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6.復讐の相手
絶望の少女
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熱を持って重だるいはずの身体が、羽を得たように軽くなる感覚に、意識が現実から飛んでいるのだとわかる。
耳の奥の方からなにやら音がするものの、身体を思うように動かせない。水面に雨が注がれているような音が、数秒おきに聞こえてくる。遠くから聞こえるような気がするのに、耳元で泣かれているような聞こえ方に強い違和感を覚えた。
気づけば、音だけだったはずの暗い世界に、幼い子のすすり泣きに合わせて波を立てる小さな水溜まりがあった。雫が一滴ずつ天上から垂れて、水溜まりはどんどん大きくなっていく。いつの間にか水溜まりは池となり、ラヴィールの膝まで水かさが増していた。
地面が泥になってしまったのか、池の底へ誘われるように水の中へ吸い込まれていく。呑まれていく、とはこういう状況を指すのだろう。ラヴィールは目を固く閉じ、息を深く吸って水へ潜った。
「おかあさま。わたしの笛の演奏、先生に褒められたんです」
幼い声にハッとなる。若騎士の目の前で、まだ5歳くらいの少女が大人の女性に話しかけていた。見覚えのある部屋と、そうそうお目にかかれないシルクのように艶やかで透明感のある少女の髪。オルガ嬢だ、と働かない頭でも紐付けられる。
「そう」
ひどく冷たい声に、ラヴィールの背中が震えた。そこまで接点があったわけではないが、これまた聞き覚えのある声である。
「……はい」
夫人の硬い返しに少女の声が萎む。しかし夫人は意に介した様子もなく、書類になにかを記す手を止める気配も視線が上げられる気配も皆無だ。
「用がないなら、もうお戻りなさい。見て分からないのですか?私は忙しいのです。出来ただけの報告などする必要ないでしょう。そんなに自分の有能さをひけらかしたいのですか?そんなもの周りからすれば鬱陶しいだけですよ」
まともに取り合ってもらえないどころか、邪険にされているような扱い。幼い少女は、肉親からそのような態度をとられたらどう思うか。そんなこともこの女はわからないのだろうか。
場面がパッと切り替わり、夜が深くなった時分が映される。枕に向かって、令嬢はぶつぶつ呟いていた。
「……して、どうして、どうしてどうしてどうして」
ぼふっと大きな枕が叩かれた。
「どうして……っ?」
ひっ、としゃくりあげる声が暗い室内に響く。
映像が暗い霧に包まれた後、別の日の出来事だろう光景が目の前に広がっていた。
具合の悪そうな令嬢がベッドに潜り、咳き込んでいる。その傍らに、珍しく夫人の姿があった。真っ赤な顔をしているにもかかわらず、オルガ嬢は嬉しそうに見えた。
しかし部屋の扉がコンコンと鳴らされ、見覚えのないメイドが夫人になにかしら耳打ちした。夫人はオルガ嬢のもとへ歩み寄り、
「アリスが怪我をしたみたいだから様子を見てきます」と言った。
「はい」
オルガ嬢は咳き込みながらうなずいた。
夫人が部屋を出ていってから、時間が流れていく。部屋が暗くなっても、夫人が戻ってくることはなかった。
とどめは翌日。快方に向かわないオルガ嬢の耳に、喋り好きらしいメイドたちの高い声が漏れ聞こえてきた。
「奥様ったらほんとうにアリスティア様のことがお好きよね。……ああ 違うわね、オルガ様のことが苦手なのよね。昨日だって、アリスティア様のお怪我は薔薇の棘を刺してしまっただけなのでしょう?それなのにオルガ様のもとへ戻ろうとはなさらなかったものね」
「きっとなんでもこなしてしまうから可愛げがないのね。気持ちはわからなくもないけれど、貴族ならば喜ぶことなのでないのかしらね」
陰口を叩くメイドたちは愉しそうに不幸を嗤う。本人ではないから、第三者で自分は部外者であるから笑っていられるのだろう。「悪者」を仕立て、それを罵ることで自分が優位に立つことに心地良さを感じているのかもしれない。だが、それを見聞きしてしまった当事者は。
どうして褒めてくれないの?どうしてわたしには笑ってくれないの?話しかけてくれないの?興味が無いの?きらわれてるの?いつも背中を向けたがる。いつも距離をとりたがる。いつも姉様とばかりお話ししたがる。いつも、いつも「うるさい」って目で見てくる。どうして?どうして?
彼女らによって導き出された、幼い令嬢の「問い」に対する答え。間違っているか、合っているかも定かでは無いにもかかわらず、それを目撃した幼い少女はそれこそが「正解」なのだと信じてしまった。
──ああわたし、おかあさまに嫌われてたんだ。
急に周囲から音が無くなった。彼女のつぶやきに合わせ、彼女の部屋もなくなり闇だけがどこまでも広がっている。足元も空も同じ色で、自分が地に立っているかも怪しい。
おそらく重要な場面はもう見終わったからだろう。
(なるほど)
「なにか、納得することがあったの?」
少女がラヴィールの目の前に立っていた。常にベールで覆われている、澄んだ湖のような柔らかな青緑の瞳二つが、じっとラヴィールを見上げている。
(あったよ)
口は動かない。心でうなずいたら、少女はラヴィールの言葉がさも聞こえているように「へぇ」と首をかしげた。
「絶望しちゃったなら悪魔を引き寄せても仕方ないって?」
(そうじゃない。納得したのは、君がなんであんなに強い力をもっているのかって点だ)
ラヴィールの言葉に少女は無表情なまま応える。
「バレちゃった?でもあなたならわかってくれるでしょ?だれでもいいから助けてって願った結果だよ。強い思いには強い力が与えられるのよ、きっと」
(いいや、君は不特定多数のなにかではなく、「悪魔に」願ったんだ。遠ざけられる理由に成り代わるものを欲したんだろ?そして、それで終われなかった)
ラヴィールの言葉に、今度こそ少女の表情が変わる。無表情だった彼女の目に影が差し、
「なにを根拠に言ってるの?」
突き詰められる恐怖を隠すように、不機嫌が口調となる。
(それは言えない。だが君がしたことは知っている。悪魔との契約だ。おそらく全てを壊してしまいたいと、そう願ったのでは?)
幼い令嬢の目が溢れんばかりに見開かれた。磨かれる前の鉱石が光を見出したように、緑の瞳は光を受け煌めく。
「──そう。わたし、すべてを壊したくなったの。だから下準備もしたのに、……なのになにも思った通りにいかなかった」
少女は今にも泣きそうな顔でラヴィールを見上げ、
「どうして、助けてほしかったときに二人はきてくれなかったの?」
といった。少女の本音にラヴィールは黙る。なにをいったところで、少女が救われる言葉などかけられるものではないとわかっているから。
「そしたら、すべて壊したいなんて思わなかった。二人を傷つけるようなことしなくて済んだのに……っ」
少女の言葉でようやく合点がいった。描かれた未来を変えようとする裏で、変えまいとする動きが見え隠れしていた。そのうちの一つが隣国での魔女騒動だろう。
決行したとき、彼女はどんな気持ちだったのだろう。だれもを憎んでいたはずが、たったひとり現れたことにより憎しみが薄れてしまい、けれど後戻りができるほど薄らいでいるでもない。無理に言い聞かせて、作戦を進めてきたのだろう。
(……ソッフィオーニさんは、気づいてるよ。君が仕組んだことも、動機も)
少女はビクッと肩を震わせ、怯えを顔に出した。
(それでも、あの人は君を憎むなんてしないだろう。今回の茶会だって、君のためだけを想って動いてた。君がだれより大事だから。……だからもう、終わりにしないか)
「え?」
困惑する少女に、ラヴィールは静かな目を向けた。
(悪魔との契約を破棄して、君はふつうの令嬢に戻るんだ)
耳の奥の方からなにやら音がするものの、身体を思うように動かせない。水面に雨が注がれているような音が、数秒おきに聞こえてくる。遠くから聞こえるような気がするのに、耳元で泣かれているような聞こえ方に強い違和感を覚えた。
気づけば、音だけだったはずの暗い世界に、幼い子のすすり泣きに合わせて波を立てる小さな水溜まりがあった。雫が一滴ずつ天上から垂れて、水溜まりはどんどん大きくなっていく。いつの間にか水溜まりは池となり、ラヴィールの膝まで水かさが増していた。
地面が泥になってしまったのか、池の底へ誘われるように水の中へ吸い込まれていく。呑まれていく、とはこういう状況を指すのだろう。ラヴィールは目を固く閉じ、息を深く吸って水へ潜った。
「おかあさま。わたしの笛の演奏、先生に褒められたんです」
幼い声にハッとなる。若騎士の目の前で、まだ5歳くらいの少女が大人の女性に話しかけていた。見覚えのある部屋と、そうそうお目にかかれないシルクのように艶やかで透明感のある少女の髪。オルガ嬢だ、と働かない頭でも紐付けられる。
「そう」
ひどく冷たい声に、ラヴィールの背中が震えた。そこまで接点があったわけではないが、これまた聞き覚えのある声である。
「……はい」
夫人の硬い返しに少女の声が萎む。しかし夫人は意に介した様子もなく、書類になにかを記す手を止める気配も視線が上げられる気配も皆無だ。
「用がないなら、もうお戻りなさい。見て分からないのですか?私は忙しいのです。出来ただけの報告などする必要ないでしょう。そんなに自分の有能さをひけらかしたいのですか?そんなもの周りからすれば鬱陶しいだけですよ」
まともに取り合ってもらえないどころか、邪険にされているような扱い。幼い少女は、肉親からそのような態度をとられたらどう思うか。そんなこともこの女はわからないのだろうか。
場面がパッと切り替わり、夜が深くなった時分が映される。枕に向かって、令嬢はぶつぶつ呟いていた。
「……して、どうして、どうしてどうしてどうして」
ぼふっと大きな枕が叩かれた。
「どうして……っ?」
ひっ、としゃくりあげる声が暗い室内に響く。
映像が暗い霧に包まれた後、別の日の出来事だろう光景が目の前に広がっていた。
具合の悪そうな令嬢がベッドに潜り、咳き込んでいる。その傍らに、珍しく夫人の姿があった。真っ赤な顔をしているにもかかわらず、オルガ嬢は嬉しそうに見えた。
しかし部屋の扉がコンコンと鳴らされ、見覚えのないメイドが夫人になにかしら耳打ちした。夫人はオルガ嬢のもとへ歩み寄り、
「アリスが怪我をしたみたいだから様子を見てきます」と言った。
「はい」
オルガ嬢は咳き込みながらうなずいた。
夫人が部屋を出ていってから、時間が流れていく。部屋が暗くなっても、夫人が戻ってくることはなかった。
とどめは翌日。快方に向かわないオルガ嬢の耳に、喋り好きらしいメイドたちの高い声が漏れ聞こえてきた。
「奥様ったらほんとうにアリスティア様のことがお好きよね。……ああ 違うわね、オルガ様のことが苦手なのよね。昨日だって、アリスティア様のお怪我は薔薇の棘を刺してしまっただけなのでしょう?それなのにオルガ様のもとへ戻ろうとはなさらなかったものね」
「きっとなんでもこなしてしまうから可愛げがないのね。気持ちはわからなくもないけれど、貴族ならば喜ぶことなのでないのかしらね」
陰口を叩くメイドたちは愉しそうに不幸を嗤う。本人ではないから、第三者で自分は部外者であるから笑っていられるのだろう。「悪者」を仕立て、それを罵ることで自分が優位に立つことに心地良さを感じているのかもしれない。だが、それを見聞きしてしまった当事者は。
どうして褒めてくれないの?どうしてわたしには笑ってくれないの?話しかけてくれないの?興味が無いの?きらわれてるの?いつも背中を向けたがる。いつも距離をとりたがる。いつも姉様とばかりお話ししたがる。いつも、いつも「うるさい」って目で見てくる。どうして?どうして?
彼女らによって導き出された、幼い令嬢の「問い」に対する答え。間違っているか、合っているかも定かでは無いにもかかわらず、それを目撃した幼い少女はそれこそが「正解」なのだと信じてしまった。
──ああわたし、おかあさまに嫌われてたんだ。
急に周囲から音が無くなった。彼女のつぶやきに合わせ、彼女の部屋もなくなり闇だけがどこまでも広がっている。足元も空も同じ色で、自分が地に立っているかも怪しい。
おそらく重要な場面はもう見終わったからだろう。
(なるほど)
「なにか、納得することがあったの?」
少女がラヴィールの目の前に立っていた。常にベールで覆われている、澄んだ湖のような柔らかな青緑の瞳二つが、じっとラヴィールを見上げている。
(あったよ)
口は動かない。心でうなずいたら、少女はラヴィールの言葉がさも聞こえているように「へぇ」と首をかしげた。
「絶望しちゃったなら悪魔を引き寄せても仕方ないって?」
(そうじゃない。納得したのは、君がなんであんなに強い力をもっているのかって点だ)
ラヴィールの言葉に少女は無表情なまま応える。
「バレちゃった?でもあなたならわかってくれるでしょ?だれでもいいから助けてって願った結果だよ。強い思いには強い力が与えられるのよ、きっと」
(いいや、君は不特定多数のなにかではなく、「悪魔に」願ったんだ。遠ざけられる理由に成り代わるものを欲したんだろ?そして、それで終われなかった)
ラヴィールの言葉に、今度こそ少女の表情が変わる。無表情だった彼女の目に影が差し、
「なにを根拠に言ってるの?」
突き詰められる恐怖を隠すように、不機嫌が口調となる。
(それは言えない。だが君がしたことは知っている。悪魔との契約だ。おそらく全てを壊してしまいたいと、そう願ったのでは?)
幼い令嬢の目が溢れんばかりに見開かれた。磨かれる前の鉱石が光を見出したように、緑の瞳は光を受け煌めく。
「──そう。わたし、すべてを壊したくなったの。だから下準備もしたのに、……なのになにも思った通りにいかなかった」
少女は今にも泣きそうな顔でラヴィールを見上げ、
「どうして、助けてほしかったときに二人はきてくれなかったの?」
といった。少女の本音にラヴィールは黙る。なにをいったところで、少女が救われる言葉などかけられるものではないとわかっているから。
「そしたら、すべて壊したいなんて思わなかった。二人を傷つけるようなことしなくて済んだのに……っ」
少女の言葉でようやく合点がいった。描かれた未来を変えようとする裏で、変えまいとする動きが見え隠れしていた。そのうちの一つが隣国での魔女騒動だろう。
決行したとき、彼女はどんな気持ちだったのだろう。だれもを憎んでいたはずが、たったひとり現れたことにより憎しみが薄れてしまい、けれど後戻りができるほど薄らいでいるでもない。無理に言い聞かせて、作戦を進めてきたのだろう。
(……ソッフィオーニさんは、気づいてるよ。君が仕組んだことも、動機も)
少女はビクッと肩を震わせ、怯えを顔に出した。
(それでも、あの人は君を憎むなんてしないだろう。今回の茶会だって、君のためだけを想って動いてた。君がだれより大事だから。……だからもう、終わりにしないか)
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