ヤングケアラー美月恋愛編（一般作）

②

②「美月さん、あれほどお願いしたのに、なんで、この翔の部屋にいるの？」

「お母さん、これ、お金を返しにきたんだよ、こんなことするなんて、僕、恥ずかしいよ」

「私は、約束は覚えています、翔君には、立派なお医者さんになってほしいと思っていますから、お母さんの言う通りです、でも、このお金は、受け取れません」 

「お母さん、美月さんに謝ってよ、失礼だ！」

「美月さん、悪いけど調べさせてもらったわ、お母さんの病院代、保育費、生活代、学校もお金が大変でしょ、だから、約束を守ってくれるなら遠慮なく、受け取りなさい」

「お母さん！」

「失礼します、翔君、さようなら～」

  美月は、涙を流し、口を押さえて出ていこうとした。

「美月さん、電気、水道、ガスとめらるわよ、この小さな子ども達、かわいそう、約束を守ることをちかって受け取りなさい」

「ありがとうございます。さようなら！」

 美月は、翔の止めるのも聞かずに、家に帰った。

「大丈夫よ、市役所に連絡したから、調査員がきたら、事情を話せば、きっと良くなるわ」

  ピンポン～   ピンポン～

 ドアを開くと翔がいた。

「帰って、お母さんと約束したんだから」

「お金をもらってないから、そんな約束、破棄だよ」

「私が、約束を守りたいの」

 翔は、美月と一緒に居たいのて、ウソをついた。

「お母さんが、今日だけは一緒でいいって言ってるから、大丈夫だよ、今から、市役所いこう」

「調査員が、後日に来ることになっているから、大丈夫だよ」

「だめだよ、明日の生活も大変なんだから、すぐ、いこう」

  翔君が市役所に電話してくれて、行くことを伝えたら、調査員が来てくれることになった。

 翔君も同席し、はきはきしたベテランの調査員だった。

「介護と生活費など、込み入ったこともきくけど、宜しくお願いします、こちらの方は？」

「友達です」

「家庭の個人情報もあるので、違う部屋にいてください」

 翔は、太陽君、星奈ちゃんを連れて
隣の部屋に行った。

「ごめんなさい、お金が目あての人たちもいるので、正確に話してね」

　美月は、どんなことを質問されるのか心配になった。でも、市役所の人はきっと守ってくれて生活が豊かになると信じている。