黒翼の天使(18禁)

ヒロイン小説研究所

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⑤森の奥で静かに過ごしていた黒翼の天使だが、人間が多くいる所で悪の魔人が出現したので、迷うことなく、人間を助けに現場に飛んで行った。
    
    「黒翼の天使、人間に追われているのに、ここにやってきていいのかな」
    
    「人間が、好きだから・・」
    
    「おおっと、武器を持った人間が来たようだ、それでも、この俺と戦うと言うのか」
    
    「えいぃ!」
    
     黒翼の天使は、魔人に向かって行った。魔人は、身を交わして空中戦となった。敵は長い槍のような武器で黒翼の天使を突き刺してきたが、黒翼の天使は身の動きが軽快で刺さることはなかった。その時、火炎砲が飛んできた。人間の襲撃だ。
    
    「魔人ども、覚悟しろ、焼き殺してやる!」
    
     黒翼の天使と魔人は戦いながら、人間の攻撃から身を守らなければならなかった。魔人は、獲物の人間に焦点を当てて捕まえようと下降した。それを、察した黒翼の天使は追いかけて、人間の前に出た。魔人は、黒翼の天使が着地して獲物の人間に気をとられているうちに、武器の槍で黒翼の天使の太ももを突き刺して立っている。
    
    「ぅわああ~~・・・・・・・」
    
    「ふん、そんな人間、捨てて早く逃げればいいんだ、こいつは俺の獲物だ!」
    
    「人間を守る!!」
    
     黒翼の天使は、太ももに槍が突き刺さり、それを魔人が持っていても、痛さを我慢して、ジャンプし、魔人の背後へと飛んだ。そして、槍を抜き、反対の足で回し蹴りをした。魔人は、飛ばされ、黒翼の天使は追いかける。そして、魔人を仕留めようとした時に、人間の敵意のこもった火炎砲が黒翼の天使に直撃した。
    
    「あっ、熱いぃい~・・・」
    
     黒翼の天使は、その場を転げまわった。魔人は、そんな黒翼の天使を槍で突く、反対の太もも、左右の手、そして、胸を。
    
    「うあああああああ~~~~・・・・」
    
    「獲物の人間は貰って行くぞ! お前は、あの人間たちにまかせて、殺されてしまえ!!ばかな、黒翼の天使だ!」
    
     全身、そして、胸も突き刺されて重症の黒翼の天使だが、片足立ちで魔人を睨み、
    「人間は、守る!」
    
     黒い大きな翼だけで魔人に向かって行った。手も足も槍で刺されて敵にダメージを与えることができないが、翼の上部や羽ばたきで魔人を翻弄させ、最後は、翼の上部で突き刺した。
    
    「おまえの槍より、黒い翼の方が威力があるぞ! とぉっぉおおお!」
    
     魔人は、獲物の人間を諦めて黒い翼から体を抜くと逃げて行った。
    
    「待て!」
    
     生かしておいたら、また、人間を襲うかもしれないので、追いかけようと体制を変えた時、火炎砲弾が黒い翼に2発当たり、黒翼の天使は火に包まれた。
    
    「ぎゃぁあああ~~・・・・・」
    
     黒翼の天使は、そのまま落下した。手足、翼、その他も負傷して人間を助け、そして、同じ人間に攻撃されたのだ。芋虫のようにはって逃げる黒翼の天使に、全員の火炎砲が向けられた。
    
    「全員、サキュバス、コウモリ女を絶対に逃がさないようにして、焼き殺せ!!」
    
     黒翼の天使は、最後の力をふり絞って、黒い翼を羽ばたかせ、火炎砲を吹き飛ばしている。黒翼の天使の体力がつきるのが先か、火炎砲のエネルギーが切れるのが先か、分からない。
    
     黒翼の天使は、羽ばたきながら少しずつ移動し、ある程度の距離をとったら、そのまま多少の火炎砲の熱さに耐え、逃げた。その時、逃げたと思っていた魔人が槍で下から黒翼の天使の胴体中央を深く突き刺した。
    
    「ぐわっ・・・・・・」
    
     黒翼の天使は、手足をだらりとさせて槍に突き刺さって動けない。体を先ほど突き刺されただけでなく、体力の限界だった。自分の体から槍を抜く力がないのだ。もちろん、翼も動かせない。魔人は、持っていた槍を地面に突き刺して、飛んで行った。
    
    「魔人同士の戦いだが、これで有利になったぞ、あの槍の先端に突き刺さっている、サキュバス、コウモリ女を火炎砲で集中攻撃するんだ! やつは動けない!」
    
    「火炎砲、全員、用意!」
    
     黒翼の天使は、自分の最後を悟った。
    「ごめんね、お父さん、お母さん、何も恩返しできなくて・・・・・・」
    
     黒翼の天使は、育ててくれた父母のことを思い、涙がこぼれた。
    
    「火炎砲、打て!」

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