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王女、戸惑う。
74.
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「そもそも!さっきも何で戻って来るんですか⁉︎俺を何だと思ってるんです⁉︎」
「万が一クシュナが戻って来なかったら困るし……」
しゅーんとするカトレアの呟きにクシュナは一瞬黙るも、ハッと気づいて気を取り直す。
「だ……っ……⁉︎だ、だいたい!さっきの二刀流もどきはなんですか⁉︎実戦でわけわからないことするなんてアホですか⁉︎」
「初めてって訳じゃないよ、訓練でよくやってたし。……遊び半分ではあったけど」
「あ、遊び半分って……っ!!ホントに……っ!何であなたって言う人は……っ!じゃなくて!!あぁもうツッコミどころしかなくて突っ込みきれない……っ!!!」
あぁああぁっ!と頭を抱えて未だに喚くクシュナを眺めながら、ヒエンはパルを身やる。
「……なんて言うか、気の毒なやつだな、アイツ……」
「……アレでクシュナは一生懸命生きてるんだよぉ、言わないであげてぇ」
「何か言ったかお前ら!」
「何でもないよぉ~」
グレンとナクタを見ているリオウの元へと案内されながら、クシュナがギロリと睨みつけると、1人は肩をすくめ、1匹は明後日を眺めやる。
「第一、あなたパルと2人でどこに行くつもりだったんですか⁉︎」
「ひとまず精霊の神殿に行くつもりだったけど……合ってるよね……?」
ちろりとクシュナの機嫌を伺いながら、カトレアは自身の答えへの反応を確かめる。
精霊の神殿はクランジスタ王国が管轄する領地内に建てられた、その名の通り精霊王を祀るための建造物である。
しかしながらクランジスタ王国からはある程度距離もあり、周辺には魔物も生息する地にあることから、一般的に広く利用される神殿は王国内に別に建てられていた。言うなれば、ごく一部の限られた者が赴く場と言う位置付けの辺鄙な場所である。
未だ不機嫌ではあるものの、多少は落ち着いたらしきクシュナはしばし黙り、ハァとため息を吐く。
「……まぁ、可能性として高いのは確かにソコだとは俺も思いますが、ただ行った所で会えませんし、行った所で門前払いかも知れませんし、そもそも本当に会えるかなんてわかりませんよ」
「でも、万に一つでも会える可能性がある場所ってことに変わりはないでしょ?」
やれやれと息を吐くクシュナに、カトレアは頬を膨らませる。
「……ハァ…………まぁ……何の因果か、ここは神殿から酷く遠い訳でもないですから、それであなたの気が多少でも済むのなら付き合ってもいいですが………。………神殿には顔見知りもいますしね……」
「え⁉︎いいの⁉︎ありがとうクシュナ!大好き!」
心底疲れたような嫌そうな表情でボソボソと呟くクシュナの言葉にいち早く反応したカトレアは、クシュナへと抱きつく。
「ちょっと!違いますからね⁉︎これ以上暴走しないで下さいよって言ってるんです!わかってます⁉︎どうにもならなくても帰りますからね⁉︎いいですか⁉︎」
子どものように抱きついてくるカトレアにクシュナが目を吊り上げて怒る。
「それに!神殿に行くなら条件があります!」
バリっと抱きついてくるカトレアを引き剥がし、クシュナは声をひそめて真剣な面持ちをする。
「アイツらとは今ここで、すぐに別れます。それが条件です。いいですね」
いくらか声をひそめて伝えられたクシュナの言葉に、カトレアは束の間押し黙った。
「万が一クシュナが戻って来なかったら困るし……」
しゅーんとするカトレアの呟きにクシュナは一瞬黙るも、ハッと気づいて気を取り直す。
「だ……っ……⁉︎だ、だいたい!さっきの二刀流もどきはなんですか⁉︎実戦でわけわからないことするなんてアホですか⁉︎」
「初めてって訳じゃないよ、訓練でよくやってたし。……遊び半分ではあったけど」
「あ、遊び半分って……っ!!ホントに……っ!何であなたって言う人は……っ!じゃなくて!!あぁもうツッコミどころしかなくて突っ込みきれない……っ!!!」
あぁああぁっ!と頭を抱えて未だに喚くクシュナを眺めながら、ヒエンはパルを身やる。
「……なんて言うか、気の毒なやつだな、アイツ……」
「……アレでクシュナは一生懸命生きてるんだよぉ、言わないであげてぇ」
「何か言ったかお前ら!」
「何でもないよぉ~」
グレンとナクタを見ているリオウの元へと案内されながら、クシュナがギロリと睨みつけると、1人は肩をすくめ、1匹は明後日を眺めやる。
「第一、あなたパルと2人でどこに行くつもりだったんですか⁉︎」
「ひとまず精霊の神殿に行くつもりだったけど……合ってるよね……?」
ちろりとクシュナの機嫌を伺いながら、カトレアは自身の答えへの反応を確かめる。
精霊の神殿はクランジスタ王国が管轄する領地内に建てられた、その名の通り精霊王を祀るための建造物である。
しかしながらクランジスタ王国からはある程度距離もあり、周辺には魔物も生息する地にあることから、一般的に広く利用される神殿は王国内に別に建てられていた。言うなれば、ごく一部の限られた者が赴く場と言う位置付けの辺鄙な場所である。
未だ不機嫌ではあるものの、多少は落ち着いたらしきクシュナはしばし黙り、ハァとため息を吐く。
「……まぁ、可能性として高いのは確かにソコだとは俺も思いますが、ただ行った所で会えませんし、行った所で門前払いかも知れませんし、そもそも本当に会えるかなんてわかりませんよ」
「でも、万に一つでも会える可能性がある場所ってことに変わりはないでしょ?」
やれやれと息を吐くクシュナに、カトレアは頬を膨らませる。
「……ハァ…………まぁ……何の因果か、ここは神殿から酷く遠い訳でもないですから、それであなたの気が多少でも済むのなら付き合ってもいいですが………。………神殿には顔見知りもいますしね……」
「え⁉︎いいの⁉︎ありがとうクシュナ!大好き!」
心底疲れたような嫌そうな表情でボソボソと呟くクシュナの言葉にいち早く反応したカトレアは、クシュナへと抱きつく。
「ちょっと!違いますからね⁉︎これ以上暴走しないで下さいよって言ってるんです!わかってます⁉︎どうにもならなくても帰りますからね⁉︎いいですか⁉︎」
子どものように抱きついてくるカトレアにクシュナが目を吊り上げて怒る。
「それに!神殿に行くなら条件があります!」
バリっと抱きついてくるカトレアを引き剥がし、クシュナは声をひそめて真剣な面持ちをする。
「アイツらとは今ここで、すぐに別れます。それが条件です。いいですね」
いくらか声をひそめて伝えられたクシュナの言葉に、カトレアは束の間押し黙った。
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