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5. 上辺の関係
やり直せはしなくても
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さわさわと木々が風に合わせて爽やかな音を立てる。涼しい季節になりつつある木陰に入ると、空気がひやりとして心地よい。
──はずなのに、肌が荒だっている。
決して寒くはないはずなのに、悪寒が背中を走るのだ。
「お母様」
陽に透く緑がかったブロンドを揺らしながら、愛娘のアリスティアが寄ってきた。ふわりとした白のワンピースに、橙色のストールを羽織っている。最近若者たちの間では、締めつけの緩い、また着脱しやすい格好が流行しているらしい。
噂を耳にしたときは「はしたない」と思っていたのだが、いざその格好をした娘を前にすると、生地も良いもののためか上品に見えるため、悪くはない。
もちろん社交界には着ていけないだろうが、普段着にはちょうど良いのかもしれない。
「よく似合っているわ」
本当によく似合っている。親の贔屓目もあるかもしれないが、優しい緑の瞳とやわらかな服は相性が良い。
「お母様も素敵ですわ」
ふわりと微笑む娘につられ、自身の口元が緩む。
なぜこんなにも愛らしい子と、あの子を比べて貶める輩が多かったのか。
刺繍も音楽もマナーも、この子は完璧だった。それなのに、勝手に比べられ、勝手に貶され、勝手に値踏みをされ、どんどん自信がなくなっていってしまった。
──かつての私がそうだったように。
「……あ」
アリスティアの声で意識が引き戻される。ふと上げた視線の先に、あの子がいた。
だれもが見惚れる、混じり気のない色素の薄いブロンド、輝く瞳、そのどれもが黒い布に覆われていた。
肌を極力出さないようにした服、顔など見せないと主張するベール。ときどき見かけた姿だったが、初めてまともに直視したような気分だった。
こちらに気づいた様子のあの子が軽くこちらを振り返ったが、会釈をして足早に視界から消えていった。
──存在を薄くしているようでした。
あの子の専属メイドの言葉が蘇る。
「……望むような子に、か」
消えてしまえとは思わなかった。ただ目にするのもつらくて、あの子をひどく避けていた。けれどそれは、あの子に対して「いなくなってほしい」と思わせてしまっていたのだろう。
それがどれほどつらいか、わからないわけがないのに。
「このたびは、演奏会にお越しいただき誠にありがとうございます。お声の出せないオルガ様に代わり、私ソッフィオーニが進行を務めさせて頂きます」
メイドは挨拶とともに頭を下げる。ふと向けてきた視線と交わり、夫人は反射的に逸らした。
「それではさっそくではありますが、オルガ様とテトラ様、またオルガ様専属騎士による合奏をお楽しみください」
ただの文言だとわかっているが、どうにも嫌味に聞こえてしまう。二段のケーキスタンドからスコーンと甘酸っぱいジャムを皿にのせたアリスティアは、手元に視線を落としながらスコーン生地にナイフを入れる。
「専属騎士が演奏……珍しいですね」
「あなたの婚約者だって音楽をするじゃない」
「フュリス様は幼い頃から教養として習っておいでです。長子ですから。けれど騎士の方々は次男や三男が多く、音楽に触れる機会は少ない。ゆえに、騎士が演奏するのは珍しいはずなのですが」
口を噤むアリスティアの言わんとすることを察した夫人は、話題の人物の方を見やる。
要は、貴族でも音楽に触れる機会が限られる昨今なのに、なぜ平民出自の彼が楽器を扱えるのか、ということだ。
着々と準備を進めるオルガ嬢専属騎士の手元に迷いはない。高価なものと知らずか、それとも扱いに自信があるからか。
もしも後者ならば、あの少年を警戒しなければならなくなる。
疑念の視線を他所に、ソッフィオーニは淡々と司会をこなす。
「それでは一曲目、オルガ様と専属騎士による『王女に捧げる祝歌』」
はじめはオルガ嬢と騎士の合奏らしい。騎士はチェロの弦に弓を当て、すっと引いた。滑らかな動きは素人などと思わせないほど美しく、綺麗な低音を奏でる。
低音に沿うように、オルガ嬢のヴァイオリンがキュルキュルと鳴る。本格的な練習などしていないはずなのに、まるでブランクを感じさせない弓の動きだった。
緑をかける風を全身で感じるような、優しい音色。
気づけば演奏は終わっていた。テトラ嬢とアリスティアの拍手で我に返った夫人も、遅れて賛美の拍手を送る。
その最中、ちらりとオルガ嬢が夫人を振り返った。不安げで顔色を窺うような姿勢に、夫人はかすかに息を呑む。
「いまこの瞬間」が、最期の機会だと直感した。
「オルガ」
との夫人の声に、オルガ嬢はパッと頭を上げた。
夫人は声が震えないよう、一度唾液で喉を湿らせ一拍おく。
「とても、素晴らしい演奏でした」
たったそれだけを言うのに、十数年費やしてしまった。娘の中ではやりきれない感情が渦巻いていることだろう。
それを植え付けたのは、まぎれもなく己なのだと、ようやく実感した気がした。
娘の専属メイドに言われても被害者であることを強調し、己の過ちを認めようとはしなかった。正当化しようとした。
今までごめんなさい。
その一言を未だ言えない私は、酷い母親のままなのに。
まだ、あの子にきつく当たらない自信がない。謝ったところで、同じ過ちを繰り返すだけになってしまう気がしてならないから、言葉にできない。
「ありがとう、ございます」
掠れた声だった。幼い頃は毎日のように聞いて、嫌になった声。けれど、そのときとは違う声。大人びた、少女の声。
──私は、娘の成長をずっと見逃してきたんだわ。
取り返しのつかない事実に愕然とする。
「オルガ、本当に素晴らしい演奏でした。専属の騎士様も。私など足元にも及ばないほどです」
アリスティアの言葉にハッとなる。またあの才能の前で打ちのめされてしまったのではないかと、今になって思考が回り始めた。
「なので、私ももっと練習しようと思いました。今のお二人に打ちひしがれるのではなく、それを超えていこうとする志を胸にしようと、そう思えました」
曇りのない瞳を見て、またも杞憂だったと思い知らされる。
やり直すことは叶わなくとも、今から関係を新たに構築していくことはできるのかもしれない。すくなくとも、昔よりはマシな形に。
「気が向いたときで構いません。また、共にテーブルを囲みましょう」
侍女から受け取った扇子を広げながら告げると、娘はベールの向こう側ではにかみながら「はい」と応えた。
見たことのない、娘の表情だった。
──はずなのに、肌が荒だっている。
決して寒くはないはずなのに、悪寒が背中を走るのだ。
「お母様」
陽に透く緑がかったブロンドを揺らしながら、愛娘のアリスティアが寄ってきた。ふわりとした白のワンピースに、橙色のストールを羽織っている。最近若者たちの間では、締めつけの緩い、また着脱しやすい格好が流行しているらしい。
噂を耳にしたときは「はしたない」と思っていたのだが、いざその格好をした娘を前にすると、生地も良いもののためか上品に見えるため、悪くはない。
もちろん社交界には着ていけないだろうが、普段着にはちょうど良いのかもしれない。
「よく似合っているわ」
本当によく似合っている。親の贔屓目もあるかもしれないが、優しい緑の瞳とやわらかな服は相性が良い。
「お母様も素敵ですわ」
ふわりと微笑む娘につられ、自身の口元が緩む。
なぜこんなにも愛らしい子と、あの子を比べて貶める輩が多かったのか。
刺繍も音楽もマナーも、この子は完璧だった。それなのに、勝手に比べられ、勝手に貶され、勝手に値踏みをされ、どんどん自信がなくなっていってしまった。
──かつての私がそうだったように。
「……あ」
アリスティアの声で意識が引き戻される。ふと上げた視線の先に、あの子がいた。
だれもが見惚れる、混じり気のない色素の薄いブロンド、輝く瞳、そのどれもが黒い布に覆われていた。
肌を極力出さないようにした服、顔など見せないと主張するベール。ときどき見かけた姿だったが、初めてまともに直視したような気分だった。
こちらに気づいた様子のあの子が軽くこちらを振り返ったが、会釈をして足早に視界から消えていった。
──存在を薄くしているようでした。
あの子の専属メイドの言葉が蘇る。
「……望むような子に、か」
消えてしまえとは思わなかった。ただ目にするのもつらくて、あの子をひどく避けていた。けれどそれは、あの子に対して「いなくなってほしい」と思わせてしまっていたのだろう。
それがどれほどつらいか、わからないわけがないのに。
「このたびは、演奏会にお越しいただき誠にありがとうございます。お声の出せないオルガ様に代わり、私ソッフィオーニが進行を務めさせて頂きます」
メイドは挨拶とともに頭を下げる。ふと向けてきた視線と交わり、夫人は反射的に逸らした。
「それではさっそくではありますが、オルガ様とテトラ様、またオルガ様専属騎士による合奏をお楽しみください」
ただの文言だとわかっているが、どうにも嫌味に聞こえてしまう。二段のケーキスタンドからスコーンと甘酸っぱいジャムを皿にのせたアリスティアは、手元に視線を落としながらスコーン生地にナイフを入れる。
「専属騎士が演奏……珍しいですね」
「あなたの婚約者だって音楽をするじゃない」
「フュリス様は幼い頃から教養として習っておいでです。長子ですから。けれど騎士の方々は次男や三男が多く、音楽に触れる機会は少ない。ゆえに、騎士が演奏するのは珍しいはずなのですが」
口を噤むアリスティアの言わんとすることを察した夫人は、話題の人物の方を見やる。
要は、貴族でも音楽に触れる機会が限られる昨今なのに、なぜ平民出自の彼が楽器を扱えるのか、ということだ。
着々と準備を進めるオルガ嬢専属騎士の手元に迷いはない。高価なものと知らずか、それとも扱いに自信があるからか。
もしも後者ならば、あの少年を警戒しなければならなくなる。
疑念の視線を他所に、ソッフィオーニは淡々と司会をこなす。
「それでは一曲目、オルガ様と専属騎士による『王女に捧げる祝歌』」
はじめはオルガ嬢と騎士の合奏らしい。騎士はチェロの弦に弓を当て、すっと引いた。滑らかな動きは素人などと思わせないほど美しく、綺麗な低音を奏でる。
低音に沿うように、オルガ嬢のヴァイオリンがキュルキュルと鳴る。本格的な練習などしていないはずなのに、まるでブランクを感じさせない弓の動きだった。
緑をかける風を全身で感じるような、優しい音色。
気づけば演奏は終わっていた。テトラ嬢とアリスティアの拍手で我に返った夫人も、遅れて賛美の拍手を送る。
その最中、ちらりとオルガ嬢が夫人を振り返った。不安げで顔色を窺うような姿勢に、夫人はかすかに息を呑む。
「いまこの瞬間」が、最期の機会だと直感した。
「オルガ」
との夫人の声に、オルガ嬢はパッと頭を上げた。
夫人は声が震えないよう、一度唾液で喉を湿らせ一拍おく。
「とても、素晴らしい演奏でした」
たったそれだけを言うのに、十数年費やしてしまった。娘の中ではやりきれない感情が渦巻いていることだろう。
それを植え付けたのは、まぎれもなく己なのだと、ようやく実感した気がした。
娘の専属メイドに言われても被害者であることを強調し、己の過ちを認めようとはしなかった。正当化しようとした。
今までごめんなさい。
その一言を未だ言えない私は、酷い母親のままなのに。
まだ、あの子にきつく当たらない自信がない。謝ったところで、同じ過ちを繰り返すだけになってしまう気がしてならないから、言葉にできない。
「ありがとう、ございます」
掠れた声だった。幼い頃は毎日のように聞いて、嫌になった声。けれど、そのときとは違う声。大人びた、少女の声。
──私は、娘の成長をずっと見逃してきたんだわ。
取り返しのつかない事実に愕然とする。
「オルガ、本当に素晴らしい演奏でした。専属の騎士様も。私など足元にも及ばないほどです」
アリスティアの言葉にハッとなる。またあの才能の前で打ちのめされてしまったのではないかと、今になって思考が回り始めた。
「なので、私ももっと練習しようと思いました。今のお二人に打ちひしがれるのではなく、それを超えていこうとする志を胸にしようと、そう思えました」
曇りのない瞳を見て、またも杞憂だったと思い知らされる。
やり直すことは叶わなくとも、今から関係を新たに構築していくことはできるのかもしれない。すくなくとも、昔よりはマシな形に。
「気が向いたときで構いません。また、共にテーブルを囲みましょう」
侍女から受け取った扇子を広げながら告げると、娘はベールの向こう側ではにかみながら「はい」と応えた。
見たことのない、娘の表情だった。
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