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16 お金を持って翔の家へ ①
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16 お金を持って翔の家へ
①
太陽君と星奈ちゃんを連れて,100万円を翔の家に返しに行くことにした。
こんな大金を持っていて,美月にとってはドキドキだった。美月は,お腹の中に手ぬぐいで巻いてお金を入れた。
電車やバスを乗り換えて,やっと翔の家に着いてびっくりした。翔の家は、とっても広く,豪邸だ。塀を一周したらかなりの時間がかかりそうだ。
ピンポ~ン ピンポ~ン
お母さんに返すからお母さんが出てくれることを期待していたが,ドアを開くと翔がいた。
「どうしたの,美月さん,まあ,とにかく上がってよ,来てくれてうれしいな」
翔は,美月達三人を自分の部屋に通した。部屋に行く途中でリビングや廊下などがホテルのようにりっぱなので,三人とも目を丸くして驚いている。
「あの,お母さんに用事があって・・・・,それにしても,すごい家でビックリだよ」
「うん,僕の祖父が大きな病院を経営していて、父も医者で,代々医者をやっているから,さらに,マンションやアパートも持っているし,子どもが僕一人だから期待が大きくて,ストレスにつぶされそうになることがあるよ,でも,美月さんと会って,気持ちがはれることが多いから感謝だよ」
翔はあどけない笑顔を美月に見せた。
トントントン~~ トントントン~
「お茶をお持ちいたしました」
「あ~,お手伝いさんだよ,ここにおいといて,お母さんは,どこ?」
「奥様は,フィットネスに行かれていて,夕方にお帰りになります,そちらは・・・・美月さんでしょうか」
「あ,はい,初めまして,美月です」
「奥様から,翔様のお友達の美月さんが来ても家に入れないように伺っておりまして・・・・」
翔が不機嫌そうに,言った。
「どうして,お母さんがそんなことを,第一,お母さんが,なぜ,美月さんを知っているの」
「あのう,奥様には言わないで下さい,私が叱られますから,それと、美月さんを帰してくださいね」
「奥様が,翔さんの様子がおかしいので探偵に調べてもらい,美月さんが原因だとわかったんです。だんな様は,翔様を信じるように言っていたのですが,最終的にだんな様に内緒で,翔様と別れるように現金を美月さんに渡したんです。だから,二人がここの家にいると,私が・・・・・困ります,お願いします,帰ってもらっていただきたいのですが・・・・・」
本当に困ったいる様子で,翔に懇願した。
「大丈夫,僕が責任持つ、迷惑をかけないから,もう,いいよ,下の仕事して」
「はい,承知いたしました,失礼します」
翔は,申し訳なさそうに美月の方を向いた。
「ごめん,お母さんが失礼なことをして,帰ったら良く話しておくから,それで来たんだね」
「はい,100万円,お母さんに返して」
「えっ,こんな大金を美月さんに・・・・・・、本当にごめん・・」
翔はお金を受け取ると,ゲームを出してきた。
「太陽君,星奈ちゃん,ゲームしよう,相手がいないとつまらなくて・・・・・」
「いえ,もう,用事が済んだので帰ります」
美月が立ち上がろうとした時に,翔は二度と美月さんに会えないような気がして,
「帰る前に,あの壁の隠れた所に見せたい物があるんだ,美月さん来て,太陽君,星奈ちゃん,先に遊んでて」
帰る前に一つぐらい翔の言うことを聞いて上げようと思い,太陽君と星奈ちゃんの見えない壁の所に二人で行った。
「美月さん,・・・好きなんだ」
翔は美月の顔を両手で挟んで,キスをした。
美月は目を丸くして驚いたが優しいキスにうっとりしてしまった。こうして二人は,短い,甘い時間で心が癒やされた。美月も,これではっきりした,翔君が好き!
「美月さん,僕と交際してください」
「私も翔君好きだけど,私の家は貧乏,翔君の家は金持ちで,お母さんも反対しているし,無理よ・・・・」
翔は,また,美月にキスをして,それ以上の言葉が出ないようにした。
二人は,お互いを思いながら抱き合った。
「翔様,お母様がお帰りです」
お手伝いさんが階段を上がってきた。
「美月さんたちの靴はかくしました,とりあえず,このクローゼットに隠れてください」
美月は、隠れなかった。
「私は、お金を返しに来ただけでで、何も隠れるようなことはしていません」
美月は、そう言ってから、二人でキスをしたことを思い出して顔が赤くなった。しかし、ドアが開いても毅然とした態度で、翔のお母さんを待った。
①
太陽君と星奈ちゃんを連れて,100万円を翔の家に返しに行くことにした。
こんな大金を持っていて,美月にとってはドキドキだった。美月は,お腹の中に手ぬぐいで巻いてお金を入れた。
電車やバスを乗り換えて,やっと翔の家に着いてびっくりした。翔の家は、とっても広く,豪邸だ。塀を一周したらかなりの時間がかかりそうだ。
ピンポ~ン ピンポ~ン
お母さんに返すからお母さんが出てくれることを期待していたが,ドアを開くと翔がいた。
「どうしたの,美月さん,まあ,とにかく上がってよ,来てくれてうれしいな」
翔は,美月達三人を自分の部屋に通した。部屋に行く途中でリビングや廊下などがホテルのようにりっぱなので,三人とも目を丸くして驚いている。
「あの,お母さんに用事があって・・・・,それにしても,すごい家でビックリだよ」
「うん,僕の祖父が大きな病院を経営していて、父も医者で,代々医者をやっているから,さらに,マンションやアパートも持っているし,子どもが僕一人だから期待が大きくて,ストレスにつぶされそうになることがあるよ,でも,美月さんと会って,気持ちがはれることが多いから感謝だよ」
翔はあどけない笑顔を美月に見せた。
トントントン~~ トントントン~
「お茶をお持ちいたしました」
「あ~,お手伝いさんだよ,ここにおいといて,お母さんは,どこ?」
「奥様は,フィットネスに行かれていて,夕方にお帰りになります,そちらは・・・・美月さんでしょうか」
「あ,はい,初めまして,美月です」
「奥様から,翔様のお友達の美月さんが来ても家に入れないように伺っておりまして・・・・」
翔が不機嫌そうに,言った。
「どうして,お母さんがそんなことを,第一,お母さんが,なぜ,美月さんを知っているの」
「あのう,奥様には言わないで下さい,私が叱られますから,それと、美月さんを帰してくださいね」
「奥様が,翔さんの様子がおかしいので探偵に調べてもらい,美月さんが原因だとわかったんです。だんな様は,翔様を信じるように言っていたのですが,最終的にだんな様に内緒で,翔様と別れるように現金を美月さんに渡したんです。だから,二人がここの家にいると,私が・・・・・困ります,お願いします,帰ってもらっていただきたいのですが・・・・・」
本当に困ったいる様子で,翔に懇願した。
「大丈夫,僕が責任持つ、迷惑をかけないから,もう,いいよ,下の仕事して」
「はい,承知いたしました,失礼します」
翔は,申し訳なさそうに美月の方を向いた。
「ごめん,お母さんが失礼なことをして,帰ったら良く話しておくから,それで来たんだね」
「はい,100万円,お母さんに返して」
「えっ,こんな大金を美月さんに・・・・・・、本当にごめん・・」
翔はお金を受け取ると,ゲームを出してきた。
「太陽君,星奈ちゃん,ゲームしよう,相手がいないとつまらなくて・・・・・」
「いえ,もう,用事が済んだので帰ります」
美月が立ち上がろうとした時に,翔は二度と美月さんに会えないような気がして,
「帰る前に,あの壁の隠れた所に見せたい物があるんだ,美月さん来て,太陽君,星奈ちゃん,先に遊んでて」
帰る前に一つぐらい翔の言うことを聞いて上げようと思い,太陽君と星奈ちゃんの見えない壁の所に二人で行った。
「美月さん,・・・好きなんだ」
翔は美月の顔を両手で挟んで,キスをした。
美月は目を丸くして驚いたが優しいキスにうっとりしてしまった。こうして二人は,短い,甘い時間で心が癒やされた。美月も,これではっきりした,翔君が好き!
「美月さん,僕と交際してください」
「私も翔君好きだけど,私の家は貧乏,翔君の家は金持ちで,お母さんも反対しているし,無理よ・・・・」
翔は,また,美月にキスをして,それ以上の言葉が出ないようにした。
二人は,お互いを思いながら抱き合った。
「翔様,お母様がお帰りです」
お手伝いさんが階段を上がってきた。
「美月さんたちの靴はかくしました,とりあえず,このクローゼットに隠れてください」
美月は、隠れなかった。
「私は、お金を返しに来ただけでで、何も隠れるようなことはしていません」
美月は、そう言ってから、二人でキスをしたことを思い出して顔が赤くなった。しかし、ドアが開いても毅然とした態度で、翔のお母さんを待った。
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