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③カノンは今日も編集長に叱られていた。
「カノンに俊太、スペースエースの写真はどうしたんだ! 役立たず!」
「済みません、編集長、カノン先輩が先に行っちゃって。そんで、俺が行ったらスペースエースが戦って子どもを連れて飛んで行ったと近所のおばちゃんから聞いたんですから、カノン先輩は先に行って撮れたはず、カノン先輩が悪いんです」
「私のせいにするの、俊太、私が行った時も同じよ、もう、いなかったわ、ねえ、前にも言ったけど、私は先輩!」
「うるさい! おまえはおっぱいでいい! 今度、写真が撮れなかったら二人ともクビだ!」
「編集長、二人はチーム、どちらかが撮ればいいですよね」
「そうだ、どちらかが撮れれば許してやる」
「おっぱい先輩、ドジしないでくださいよ」
 (いつか、この大きな胸、揉んでやるからな)
「何がおっぱいよ、でも、協力して撮りましょう」
 カノンは自分がスペースエースなので撮ることができない。だから、嫌いでも俊太に撮ってもらうしかないのだ。
「おい、ニュースでやっているぞ、銀行強盗だ! スペースエースが現れるかも知れない、二人、すぐに行け!」
「はい!」
「私は自分のこの車で行くから、俊太も自分の車で行って!」
「一緒に行きましょう、おっぱい先輩」
「うるさいわね、じゃあ、現地で!」
 カノンはスペースエースになって事件現場に向かった。
「そこまでよ、人質を解放しなさい」
 銀行強盗団が突然の声に驚いて振り向くと、完全無敵のヒロインスペースエースが腰に手を当てて余裕のポーズで立っていた。
「スーパーヒロインって言っても女だ、やっちまえ!」
 向かって来る強盗団のおでこを指で弾き、壁に次々と激突させる。
「おい、これを見ろ! こいつを殺してもいいのか、そこから動くな」
 近くの男性客を捕まえて人質にし、男の頭に銃を向けている。それを見てもスペースエースは笑みを浮かべて近づいて行く。
「ぅうっ、本当に打つぞ! 来るな!」
 犯人が言い終わる前に、瞬間的に犯人の側に行き、目の前で銃をひねり潰した。
「ぁっ、この女、怪物か!」
「失礼ね、この乙女に向かって、ただ、知恵と力があるだけよ」
 スペースエースは、犯人を張り倒して気絶させ、全員まとめて縛り上げた。
 銀行前では、町の人々から拍手喝采とともに、ヒロインとしての褒め言葉のシャワーをたくさん浴びた。近くに来て握手も求められ、いつものように気分爽快だった。いつもなら飛んで帰るところだが、写真を撮ってもらうために俊太を待った。
「来たわね、俊太、まったく遅いんだから」
「初めまして、私・・・・・・」
「いいから、要件を言って! ヒロインはいそがしいの!」
「写真を撮らせてください、それと取材をお願いします」
「はい、どうぞ!」
「えっ、本当にいいんですか、じゃあ、まず、スリーサイズは」
「えっ」
(取材予定に書いてない質問だわ)
「ノーコメント!」
「彼氏はいますか、ヒロイン活動で忙しくていないですよね、じゃあ、オナニーは週何回、自分を慰めているんですか」
(これもなかったはず)
「セクハラ質問しないで!」
「編集部から質問してくるように言われていて、お願いします。感じるのは胸、クリトリス、それとも、股にある秘密の穴ですか」
(最低なやつ)
「ノーコメント」
「すみません、じゃあ、コメントはいいので、コスチュームの質感を確かめさせてください、これ、絶対命令で、わからないとクビになっちゃうんですよ」
 あまりにも独断すぎて、驚いてキョトンとしていると、体を触ってきた。
「スペースエース、露出が多いのは見られて感じたいからですか」
 質問が違っていたり、触られるのは嫌だけど、クビにならないように写真を撮らせたので、後は記事にできるものが必要だ。ここは、我慢して協力することにした。
「ヒロインに恥じらいはない! これが戦闘のための私のポリシー」
「胸を潰しているけど大きいですね、でか乳すぎて戦いずらいでしょ」
 俊太が両方の胸を揉んだ。スペースエースが払い除けると、スペースエースの両手を片手で押さえて、もう片方の手で足の付け根を弄ってクリトリスと秘穴の二点を押した。
 ギュー ギュ~ギュ~
「ぁあ! ぁあ~ぁ~何!」
 俊太を壁に投げて飛び立った。
「ふん、正義のヒロインも、ただの女ということか」
 スペースエースは、振り向かずに飛び続けて帰宅した。 
  
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