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③お母さんを翔君の病院に連れて行ったら、診断書を書いてくれた。それを持って、教えてもらった精神障害者福祉保健手帳申請の相談窓口に行くのだ。そこに、翔君も付いてきてくれたので、とても心強かった。

 申請手続きは、とても親切な対応で、前のように不愉快なことはなかった。数か月後に手帳が届き、少しでも生活が良くなったのだ。

 学校でも、翔君やクラス委員長が味方になってくれて、美月が嫌な目に合う前に対処してくれた。朝、美月が行く前に下駄箱や机の中を翔君がチェックしてくれた。弘子達の動きを委員長やクラスの他のみんなが見ていてくれた。何もかもうまく言っているように感じて美月は、家事も勉強も、そして体操部も頑張ることができた。

 「翔君、もう、帰っても大丈夫だよ」

「もう、少しだけ、今、太陽君と星奈ちゃん、一緒に遊んでいて終わりにできないから・・・」

 外の天気が良いはずだったのに、急変して大雨が降ってきた。

「あっ、洗濯物が干してあったから、入れてくるね。翔君、二人をお願い!」

「えっ、美月さん、一緒にやるよ」

 二人は、雨に濡れて着ていた服からしずくが垂れている。

「翔君、体をこのタオルで拭いて!」

 美月は、自分のことよりも翔のことを心配してタオルを渡した。そして、自分の物だけど、ジャージを差し出した。

「さすがに、下着はないけど、このジャージで良かったら着て」

「ありがとう、美月さん、でも、いいの?」

「翔君が良かったら、どうぞ」

 翔は、お風呂場で着替えた。

太陽君と星奈ちゃんがはやしたてる。

「お兄ちゃん、似合うよ~~あはっ」

 外は雷で大嵐になっている。

「お兄ちゃん、お姉ちゃんの部屋で泊まっていけば」

「あっ、いや、それは、美月さんに・・・・・・」

 お母さんが奥から出て来て、明日は学校が休みで、こんな大嵐なので翔君の家に泊まらせたいと電話をしてくれた。翔君のご両親も承諾してくれた。

 家の部屋の数から考えて、翔君は美月の部屋に寝るしかないのだ。

「ぅうう~ん、翔君・・・・私の部屋で良かったら・・・・・・」

 お母さんの勧めもあり、両親も許してくれたので美月の部屋で寝ることにした。

 自分のベッドで美月が寝て、翔は下に布団を敷いてもらった。ドキドキしながら、二人は話した。美月は翔の顔を見ながら、今までの感謝を翔に話した。翔も美月に今までの想いを伝えた。二人で、いい感じになった頃に眠りについた。

 「ドン!」

 翔が音がして目覚めると、美月が寝ぼけてベッドから落ちてきた。起こそうかどうか迷ったが、疲れていて真夜中なので美月のために起こさなかった。そして、自分の布団をかけて、ベッドの下で一つの布団で寝た。翔は美月の寝顔を見ると、天使の寝顔のように感じ、思わず、抱きしめた。

 抱きしめられた時、美月は起きたが、寝たふりをした。この状態で、また、ベッドに戻るより、翔といたかったのだ。翔君といる時だけ、寂しさから解放されるから。翔は起きているとは知らずに、ほっぺにキスをした。そして、また、ぎゅーと抱きしめた。美月は幸せを感じた。                     、

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