黒翼の天使(18禁)

ヒロイン小説研究所

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②黒翼の天使は田所進の正体が分かったので,家に帰って芽依に戻った。次の日は理由を適当につけて学校を休んだ。夕方,体の具合が良くなったことを育ての両親に伝え,夕食を作ることにした。
「買い物に行ってくるけど,肉と魚,どっちがいいの?」
「芽依の好きなものでいいよ~」

 芽依を育ててくれた両親は標準以上にいい人達だった。芽依を信じて,芽依に優しく自由に行動もさせてくれる。そんな両親が芽依は大好きだった。だからこそ,自分の力を使って人間のために悪魔を封印しているのだ。

 芽依は料理を作り,久しぶりの楽しい夕食だった。将来の夢を聞かれて芽依は,
「人間の役に立つこと!」
「えっ!まるで芽依は人間じゃないみたいだねぇ~」
 家族で笑いって,いつまでもこの時間が続けばいいと芽依は思っていた。

 夜になり,芽依は黒翼の天使に変身した。変身すると言葉遣いも男の気の強い口調となる。これは芽依から黒翼の天使へと遺伝子も変わり,自然と凜々しい悪魔となるのだ。芽依は,部屋の立ち鏡で自分の姿を見た。

 髪の毛は、黒いロングで変わらないが肩より下はカールで巻いたようになっている。目は,赤く,力強さを自分でも感じる。目力があるのだ!口はやや裂けているような,そして両側から牙が出ている。芽依はカチカチさせながら触って見た。尖っていて鋭い白い牙だ。手を見ると尖った爪になっている。何よりも特徴的なのが,コウモリのような大きな光沢のあるつるつるとした翼が背中から生えているのだ!自分でもその見事な羽根に目を奪われる。黒のロングブーツにロング手袋,そして,主体となるコスチュームは,黒のレザーハイレグレオタードだ。芽依は初めて自分の姿を見た時に,驚いて座り込んでしまったことを思い出す。そして,この姿に嫌悪感を抱いた時に,黒いアイマスクが出現した。これは自分の意志で着脱できる。

 芽依の心の葛藤は,人に害を及ぼす魔物を封印することで平静でいられるのだ。本当の自分と向き合うのは恐ろしい,だから人間を守る守護天使,黒翼の天使となのったのだ。それが,今,状況が変わってきてしまった。それでも,今夜,悪魔が出れば人間を助けに行く。もしかしたら,権田やサーカス団に捕まるかもしれないけど・・・・。
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