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六章
暴走
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目を覚ますと、姉が横に座っていた。
こちらは見ずに、どこか遠くをぼんやりと眺めている。
「姉さん」
そっと声をかけたが、姉は宙を眺めたままこちらを見ようともしなかった。
「姉さん」
もう一度声をかける。
だが、相変わらずこちらを見ない。
無視されているのか、と気づいた。だが、何故。
姉は気分によって態度を変える人ではなかった。絶対になにか理由がある。それがわからないのだが。
広翔が考え込んでいると、「ねえ」と春海が口を開いた。
「ヒロは友達を大切にしてって、私言ったと思うんだけど」
怒気を含んだ物言いで、春海は制服のスカートを意味なく触る。
「言わ、れたっけ」
「忘れん坊め。言った。それを何?突然友達に対して暴力振るって、最悪よ。しかも女の子に大してあんな仕打ち!!信じらんない」
広翔は困惑した。
殴った?女子を?
記憶に思い当たらない。
「私は人を傷つけるために空手を習おうって言ったんじゃないわ」
空手。
そうだ。習っていたんだ。そんなことすら忘れていた。
ぶわっと頭に映像が流れ込んできた。
空手教室で姉に惨敗ばかりしていたこと、県大会で準優勝したこと。全国大会で五位になったこと。姉に死ぬほど「すごい!」と言われて抱きしめられたこと。
そして、教室で璃久や真理に対して暴力を振るったこと。
「謝らなきゃ」
広翔はゆっくりと立ち上がった。
どこまでも真っ白いその空間を、どう進めば元の世界に帰れるのかなんてわからない。
だけど、帰らなければ。
璃久たちに、会わなければ。
「広翔」
小さな声だが、微かに姉の声が聞こえた。
「貴方はもう一度ここへ来るでしょうけど、それで最後」
何を言っているのかわからなかった。
慌てて振り向くと、姉の姿はとうに無くなっていた。
頭にこだまする高い声が掻き消え、明るい光が広翔を包む。
目を覚ますと、やはり保健室だった。
起き上がろうとすると、腹に激痛が走った。
「あ、目が覚めた?不良少年」
シャッとカーテンを開けて入ってきたのは難波だった。
「先生……俺」
「ごめんなさいね、突然。でも君、気絶しないと止まらなかったでしょ?」
悪びれもなく言ってのける難波に、なんとも言えなくなる。
「別に体罰で訴えてもらって構わないわよ」
「先生は、俺じゃなければ蹴ってなんかないでしょ」
広翔が苦笑すると、難波は「当たり前でしょ」と言った。
「苗字変わってて気づきませんでした。師匠」
「顔で判別なさいよ、この馬鹿弟子が」
二人の間の空気が緩んだ。
難波は旧姓高嶺美晴。広翔の空手の師匠だった。
「すっかり空手のこと忘れてくれちゃって。体だけが覚えてるなんてタチ悪いわね」
「筋肉ついてなくて良かったです」
本当に。
ぎゅっと己の腕を握りしめ、唇をかみしめた。
「友達を、傷つけたことは……消えてくれないんでしょうか」
「バカ言うな」
難波の厳しい、凛とした声が広翔を叱咤した。
「お前、今回のことを無かったことにする気か?お前がやらなければいけないことは記憶の消去か?違うだろう。よく考えてからモノを言いなさい。自分の都合の良いようにするんじゃない」
師弟時代の時の眼光の鋭さが、鮮明に記憶を甦らせる。
そうだ。俺はこの人の、意思が強く宿った瞳に惹かれて弟子になったんだ。
「……謝罪、したいです。許されなくて良いので、謝りたい」
「そうだな。それが今のお前にできる最大の礼儀だろうな」
難波は腕を組み低い声で肯定した。
だが、責めるような圧は無かった。
諭すような、そんな雰囲気を醸し出していた。
「それはさておき、まさか私の事まで忘れていたとはな。心外だ」
腕を外へ広げ、やれやれと効果音が付きそうなほど大きなため息をついた。
「それは……すみません」
素直に謝罪する。
それは記憶を消した自分のせいだ。非はこちらにある。
「あんな事件があったってのに、見舞いに行っても誰?って言われたときゃド肝抜かれたよ」
大袈裟に肩を竦めてみせる難波は、「まぁでも」と眉間のしわを解き、
「元気そうでよかった。あんまり心配かけんじゃないよ。バカ弟子」
朗らかに笑った。
***
教室では静かだった雰囲気は何処へやら、璃久と胡桃は好奇の目を一心に浴びていた。
「え?え?二人ってそーゆー関係?」
「え、お前……性格きつそうなやつ好きなのか?確かに美人だけどさぁ」
璃久は呆れた顔で言い返す。
「バーカ。どこがキツそうなんだよ」
「いや、お前……前さあ、あったじゃんか。その」
以前ブーイングしてきた男子が嘲笑を浮かべながら璃久を見下す。
「しかも、友人があんなのじゃあ……なぁ?」
「おい、やめろって」
どうやらブーイングしてきた男子は璃久が気に入らないらしい。妙に突っかかってくる。周りも止めようとするが、気は収まらないらしくよく喋る。
「物好きの集まりってか?よくやるな……ああ、しかもあれだろ?葛西に至っては喋れない奴が彼女なんだろ?同情でもしてるつもりなのか、あいつ。自分優しいですアピールとか要らねぇっつーの」
バチン、と乾いた音が響いた。
たちまちあたりは静まりかえる。
頬を打たれた男子生徒はよろけて床にへたり込んだ。
「うるさいな」
先程まで腹を押さえていた真理が、男子生徒を叩いたのだ。
「葛西の彼女は私の姉よ。事情も知らないお前が、何を勝手に姉を詮索してんだ?このクズ野郎が」
激しい怒りに身を震わせる真理に、男子生徒は体を強ばらせた。
「声が出ないのは、姉のせいじゃない。お前みたいな人の気も知らないで飄々と悪口言うような奴がいるから……っ!お前に姉の何がわかる!!」
襟元を引きながら怒鳴り散らす真理に、男子生徒は喉を引きつらせた。真理が右手を振り上げる。
「わ、悪かった!悪かったって!や、やめ……っ」
「尾田っ」
焦った声が教室に響く。
真理は振り上げた拳をだらんと下げた。
「いいから」
静かな声色で、璃久が真理に語りかける。
「でもこいつ、渡辺のことも胡桃のことも……すーちゃんのことも馬鹿にした」
一発殴んなきゃ気が済まない、と真理がぼやいた。
「ダメダメダメ!ストップです!」
そう言って割り込んできたのはホームルーム委員の神崎詩織だった。
「凪瀬君、いくら胡桃ちゃんが好きだからといってそれは酷すぎです!傷つけてるだけじゃないですか!謝らなきゃダメです」
指摘された凪瀬は、首まで真っ赤になって声が出せなくなっている。
これ以上ない公開処刑だ。
「…………え、そうだったのか?」
「やることが小学生男子並だよね」
ヒソヒソとクラスの人たちが話し始める。
その間、冷たい視線を浴びることに耐えかねた凪瀬は脱兎のごとく教室を飛び出した。
「一番えげつない爆弾を、サラッと落としたよね」
こわごわと詩織に視線を移すも、当の本人はケロリとしていて「あら、行っちゃいました。まあいいか」と呟いている始末だ。
「嫉妬だったわけか」
璃久がため息混じりに呟く。
「お前らに対して言ったことは確かに嫌な気分にさせただろうけど、あいつは本当にそういうことが言いたかったわけじゃないんだ。ただ祝福できないってだけで」
もう一人のホームルーム委員の西村が璃久に近寄った。
「止められなくて、悪かったな」
「いや、ていうか……俺たち別に付き合ってないぞ」
璃久の発言に、一瞬沈黙が落ちた。
「嘘だろ!?」
教室は瞬く間に騒々しい場となった。
璃久は耳を塞ぎながらうんざりしたように
「嘘じゃねーよ」
と言った。
「え、あんだけ桃色の雰囲気にしておいて……そんな馬鹿な」
真理も眉を寄せて数歩下がった。
「どんだけ仲いいんだよ。紛らわしすぎるわ」
「いや、まぁ……あと二回告白しなきゃらしいし」
「え、渡辺君の片思い!?」
「いや、もうそろそろ両思いに」
「うるさい黙れ!」
いつかと同じ鳩尾へのパンチが食い込む。
「……っ相変らず、お強いこと、で」
がくりと璃久の膝が折れる。
「なんでわざわざ人がいっぱいいるところでベラベラ喋るの」
真っ赤になった胡桃はわなわなと肩を震わせながらも、もう一度右手拳を握る。
「げ、いや、悪かった。もう言わない、言わないからソレしまって!」
「雨水さん、殴る前にちょっと聞いてほしくて」
いつの間に戻ってきたのか、広翔が璃久と胡桃の間に割って入るように立っていた。
教室内がとたんに静まり返る。
「さっきは、怖い思いさせてごめん。璃久も、尾田さんも、本当にごめん。それから、止めようとしてくれてありがとう」
土下座しながら謝罪する広翔に、三人は目を交わした。
「……怖かったけど、私は何とも無いから、平気」
「私も、タイミングを窺うべきだった。こっちこそ、ごめん」
真理は居心地悪そうに髪をいじっている。
「俺は、お前を気絶できるレベルまで腕上げねばと思ったよ」
若干茶化すような物言いは、彼なりの気遣いであることが聞き取れる。
広翔は寛大な友人三人とクラスメイトにただただ頭を下げ続けた。
こちらは見ずに、どこか遠くをぼんやりと眺めている。
「姉さん」
そっと声をかけたが、姉は宙を眺めたままこちらを見ようともしなかった。
「姉さん」
もう一度声をかける。
だが、相変わらずこちらを見ない。
無視されているのか、と気づいた。だが、何故。
姉は気分によって態度を変える人ではなかった。絶対になにか理由がある。それがわからないのだが。
広翔が考え込んでいると、「ねえ」と春海が口を開いた。
「ヒロは友達を大切にしてって、私言ったと思うんだけど」
怒気を含んだ物言いで、春海は制服のスカートを意味なく触る。
「言わ、れたっけ」
「忘れん坊め。言った。それを何?突然友達に対して暴力振るって、最悪よ。しかも女の子に大してあんな仕打ち!!信じらんない」
広翔は困惑した。
殴った?女子を?
記憶に思い当たらない。
「私は人を傷つけるために空手を習おうって言ったんじゃないわ」
空手。
そうだ。習っていたんだ。そんなことすら忘れていた。
ぶわっと頭に映像が流れ込んできた。
空手教室で姉に惨敗ばかりしていたこと、県大会で準優勝したこと。全国大会で五位になったこと。姉に死ぬほど「すごい!」と言われて抱きしめられたこと。
そして、教室で璃久や真理に対して暴力を振るったこと。
「謝らなきゃ」
広翔はゆっくりと立ち上がった。
どこまでも真っ白いその空間を、どう進めば元の世界に帰れるのかなんてわからない。
だけど、帰らなければ。
璃久たちに、会わなければ。
「広翔」
小さな声だが、微かに姉の声が聞こえた。
「貴方はもう一度ここへ来るでしょうけど、それで最後」
何を言っているのかわからなかった。
慌てて振り向くと、姉の姿はとうに無くなっていた。
頭にこだまする高い声が掻き消え、明るい光が広翔を包む。
目を覚ますと、やはり保健室だった。
起き上がろうとすると、腹に激痛が走った。
「あ、目が覚めた?不良少年」
シャッとカーテンを開けて入ってきたのは難波だった。
「先生……俺」
「ごめんなさいね、突然。でも君、気絶しないと止まらなかったでしょ?」
悪びれもなく言ってのける難波に、なんとも言えなくなる。
「別に体罰で訴えてもらって構わないわよ」
「先生は、俺じゃなければ蹴ってなんかないでしょ」
広翔が苦笑すると、難波は「当たり前でしょ」と言った。
「苗字変わってて気づきませんでした。師匠」
「顔で判別なさいよ、この馬鹿弟子が」
二人の間の空気が緩んだ。
難波は旧姓高嶺美晴。広翔の空手の師匠だった。
「すっかり空手のこと忘れてくれちゃって。体だけが覚えてるなんてタチ悪いわね」
「筋肉ついてなくて良かったです」
本当に。
ぎゅっと己の腕を握りしめ、唇をかみしめた。
「友達を、傷つけたことは……消えてくれないんでしょうか」
「バカ言うな」
難波の厳しい、凛とした声が広翔を叱咤した。
「お前、今回のことを無かったことにする気か?お前がやらなければいけないことは記憶の消去か?違うだろう。よく考えてからモノを言いなさい。自分の都合の良いようにするんじゃない」
師弟時代の時の眼光の鋭さが、鮮明に記憶を甦らせる。
そうだ。俺はこの人の、意思が強く宿った瞳に惹かれて弟子になったんだ。
「……謝罪、したいです。許されなくて良いので、謝りたい」
「そうだな。それが今のお前にできる最大の礼儀だろうな」
難波は腕を組み低い声で肯定した。
だが、責めるような圧は無かった。
諭すような、そんな雰囲気を醸し出していた。
「それはさておき、まさか私の事まで忘れていたとはな。心外だ」
腕を外へ広げ、やれやれと効果音が付きそうなほど大きなため息をついた。
「それは……すみません」
素直に謝罪する。
それは記憶を消した自分のせいだ。非はこちらにある。
「あんな事件があったってのに、見舞いに行っても誰?って言われたときゃド肝抜かれたよ」
大袈裟に肩を竦めてみせる難波は、「まぁでも」と眉間のしわを解き、
「元気そうでよかった。あんまり心配かけんじゃないよ。バカ弟子」
朗らかに笑った。
***
教室では静かだった雰囲気は何処へやら、璃久と胡桃は好奇の目を一心に浴びていた。
「え?え?二人ってそーゆー関係?」
「え、お前……性格きつそうなやつ好きなのか?確かに美人だけどさぁ」
璃久は呆れた顔で言い返す。
「バーカ。どこがキツそうなんだよ」
「いや、お前……前さあ、あったじゃんか。その」
以前ブーイングしてきた男子が嘲笑を浮かべながら璃久を見下す。
「しかも、友人があんなのじゃあ……なぁ?」
「おい、やめろって」
どうやらブーイングしてきた男子は璃久が気に入らないらしい。妙に突っかかってくる。周りも止めようとするが、気は収まらないらしくよく喋る。
「物好きの集まりってか?よくやるな……ああ、しかもあれだろ?葛西に至っては喋れない奴が彼女なんだろ?同情でもしてるつもりなのか、あいつ。自分優しいですアピールとか要らねぇっつーの」
バチン、と乾いた音が響いた。
たちまちあたりは静まりかえる。
頬を打たれた男子生徒はよろけて床にへたり込んだ。
「うるさいな」
先程まで腹を押さえていた真理が、男子生徒を叩いたのだ。
「葛西の彼女は私の姉よ。事情も知らないお前が、何を勝手に姉を詮索してんだ?このクズ野郎が」
激しい怒りに身を震わせる真理に、男子生徒は体を強ばらせた。
「声が出ないのは、姉のせいじゃない。お前みたいな人の気も知らないで飄々と悪口言うような奴がいるから……っ!お前に姉の何がわかる!!」
襟元を引きながら怒鳴り散らす真理に、男子生徒は喉を引きつらせた。真理が右手を振り上げる。
「わ、悪かった!悪かったって!や、やめ……っ」
「尾田っ」
焦った声が教室に響く。
真理は振り上げた拳をだらんと下げた。
「いいから」
静かな声色で、璃久が真理に語りかける。
「でもこいつ、渡辺のことも胡桃のことも……すーちゃんのことも馬鹿にした」
一発殴んなきゃ気が済まない、と真理がぼやいた。
「ダメダメダメ!ストップです!」
そう言って割り込んできたのはホームルーム委員の神崎詩織だった。
「凪瀬君、いくら胡桃ちゃんが好きだからといってそれは酷すぎです!傷つけてるだけじゃないですか!謝らなきゃダメです」
指摘された凪瀬は、首まで真っ赤になって声が出せなくなっている。
これ以上ない公開処刑だ。
「…………え、そうだったのか?」
「やることが小学生男子並だよね」
ヒソヒソとクラスの人たちが話し始める。
その間、冷たい視線を浴びることに耐えかねた凪瀬は脱兎のごとく教室を飛び出した。
「一番えげつない爆弾を、サラッと落としたよね」
こわごわと詩織に視線を移すも、当の本人はケロリとしていて「あら、行っちゃいました。まあいいか」と呟いている始末だ。
「嫉妬だったわけか」
璃久がため息混じりに呟く。
「お前らに対して言ったことは確かに嫌な気分にさせただろうけど、あいつは本当にそういうことが言いたかったわけじゃないんだ。ただ祝福できないってだけで」
もう一人のホームルーム委員の西村が璃久に近寄った。
「止められなくて、悪かったな」
「いや、ていうか……俺たち別に付き合ってないぞ」
璃久の発言に、一瞬沈黙が落ちた。
「嘘だろ!?」
教室は瞬く間に騒々しい場となった。
璃久は耳を塞ぎながらうんざりしたように
「嘘じゃねーよ」
と言った。
「え、あんだけ桃色の雰囲気にしておいて……そんな馬鹿な」
真理も眉を寄せて数歩下がった。
「どんだけ仲いいんだよ。紛らわしすぎるわ」
「いや、まぁ……あと二回告白しなきゃらしいし」
「え、渡辺君の片思い!?」
「いや、もうそろそろ両思いに」
「うるさい黙れ!」
いつかと同じ鳩尾へのパンチが食い込む。
「……っ相変らず、お強いこと、で」
がくりと璃久の膝が折れる。
「なんでわざわざ人がいっぱいいるところでベラベラ喋るの」
真っ赤になった胡桃はわなわなと肩を震わせながらも、もう一度右手拳を握る。
「げ、いや、悪かった。もう言わない、言わないからソレしまって!」
「雨水さん、殴る前にちょっと聞いてほしくて」
いつの間に戻ってきたのか、広翔が璃久と胡桃の間に割って入るように立っていた。
教室内がとたんに静まり返る。
「さっきは、怖い思いさせてごめん。璃久も、尾田さんも、本当にごめん。それから、止めようとしてくれてありがとう」
土下座しながら謝罪する広翔に、三人は目を交わした。
「……怖かったけど、私は何とも無いから、平気」
「私も、タイミングを窺うべきだった。こっちこそ、ごめん」
真理は居心地悪そうに髪をいじっている。
「俺は、お前を気絶できるレベルまで腕上げねばと思ったよ」
若干茶化すような物言いは、彼なりの気遣いであることが聞き取れる。
広翔は寛大な友人三人とクラスメイトにただただ頭を下げ続けた。
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