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最終章《秋桐家の花嫁》
【四】
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紅子の申し出に領主はパチリと目を瞬き、心底不思議そうに紅子を見返す。
「名前?そんなものでいいの。てっきり多額の金銭を要求されるか、弥生を時期領主の座から外してほしいとか言うのかと思ったよ」
「そのようなことは望んでおりません」
「ふぅん?君は秋桐弥生が好きなんだろう?」
不思議そうに首を傾げる領主に、紅子は嫌そうに眉を顰めた。
「私は弥生様の財力、次期領主の座が好きなのではありません。……いえ、次期領主になろうと奮起する弥生様のことはお慕いしておりますが、その地位そのものに興味は微塵もございません。お金は大事ですが、暮らせるくらいあれば十分にございます」
「へえ?そっかそっか……じゃあ、地位もなにもかも無くした弥生でも好きだってこと?君が人生丸ごと背負って面倒でもみるの?」
皮肉を口にした領主の目が愉しげに細まる。
紅子は領主を睨み返し、
「いいえ 彼にも働いてもらいます。というか、私一人に負担をかけるようなことを弥生様がするわけがありません」
「なんで言い切れるの?君は二年くらいしか一緒に居なかっただろうに」
「一緒に過ごした期間の中でそういうお方だと知りましたので」
「それでも人は変わるものだよ」
紅子はふっと笑み、
「でしたらそれは、私の人を見る目がなかったというだけのことですね。そのときは責任をとります」
と言った。
領主はつまらない、とでも言いたげに手元のティーカップを弄り始める。
「責任とるって、弥生の分まで働くってこと?」
上目遣いに紅子を見上げた領主は軽く目を見開く。彼女が何食わぬ顔をしていたからでもない。ただまっすぐに領主を見返し、「さぁ」と唇を朗らかに緩めたからでもない。
しかし、はっと息を呑むような空気を纏っていた彼女に魅せられたことは確かだった。
「私は怠惰な方が嫌いなので、弥生様が行動しないという選択肢はないと思いますけどね」
「……随分、自分に自信があるんだね?さっきは弥生の人柄からして、みたいな口ぶりだったのに」
意外だとばかりに瞬きを繰り返す領主に、
「良い女だと自負しているとかそういうことではございませんよ」
と緑茶で舌を湿らす。
「弥生様が、疑う暇を与えないほどに態度で示してくださるのです。私自身は私を過小評価しているのですが、それを弥生様は許してくださらないのです。……そういうところに、私は惹かれてしまったのです。私が評価できない私を見つけて、守ってくださった。そんな彼を慕わないなど無理な話です」
領主はティースプーンをカップの中でクルクル回す。
「君が弥生を慕っているのはよくわかったけど、秋桐の場合は結婚って仕事の一つなんだよ。だから──」
「ええ わかっております。……ですからどうか、悲恋となった憐れな女のお願いを一つ、聞いてくださいませんか」
無礼だとわかりつつも話を遮ってしまう。領主の口から、またも「不釣り合い」だとされるのはいい加減参ってしまう。
それを知ってた知らずか、領主は「いいよ」と口元を緩めた。
「君みたいな女性は嫌いじゃない。なんなら妾として囲おうか?」
「それは謹んでお断りします」紅子は即答する。
「まあそうだろうね」
と今度ははっきり笑った。緩んだ目元とは裏腹に瞳は鈍く光る。
「いいけど、どうして名前に拘るの?弥生は『弥生』として生きてきた。その人生を否定することにもなるんじゃない?」
紅子は手元の紅茶に視線を落とす。水面に自身の顔が映っている。希望を見いだせずにいたかつての彼女と同じ表情だった。
「……そうかもしれません。これは私の我儘なんです。私が、最後に彼の本当の名を呼びたい。私が好きになったのは『弥生』さんとして人生を歩んでこられた別人なのですから」
うーん、と領主は首を捻る。
「そんなに名前って大事かなぁ。よくわかんないな」
「名は体を表すと言うではありませんか。それに、名というのは『もう一人の自分』でもありますから──私にとっては大事なことです」
「……そっかそっか。よく分かんないけど、まぁわかったよ」にこやかに領主は言う。
「それじゃ、弥生の戸籍は戻しておこうか。たぶん一週間後に通知がくるはずだから、それ確認してから、悪いんだけど屋敷を出ていってね」
ミルクのおかわりを注がれる領主をまじまじ見つめる紅子に、男は「なにか?」と問う。
「いえ……あの、今日すぐにでも出て行けと言われるかと思っておりました」
「ん?うん 嫌いな人間だったらそう言ってるね。でも君はいいよ。人格的なもので言ったらずっと屋敷にいて欲しいくらいだもの。メイドとして残ってもいいけど、側室とか嫌だろ?君」
「よくおわかりですね。側室は血を残すための手段としては良いかもしれませんが……正室の方が私をよく思うことはないでしょうし、私も心の底から仲良くなれることはないでしょうから」
カチャ、とソーサーとカップがぶつかり小さく音を立てる。
領主は「そうだろうね」と目を伏せ、
「それじゃ、手続きをしようかな──と、そうだこれ、ほんとにただのミルク?なんだか蜂蜜みたいな風味がした気がしたんだけど」
とカップをかざす。
紅子はにこりと微笑み、
「甘いものがお好きではなくても、蜂蜜はお好きなのでしょう?」
とケーキスタンドを指す。
「こちら、バターの代わりに蜂蜜が塗ってあります。おそらくお気に召して頂けるかと」
「……調べが警察並だなぁ」
苦笑いを浮かべながら、領主はケーキスタンドに手を伸ばした。
屋敷の門を再び潜り馬車へ乗り込む領主は、カーテンの隙間から弥生の妻を見やる。
笑顔で、隙がない女。
なによりこちらを見透かしていた女。
「こりゃ失敗だなぁ。完全にバレてたもんなぁ」
男は整えられた黒髪をぐしゃぐしゃと掻く。
「絹峰かなぁ。でも伝える暇なんてなかったよなぁ……まさかまだ能力が残ってる?そんなわけないよなぁ……でもまだ断定はできないしなぁ……それより、もう起きてるってほうが濃厚かなぁ」
めんどくさいなぁ、と男は大きな溜息を吐く。
「これは楼主様に相談かなぁ」
めんどくさいなぁ、と再度繰り返す男を乗せた馬車がゆっくり走り出した。
黄昏の中、馬車の蹄の音が遠のいていく。頭を上げた紅子は腕を空に伸ばし、ぐっと背中を逸らした。
「お疲れ様でございました、若奥様」
絹峰の声掛けに、紅子は「ようやく呼吸が楽になりました」と疲労の色が浮かぶ顔で苦笑する。
「それで……その……」
ずっと気にかかっていたのだろうことを問わんとする紅子は、指を絡めたり足を動かしたりと落ち着きがない。目は絹峰ではなく屋敷の一角へ向けられている。
絹峰はそれを気に留める様子なく、むしろ嬉しそうに笑みながら、
「はい 本日医師の診察が終わり、心身ともに問題ないようです。面会もご自由に、とのことでした」と言った。
紅子はパッと表情を輝かせるなり、脇目を振らずに屋敷内へ戻る。
階段を駆け上がり、赤いカーペットが敷かれた長い廊下を進み、重厚な扉の前に立つ。
荒れた呼吸を整えつつ、コンコンと手の甲で扉を叩く。
「──は、い」
中から、掠れた小さな声が返ってくる。心地よい低い声。その声を聞くまでが長かった。
たった二文字で、しかも掠れた声に、心臓は握られたみたいに息苦しくなるし、嬉しさが込み上げて目の下部に熱が集まっていく。
扉を開け、紅子はベッドの上で身を起こしている男と目を合わせる。男の脇にいた医師など目に入らず、一直線にベッドへ向かう。
──長かった。すごくすごく長かった。
文句のような言葉を胸の底に押し込めて腰を落とし、まだ上手く動かせないらしい指先に触れた。血の通った指が紅子の指を頼りなく握り返す。
「おはようございます──ミツキさん」
黒く染まっていた瞳は水浅葱に変色していた。髪も肩下まで伸びているものを一つに結っている。姿は紅子の知っている男とは大分異なっている。それでも、通った鼻筋、華奢に見えるが筋肉質な身体、慈しむような柔らかな視線は同じだった。
名を呼んだ瞳から雫が零れた。
頬に溶けていきそうなほどに小さな雫を指先で拭った男は、唇を薄く開き弧の形に弛める。
夕刻の光が部屋を橙に染め上げ、二人を優しく包み込む。空いた窓から風が入り、飾られていたススキの穂がしゃらっと音を鳴らした。
「名前?そんなものでいいの。てっきり多額の金銭を要求されるか、弥生を時期領主の座から外してほしいとか言うのかと思ったよ」
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「私は弥生様の財力、次期領主の座が好きなのではありません。……いえ、次期領主になろうと奮起する弥生様のことはお慕いしておりますが、その地位そのものに興味は微塵もございません。お金は大事ですが、暮らせるくらいあれば十分にございます」
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と言った。
領主はつまらない、とでも言いたげに手元のティーカップを弄り始める。
「責任とるって、弥生の分まで働くってこと?」
上目遣いに紅子を見上げた領主は軽く目を見開く。彼女が何食わぬ顔をしていたからでもない。ただまっすぐに領主を見返し、「さぁ」と唇を朗らかに緩めたからでもない。
しかし、はっと息を呑むような空気を纏っていた彼女に魅せられたことは確かだった。
「私は怠惰な方が嫌いなので、弥生様が行動しないという選択肢はないと思いますけどね」
「……随分、自分に自信があるんだね?さっきは弥生の人柄からして、みたいな口ぶりだったのに」
意外だとばかりに瞬きを繰り返す領主に、
「良い女だと自負しているとかそういうことではございませんよ」
と緑茶で舌を湿らす。
「弥生様が、疑う暇を与えないほどに態度で示してくださるのです。私自身は私を過小評価しているのですが、それを弥生様は許してくださらないのです。……そういうところに、私は惹かれてしまったのです。私が評価できない私を見つけて、守ってくださった。そんな彼を慕わないなど無理な話です」
領主はティースプーンをカップの中でクルクル回す。
「君が弥生を慕っているのはよくわかったけど、秋桐の場合は結婚って仕事の一つなんだよ。だから──」
「ええ わかっております。……ですからどうか、悲恋となった憐れな女のお願いを一つ、聞いてくださいませんか」
無礼だとわかりつつも話を遮ってしまう。領主の口から、またも「不釣り合い」だとされるのはいい加減参ってしまう。
それを知ってた知らずか、領主は「いいよ」と口元を緩めた。
「君みたいな女性は嫌いじゃない。なんなら妾として囲おうか?」
「それは謹んでお断りします」紅子は即答する。
「まあそうだろうね」
と今度ははっきり笑った。緩んだ目元とは裏腹に瞳は鈍く光る。
「いいけど、どうして名前に拘るの?弥生は『弥生』として生きてきた。その人生を否定することにもなるんじゃない?」
紅子は手元の紅茶に視線を落とす。水面に自身の顔が映っている。希望を見いだせずにいたかつての彼女と同じ表情だった。
「……そうかもしれません。これは私の我儘なんです。私が、最後に彼の本当の名を呼びたい。私が好きになったのは『弥生』さんとして人生を歩んでこられた別人なのですから」
うーん、と領主は首を捻る。
「そんなに名前って大事かなぁ。よくわかんないな」
「名は体を表すと言うではありませんか。それに、名というのは『もう一人の自分』でもありますから──私にとっては大事なことです」
「……そっかそっか。よく分かんないけど、まぁわかったよ」にこやかに領主は言う。
「それじゃ、弥生の戸籍は戻しておこうか。たぶん一週間後に通知がくるはずだから、それ確認してから、悪いんだけど屋敷を出ていってね」
ミルクのおかわりを注がれる領主をまじまじ見つめる紅子に、男は「なにか?」と問う。
「いえ……あの、今日すぐにでも出て行けと言われるかと思っておりました」
「ん?うん 嫌いな人間だったらそう言ってるね。でも君はいいよ。人格的なもので言ったらずっと屋敷にいて欲しいくらいだもの。メイドとして残ってもいいけど、側室とか嫌だろ?君」
「よくおわかりですね。側室は血を残すための手段としては良いかもしれませんが……正室の方が私をよく思うことはないでしょうし、私も心の底から仲良くなれることはないでしょうから」
カチャ、とソーサーとカップがぶつかり小さく音を立てる。
領主は「そうだろうね」と目を伏せ、
「それじゃ、手続きをしようかな──と、そうだこれ、ほんとにただのミルク?なんだか蜂蜜みたいな風味がした気がしたんだけど」
とカップをかざす。
紅子はにこりと微笑み、
「甘いものがお好きではなくても、蜂蜜はお好きなのでしょう?」
とケーキスタンドを指す。
「こちら、バターの代わりに蜂蜜が塗ってあります。おそらくお気に召して頂けるかと」
「……調べが警察並だなぁ」
苦笑いを浮かべながら、領主はケーキスタンドに手を伸ばした。
屋敷の門を再び潜り馬車へ乗り込む領主は、カーテンの隙間から弥生の妻を見やる。
笑顔で、隙がない女。
なによりこちらを見透かしていた女。
「こりゃ失敗だなぁ。完全にバレてたもんなぁ」
男は整えられた黒髪をぐしゃぐしゃと掻く。
「絹峰かなぁ。でも伝える暇なんてなかったよなぁ……まさかまだ能力が残ってる?そんなわけないよなぁ……でもまだ断定はできないしなぁ……それより、もう起きてるってほうが濃厚かなぁ」
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めんどくさいなぁ、と再度繰り返す男を乗せた馬車がゆっくり走り出した。
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「それで……その……」
ずっと気にかかっていたのだろうことを問わんとする紅子は、指を絡めたり足を動かしたりと落ち着きがない。目は絹峰ではなく屋敷の一角へ向けられている。
絹峰はそれを気に留める様子なく、むしろ嬉しそうに笑みながら、
「はい 本日医師の診察が終わり、心身ともに問題ないようです。面会もご自由に、とのことでした」と言った。
紅子はパッと表情を輝かせるなり、脇目を振らずに屋敷内へ戻る。
階段を駆け上がり、赤いカーペットが敷かれた長い廊下を進み、重厚な扉の前に立つ。
荒れた呼吸を整えつつ、コンコンと手の甲で扉を叩く。
「──は、い」
中から、掠れた小さな声が返ってくる。心地よい低い声。その声を聞くまでが長かった。
たった二文字で、しかも掠れた声に、心臓は握られたみたいに息苦しくなるし、嬉しさが込み上げて目の下部に熱が集まっていく。
扉を開け、紅子はベッドの上で身を起こしている男と目を合わせる。男の脇にいた医師など目に入らず、一直線にベッドへ向かう。
──長かった。すごくすごく長かった。
文句のような言葉を胸の底に押し込めて腰を落とし、まだ上手く動かせないらしい指先に触れた。血の通った指が紅子の指を頼りなく握り返す。
「おはようございます──ミツキさん」
黒く染まっていた瞳は水浅葱に変色していた。髪も肩下まで伸びているものを一つに結っている。姿は紅子の知っている男とは大分異なっている。それでも、通った鼻筋、華奢に見えるが筋肉質な身体、慈しむような柔らかな視線は同じだった。
名を呼んだ瞳から雫が零れた。
頬に溶けていきそうなほどに小さな雫を指先で拭った男は、唇を薄く開き弧の形に弛める。
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