい

ケンタシノリ
児童書・童話
べんじょの中にいるゆうれいは、ぼうやをこわがらせておねしょをさせるのが大すきです。今日も、夜中にやってきたのは……。 ※この作品で使用する漢字は、小学2年生までに習う漢字を使用しています。

処理中です...