黒翼の天使(18禁)

ヒロイン小説研究所

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③  黒翼の天使は、本能的に1軒のある家のベランダに降りた。

 家の中で夫婦の楽しそうな会話が聞こえている。黒翼の天使は、男の声も聞こえたので獲物と考えて窓から侵入した。そこは、黒翼の天使に変身する前の立花芽衣の部屋だ。そこにあった物に黒翼の天使は、どこか心優しい暖かさを感じたのだ。黒翼の天使は、それが何なのかわからない。どこか、遠い記憶の中で霞のように思い出すのだ。

 黒翼の天使は、それが知りたくなって、色々と手にとってみた。教科書、服、クローゼットの中の水着、最後に写真・・・・・・・・・・。

「だれ、だれか、2階にいるの、泥棒!!1」

 この声、聞いたことがある・・・・・・・・。

 下にいた芽衣の育ての父母がやってきた。

「きゃあぁぁぁぁ・・・・、前は、人間の味方、今は男を襲う、黒翼の天使! 大切なあ芽衣の部屋を荒らさないで、お願い、お願いします」

 お母さんは、手で拝んで黒翼の天使にお願いする。父親は、棒を持ってきて母親を守ろうとする。黒翼の天使は、その瞬間、すべてを思い出した。

「あっ、私、私は・・・、ごめんなさい・・・・・」

 黒翼の天使は、部屋の窓から飛び出した。目にいっぱいの涙を流して。

「お父さん、黒翼の天使って、人間の敵になったと言っていたけど、何もしないで出て行ってくれましたね・・・・・・・」

「ぃや! 芽衣の部屋をこんなに荒らして、許せない」

「でも、誤って泣いていましたよ・・・・・・・」

 二人は芽衣が黒翼の天使だとは知らないのだ。施設から引き取った普通の人間だと思っている。一方、芽衣は自分がされて、サキュバス、コウモリ女になったこと、一人ではあるが、人間を殺めてしまったことなど、すべて思い出した。
黒翼の天使は、深い傷跡とともに、深い森の奥へと身を隠した。
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