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第2章 邪教の国

第20話 親子のぼろぼろの絆

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 まず、最初に俺は父親であるゼフダスにぶん殴られた。

「ふざけんじゃねーぞ」

 それが再開した息子に対する態度か! と心の中で突っ込んでいたのだが、ゼフダスの眉間は渋いくらい皺くちゃになっていた。
 肌は茶色くなっており、それがどれだけ外で暴れてきたかを意味していた。

 隣ではセネレスが優しい眼差しでこちらを見ていた。

「なんで、俺達を頼らなかった。漆黒の旅団がいたんだぞ、しかも全員揃っていたんだぞ」

「ごめんなさい」

「いいか、子供は両親を頼れば良いんだ。頼ってくれよ、悲しいだろうが」

「ごめん、父さん」

「良いって事よ」
 
 俺は父さんに抱きしめられていた。
 不思議と暖かいと思った。
 なぜだろう、前世でこういった記憶が無い。
 光が見えるせいで周りから可笑しいと言われて、母親からは嫉妬の目で見られて、父親からは不気味がられて、それでもそれでも、今の状況はとても暖かいと思った。

「それで、チャカルールとどこまでいったんだ。がは」

「そこは放っておきなさい、ゼフダス、それで、邪教の話はセカンドさんに聞いたわ」

「そうですか、なぜか、邪教の教祖になってしまったんです」

「どういった経緯かはブブリンというゴブリンが教えてくれたけど、あれはあれで面白いわね」

「ブブリンはどこまで教えたんですか?」

「あなたが邪教の生まれ変わりだという所だけよ」

 心の中で転生した事は教えなかったのかとブブリンに感謝だ。
 どこかのおっさんが生まれ変わって、セネレスのちちを赤子の頃に飲み干していたなんて事がばれたら、セネレスは発狂して、ゼフダスは俺を壁に貼り付けかねない。

「ジジイが探してたぞ」

「ダフガスさんですよね」

「ああ、お前は、相当強くなっちまったと言っていたな、というよりかはムキムキのおっさんに変身したと言っていたが、どうやら幻覚でも見ていたようだな」

 いえー父さん、それは幻覚ではありませんが。

「では、爺さんを探してみます」

「おう、この国の冒険者ギルドの指揮は漆黒の旅団に任せろよ」

「はい」

 その中二病臭い名前どうにかなりませんかとは心の中でしか突っ込めない。



 庭に辿り着くと、プラント族のグネルが日向ぼっこをしていた。
 台座にはダンジョンコアが置かれてある。

 その手前には皺くちゃで少しマッチョな爺が仁王立ちしていた。

「待っていたぞ我が孫よ、わしが存在していないなんて思っておったようじゃが、息子と娘はわしの事を何とも言わなかったのか?」

「はい、知りませんでした」

「なんじゃってえええええええええ」

「だから、知りませんでしたよ将軍してたなんて」

「ほうかほうか、それにしてもムキムキおっさんにどうやって変身した。わしは感激したぞ」

「いえ、あれは変身というか」

 魂の年齢に今の体が相応しくなっただけですなんて言えない。

「まぁいい、日々の鍛錬が物を言う時代じゃ、わしと共に朝日に向かって、修行をするぞい」

「結構です」

「なんじゃってええええええええ」

「気が向いたらよろしくお願いします。そこどけて貰っても良いですか」

「よかろう」

 とりあえず、ダンジョンコアでモンスターガチャを発動させるが、やはり外れを引く、素材は石材採石場と木材採集場にあるのを使用した。確率は30%。
 まぁあれだけレアで、最強主達が出たのだから、そう簡単には出ないのだろう。
 適当にモンスターに名前を付けて、仕事を紹介して向かわせた。

 次に建造物の建造だが、どれも素材レベルが高すぎて建てられない。
 
「家などは、人々が一生懸命建てておるぞ、それ以外で建てられない建造物を建造すればよかろう」

「爺さん、それが出来ないんだよどれも素材がやばい、何がオリハルコンが必用とか、世界樹の枝とか、もはや簡単に手に入らない」

「そういもんはダンジョンでも潜って攻略せよ、魔王ボスボスが各地にダンジョンを建造したからのう、飽きたのか別な大陸に行っちまったわい、そのせいで、この大陸はモンスターだらけの大パニックじゃて、がっはっは」

「はっはっは」

 笑い事じゃねーよ。

「爺さん、取り合えず、俺は次に何をすべきかを考えるよ」

「そんなのは決まっておる修行じゃああああ」

「頑張ってください」

「お前もじゃあああああ」

 熱血爺を置いておいて、俺は玉座の方角に向かった。
 何も物も置かれておらず、ただ大理石のような地面、階段を登りつつ、絵画すらもない、それもそうだろう。

 この城はダンジョンコアで設置したのだし、その時に別口で絵画なり銅像なり建造させておけばいいのかもしれないが、さすがに面倒だ。

 玉座の右隣りには骸骨剣士のライジュウが立っており、左隣にはブラックスライムのデルファルドさんが転がっている。
 
 2人は会釈すると。

「お戻りになられましたか教祖様」

「お待ちしておりました」

「なんか、元勇者と元神に言われると、少し気が引けるよ」

「それだけ物凄い事を成し遂げたのです。大勢の人々を救ったのです」

「ですが、魔王ボスボスが台無しにしましたが」

「ああ、あの魔王ボスボスは一体何なんだ」

「このセカンド、知り得る情報をお伝えしましょう」

 すると神であるファーストの次に強いとされるセカンド。
 彼は1つ1つ思い出すように、ゆっくりと語り始めた。
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