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六章
姉の痕跡
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目を覚ますと、見慣れたクリーム色の天井が広がっていた。
暖かい光が目に滲みる。
ゆっくり上体を起こすと、雅也が微笑を浮かべた。
「驚いた。本当に話し始めたら寝るんだな。いや疑ってたわけじゃないんだが……不思議なものを見たな」
そう言いつつ、手に持っていた紙を差し出した。
「なに?これ」
不思議に思い尋ねたが、雅也は何も言わずに手を伸ばし続けた。疑問を抱いたまま紙を受け取る。
「え、これ……うちの住所?」
売り払われてなかったのか、という考えが頭をよぎる。
無意識に頬が緩む。
売られてなかった。失ってなかった。
それが、とても嬉しかった。
ふと疑問が口を滑りでた。
「え、でもどうして、焼けたんじゃ……?」
「二階はほぼ無事だったんだよ。君達二人の部屋は無傷だったんだ。一階部分は修築されてるよ」
雅也は苦笑を漏らした。
「これを残そうとしているのは、他でもない、きみの祖父なんだ」
「え」
紙が手から滑り降ちる。
──お前のせいで智美は死んだんだ!お前が死ねば良かったんだ!
今でも祖父の言葉が広翔の体に鎖を巻き付けるように呪縛となっている。
広翔はシーツを握りしめた。
雅也は腰を浮かしながら「まぁ」と口を開く。
「お義父さんは悪い人じゃあないよ。どこまで記憶が戻ったかはわからないが……病院で起きた出来事の方が、むしろイレギュラーだったんだ。困惑していたんだよ、あの人も。なんせいきなり家族を失ったのだから。かといって、君にあんな暴言吐く権利なんてないわけだが」
部屋を出る直前、雅也は寂しそうに微笑みながら言った。
「それじゃあ、夕飯作るから……気が向いたらおいで」
結芽はどこかへ出ているのか、と頭の隅で浮かぶ。ぐちゃぐちゃになりそうなほどに思考はまとまっていないのに、どこか冷静な思考がある。
パタン、とドアが閉まると、目覚まし時計の秒針の音が妙に大きな音を響かせた。
広翔のシーツは起伏を残したままだった。
身を重力に任せ、倒れ込むようにしてベッドに背を預ける。
取り戻した記憶は、なんの当たり障りもない日常だけだった。
楽しかったこと、嫌な出来事、まるで昨日のことのように記憶が鮮明だ。もちろん、事件の日のことも例外ではない。
もう一度姉に会いたい。
目を覚まして一番はじめにそう思った。
当たり前に続くと信じて疑わなかった日常を壊した檜木佳奈を憎しみの対象としているかと問われると、間違いなく首を縦に降る。いくら澄香の母親といえど、何も無かったかのように「気にしてませんよ」などと言えるはずもなかった。
まずはかつての家に向かおう。
広翔はそう決心すると、いい匂いのするリビングへと向かった。
***
その週の土曜日、広翔は水やりを終えた足でかつての家に向かった。その家の鍵は勉強机の横に備え付けられた引き出しの中に入っていた。
かつての家は既に荒廃し、壁は薄いクリーム色だったものが薄汚れ、庭だった場所は雑草が生い茂っていた。
カチャリと音を立てて家の鍵を開ける。
キイイという音と共にむわっと熱気が体を包んだ。
汗をかきながらリビングへ向かう。埃をかぶったテーブルと椅子に、ソファ。懐かしい、という気は起きなかった。
窓に歩み寄り、全開にする。
さわさわと葉が擦れる音が心地好い。暑いことに変わりはなかったが。
ゆったりとした足取りで二階へ向かう。
姉の部屋の前に立つ。
ゆっくりと手をかけ、奥に押す。
シンプルながらもセンスのあるその部屋は、姉という主を失い暗い雰囲気に包まれている。
絶対に見るな、と姉に言われていたものがあった。
どこにしまったのだろうかとあたりを探そうとすると、机の上にポンと置かれた、桃色の表紙の本が置かれていた。
見られたくないなら隠せよ。
広翔は心の中で突っ込んだ。
ペラペラとめくると、思わず吹き出した。
日記というのは色々な書き方があるが、姉のは統一性がない。
『テストとかノー勉でいける今のうち』
俳句か?と思えるものや、
『アイツやだ嫌いほんとにウザイまじで嫌い大っ嫌い』
ひたすら愚痴を書き綴った文面、
『何も無かったけど一応書いておくわ。夕飯は鍋だった』
などの当たり障りのないものなどが書いてあった。
ページを捲るうちに、ふと手を止めた。
『夏祭り望江と行ったけど、あの子も誘いたかったな』
あの子。
初めて目にした単語だ。
日付はちょうど今から九年前の八月。
檜木一家が引っ越してきた時から一ヶ月経ったかどうかくらいの時期だ。
あの子というのは澄香の可能性が高い。
注意深く読んでいく。
『無口すぎる。ていうか怯えられてるのかな。なんで?私怖いかな』
『あの子の体痣だらけだった。聞いても答えてくれなかった。信用ないのか?』
『あの子、なんかすっごい目が青黒く腫れてたんだけど。大丈夫なのかな』
日記を持つ手が震えた。
大体の予想はついた。
澄香は虐待を受けていたのだろう。
それは真理とのやり取りでわかっていたはずだった。だがいざ言葉にされるとクるものがある。
『あの子が公園のベンチに横たわっていた。ボロボロなんだけど。とりあえずヒロいないし家にあげた』
「え!?」
初めて知ったぞそんなこと。
確かその時期は璃久の家に遊びに行っていたような──……。
思い出そうとしながらまたパラリとページをめくる。
『とりあえずるりちゃんのお母さんを呼ぶことにした。お父さんのことを聞こうとするとすごく青ざめてしまう。トラウマってこういうことなんだろうな』
父親。
見る限り父親の方がヤバそうな気がするのだが、事件を起こしたのは母親の方だ。
それともう一つ。「るりちゃん」だ。きっとこの名が、澄香の本名なのだろう。
広翔は眉を顰め、読み進める。
『お母さんはカナさんていうらしい。カナさんも青アザすごい。ひどい人。なんで別れないの?聞けないけど』
ストレートに書かれた文句に怒りが込められたように殴り書きになっていた。
『ヒロには会わせられない。あの子は人の痛みに敏感だから。コソコソしてたらバレるから堂々としていないと』
初めて知った姉の心境に、広翔はまたギュッと日記を握りしめる。
『お母さんはカナさんとお茶をよくするようになったみたい。るりちゃんは大丈夫なのかな。聞きたいけど無理だよね。学校同じはずなんだけど見たことない。なんで?』
パラパラとめくっていく。
ふと、気になる文が目に止まる。
『まさかの一つ年上。そりゃ会えないわけだ。私より小柄だからてっきり同じ歳か、もっと下と思ってた』
一つ年上と書いてあった。なら、何故今望江先輩と同学年なんだろう。成績は良いし、留年はありえない。
そういえば、と記憶を手繰る。
尾田家に初めて呼ばれた際、季実は彼女の姉の子どもだと告白してくれた。そしてその時、彼女は確かに言った。
「引き取ったのはあの子が中学生になった年」
どういうことだ。
施設にでも預けられていたのだろうか。事件が起きたのは澄香が小学六年生の十二月だ。望江が証言していた。
え、二歳年上?
広翔はページをめくる手を止めた。
彼女の身に起きたこと。
断片的にしか見えてこない上に決定的証拠もない。当然だが、事件の日の日記はない。
何がヒントなんだ。
姉に八つ当たりしたくなる。
──知恵を振り絞って。
知恵とは何だ。日記を見ればわかると言ってたではないか。
知恵。日記。
ふと、何かが繋がった気がした。日記に視線を落とす。
表紙に付いている透明のカバーを外した。
表紙は、全くの別物だった。透明のカバーにくっついた桃色の紙が一緒に外れて、中に物が入るような仕掛けになっていた。
入っていたのは、写真だった。
生々しい傷跡が写された写真。
裏には撮られた日付。
痛々しくて思わず目をそらす。
はっと広翔は閃く。
ある考えに至ったのだ。
震える足をもつれさせながら、広翔は家を大慌てで飛び出した。
暖かい光が目に滲みる。
ゆっくり上体を起こすと、雅也が微笑を浮かべた。
「驚いた。本当に話し始めたら寝るんだな。いや疑ってたわけじゃないんだが……不思議なものを見たな」
そう言いつつ、手に持っていた紙を差し出した。
「なに?これ」
不思議に思い尋ねたが、雅也は何も言わずに手を伸ばし続けた。疑問を抱いたまま紙を受け取る。
「え、これ……うちの住所?」
売り払われてなかったのか、という考えが頭をよぎる。
無意識に頬が緩む。
売られてなかった。失ってなかった。
それが、とても嬉しかった。
ふと疑問が口を滑りでた。
「え、でもどうして、焼けたんじゃ……?」
「二階はほぼ無事だったんだよ。君達二人の部屋は無傷だったんだ。一階部分は修築されてるよ」
雅也は苦笑を漏らした。
「これを残そうとしているのは、他でもない、きみの祖父なんだ」
「え」
紙が手から滑り降ちる。
──お前のせいで智美は死んだんだ!お前が死ねば良かったんだ!
今でも祖父の言葉が広翔の体に鎖を巻き付けるように呪縛となっている。
広翔はシーツを握りしめた。
雅也は腰を浮かしながら「まぁ」と口を開く。
「お義父さんは悪い人じゃあないよ。どこまで記憶が戻ったかはわからないが……病院で起きた出来事の方が、むしろイレギュラーだったんだ。困惑していたんだよ、あの人も。なんせいきなり家族を失ったのだから。かといって、君にあんな暴言吐く権利なんてないわけだが」
部屋を出る直前、雅也は寂しそうに微笑みながら言った。
「それじゃあ、夕飯作るから……気が向いたらおいで」
結芽はどこかへ出ているのか、と頭の隅で浮かぶ。ぐちゃぐちゃになりそうなほどに思考はまとまっていないのに、どこか冷静な思考がある。
パタン、とドアが閉まると、目覚まし時計の秒針の音が妙に大きな音を響かせた。
広翔のシーツは起伏を残したままだった。
身を重力に任せ、倒れ込むようにしてベッドに背を預ける。
取り戻した記憶は、なんの当たり障りもない日常だけだった。
楽しかったこと、嫌な出来事、まるで昨日のことのように記憶が鮮明だ。もちろん、事件の日のことも例外ではない。
もう一度姉に会いたい。
目を覚まして一番はじめにそう思った。
当たり前に続くと信じて疑わなかった日常を壊した檜木佳奈を憎しみの対象としているかと問われると、間違いなく首を縦に降る。いくら澄香の母親といえど、何も無かったかのように「気にしてませんよ」などと言えるはずもなかった。
まずはかつての家に向かおう。
広翔はそう決心すると、いい匂いのするリビングへと向かった。
***
その週の土曜日、広翔は水やりを終えた足でかつての家に向かった。その家の鍵は勉強机の横に備え付けられた引き出しの中に入っていた。
かつての家は既に荒廃し、壁は薄いクリーム色だったものが薄汚れ、庭だった場所は雑草が生い茂っていた。
カチャリと音を立てて家の鍵を開ける。
キイイという音と共にむわっと熱気が体を包んだ。
汗をかきながらリビングへ向かう。埃をかぶったテーブルと椅子に、ソファ。懐かしい、という気は起きなかった。
窓に歩み寄り、全開にする。
さわさわと葉が擦れる音が心地好い。暑いことに変わりはなかったが。
ゆったりとした足取りで二階へ向かう。
姉の部屋の前に立つ。
ゆっくりと手をかけ、奥に押す。
シンプルながらもセンスのあるその部屋は、姉という主を失い暗い雰囲気に包まれている。
絶対に見るな、と姉に言われていたものがあった。
どこにしまったのだろうかとあたりを探そうとすると、机の上にポンと置かれた、桃色の表紙の本が置かれていた。
見られたくないなら隠せよ。
広翔は心の中で突っ込んだ。
ペラペラとめくると、思わず吹き出した。
日記というのは色々な書き方があるが、姉のは統一性がない。
『テストとかノー勉でいける今のうち』
俳句か?と思えるものや、
『アイツやだ嫌いほんとにウザイまじで嫌い大っ嫌い』
ひたすら愚痴を書き綴った文面、
『何も無かったけど一応書いておくわ。夕飯は鍋だった』
などの当たり障りのないものなどが書いてあった。
ページを捲るうちに、ふと手を止めた。
『夏祭り望江と行ったけど、あの子も誘いたかったな』
あの子。
初めて目にした単語だ。
日付はちょうど今から九年前の八月。
檜木一家が引っ越してきた時から一ヶ月経ったかどうかくらいの時期だ。
あの子というのは澄香の可能性が高い。
注意深く読んでいく。
『無口すぎる。ていうか怯えられてるのかな。なんで?私怖いかな』
『あの子の体痣だらけだった。聞いても答えてくれなかった。信用ないのか?』
『あの子、なんかすっごい目が青黒く腫れてたんだけど。大丈夫なのかな』
日記を持つ手が震えた。
大体の予想はついた。
澄香は虐待を受けていたのだろう。
それは真理とのやり取りでわかっていたはずだった。だがいざ言葉にされるとクるものがある。
『あの子が公園のベンチに横たわっていた。ボロボロなんだけど。とりあえずヒロいないし家にあげた』
「え!?」
初めて知ったぞそんなこと。
確かその時期は璃久の家に遊びに行っていたような──……。
思い出そうとしながらまたパラリとページをめくる。
『とりあえずるりちゃんのお母さんを呼ぶことにした。お父さんのことを聞こうとするとすごく青ざめてしまう。トラウマってこういうことなんだろうな』
父親。
見る限り父親の方がヤバそうな気がするのだが、事件を起こしたのは母親の方だ。
それともう一つ。「るりちゃん」だ。きっとこの名が、澄香の本名なのだろう。
広翔は眉を顰め、読み進める。
『お母さんはカナさんていうらしい。カナさんも青アザすごい。ひどい人。なんで別れないの?聞けないけど』
ストレートに書かれた文句に怒りが込められたように殴り書きになっていた。
『ヒロには会わせられない。あの子は人の痛みに敏感だから。コソコソしてたらバレるから堂々としていないと』
初めて知った姉の心境に、広翔はまたギュッと日記を握りしめる。
『お母さんはカナさんとお茶をよくするようになったみたい。るりちゃんは大丈夫なのかな。聞きたいけど無理だよね。学校同じはずなんだけど見たことない。なんで?』
パラパラとめくっていく。
ふと、気になる文が目に止まる。
『まさかの一つ年上。そりゃ会えないわけだ。私より小柄だからてっきり同じ歳か、もっと下と思ってた』
一つ年上と書いてあった。なら、何故今望江先輩と同学年なんだろう。成績は良いし、留年はありえない。
そういえば、と記憶を手繰る。
尾田家に初めて呼ばれた際、季実は彼女の姉の子どもだと告白してくれた。そしてその時、彼女は確かに言った。
「引き取ったのはあの子が中学生になった年」
どういうことだ。
施設にでも預けられていたのだろうか。事件が起きたのは澄香が小学六年生の十二月だ。望江が証言していた。
え、二歳年上?
広翔はページをめくる手を止めた。
彼女の身に起きたこと。
断片的にしか見えてこない上に決定的証拠もない。当然だが、事件の日の日記はない。
何がヒントなんだ。
姉に八つ当たりしたくなる。
──知恵を振り絞って。
知恵とは何だ。日記を見ればわかると言ってたではないか。
知恵。日記。
ふと、何かが繋がった気がした。日記に視線を落とす。
表紙に付いている透明のカバーを外した。
表紙は、全くの別物だった。透明のカバーにくっついた桃色の紙が一緒に外れて、中に物が入るような仕掛けになっていた。
入っていたのは、写真だった。
生々しい傷跡が写された写真。
裏には撮られた日付。
痛々しくて思わず目をそらす。
はっと広翔は閃く。
ある考えに至ったのだ。
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