5 / 17
第1部 ロイ編
第5話 夢の図書館
しおりを挟む
==とある村==
本が大好きだった。
父親はドガリル・ウェイト、7代将軍の1人だった。
母親は病気で死んだ。
旅に出たかった。
世界各地に眠るであろう本を読み解きたかった。
突如としてい頭の中で声が響くようになった。
フラッシュパックのように見た事も無い景色が思い浮かんだ。
果てしなく果てしなく、どこまでもどこまでも、見たこともない本の知識が頭に流れるようになった。
額に七角の文様が現れるようになった。
不思議だった。
それが現れているとあらゆる知識が流れてくる。
膨大な量に驚きながら、意識が朦朧としていた。
だが、それらは遥か昔の知識だという事が分かった。
自分自身が、一番最初に武器を開発したウェイバリアンと言う生まれ変わりだという事も悟った。
新しい知識が欲しかった。
だから、ドーマスは忽然と消えてしまっていたが、ロイには別れの挨拶を澄まして旅に出た。
ドリームは戦う事を知らないから頭を使って旅をした。
村に行くと冒険者ギルドで護衛の冒険者を雇っての冒険。
ドリームは荷物持ちをしながら、本やら何やらを集めていた。
彼の知識は武器や防具の設計図に秀でていたので、ひたすら設計図を売って金貨にしていた。
飲み食いや寝床には困らなかった。
ただ1つだけ困るとしたら。
夢の世界の時間と現実の世界の時間が違っていたからだ。
夢の世界で1週間が経つと、現実の世界では1日しかたっていないし。
夢の中には沢山の書物が積み重なっており、暇を持て余す事も無かった。
何より一番最高に良かったのは、コレクション感覚で本を積み重ねる事が出来たことだ。
新しい知識となった本は新しい本として夢の中にコレクションされていく。
本に囲まれた夢の図書館がそこには広がっていた。
指先1つで本を操る事が出来る。
この力が現実世界でも使えたらどれだけ最高だろうか。
指先1つで物を操る力。
それはある意味最強なのかもしれない。
眼が覚めると、人々の悲鳴がこだましていた。
ある時から、モンスターの大軍が攻めてこなくなった。
巨大な隕石が大地に5つ降り注いだ時だったろうか。
だが、現在は見たこともない人間のような化け物が異世界から来訪者としてやってきていた。
彼等は村や街や国を襲っていった。
彼等は拠点を作る事を好まず、ひたすら残虐に殺してく。
まるでどこかに生贄を送っているかのような行いだ。
ドリームがいる村も同じような状況だったようだ。
彼は即座に外に出たのだが、問題はそこからだ、多くの村人が悲鳴を上げて逃げまとっている。
目の前の子供が化け物のような人間に襲われそうになっている。
はっとなって、夢の中でやっていたように指先を向けた。
対象者から剣を弾き飛ばす。
まるで演奏者の如く指揮棒で操って剣を弾き飛ばしたかのようだ。
「こ、これは」
次から次から、化物のような人間から武器を弾き飛ばす。
ドリームの周りには多くの冒険者達が集まってくる。
「皆さん今です」
化け物のような人間達は見えない攻撃にさらされながら、びくびくとしながら逃げまとっている。
そうして、冒険者達が化け物のような人間達を倒しつくす事に成功すると。
ドリームはその場で歓迎の宴の主役となっていた。
自分自身でもよくわからなかった。
不思議と変な力が使えるのだと思った。
だから命を助けるために使えたらいいなと思った。
もしこの力を使ってカーゼル村を守れたら。
きっとこれからひどい事になるから、戻ろうか。
それにこの村からだとそんなに遠くないだろうし。
そうして、ドリームはまた旅に出た。
大量の本は売り飛ばす事にして。
カーゼル村に向かう。
山と山に囲まれた村。
まるで逆傘のような村にドリームは夢や希望を詰め込んで歩き出す。
もちろん1人だ。
冒険者を雇うお金がない訳ではない。
ただただ。この指揮者の力を使ってみたいと思ったからだ。
だからなのかもしれないけど。
今、生きているっていう感じがするんだ。
ドリームは走る。
楽しくて楽しくてたまらないからだ。
筋肉もろくについておらず。
ただぼろぼろの肉体な訳でもなく。
ただ少しなよってしているかもしれないけど。
1人の男として、不思議な力を使えて。
ただそれだけで良いのだから。
ただそれだけで、沢山の命を救えるのだから。
だからドリームはカーゼル村に向かう。
そこにはかつての友ロイとドーマスがいる事を願っているのだから。
★
==ブシャルー帝国==
ナルデラ・ゴッド・ブシャルーは玉座にて逆立ちで集中していた。
「これこれ、若様、何をなさっているのですか」
「鬼婆か、今集中していたところだ」
「ほほう、鬼婆からしたら意味不明そのものですがな」
「そうか? 頭に血が巡って集中しやすいぞ」
「そうでもないものかもしれませんなぁ、さてと、異世界からの来訪者達の気配が消えてから、モンスターの大軍が消えたと思ったら次は、見た事もない化け物の人間が攻めてきました。ブシャルー帝国の10の領地にて、10人の滅び人が守り切りましたが、ガンムンド・ソーラとゴルドン・ソーラの2人に変な鎧がまとわりついて、彼等の情報によりますと」
「話が長いぞ、鬼婆」
「はふー失礼しました。簡単に説明しますと、5人の鎧の候補者を選ぶためにモンスターの大軍を送り込んでいたそうです、決まったのでモンスターは攻めてこぬようですが、異世界各地にて戦争が勃発しており、それを救う手段のようですね、今残りの3体の鎧候補者を探しておりますが、いまだ見つかっておりません」
「ふむ、やはり長いな」
「こ、これは失礼しましたーですじゃ」
「いや、良いんだ。ハルニレム王は助け出さねば、お主の予知能力でなんとかなるだろう」
「まぁ、見えとるのは異世界に吹き飛ばされたと言う事です。他の7代将軍もそれぞれ異世界とこの世界の各地にて療養しているようですじゃ」
「ふむ、そのハルニレムが飛ばされた異世界の名は?」
「地球と呼ばれる場所ですじゃ」
「そこに俺が行く方法は?」
「ないですじゃ。異世界に渡る方法は限られておりますじゃ」
「そうか、それなら力を蓄えるしかないか」
「その通りですじゃ、それにハルニレム王の息子が2人いるのですがじゃ、1人は死んだとされておりましたが、地球にいるようですじゃ、それに1人は隠されており、魔法がかけられており見つけられないですじゃ」
「それは気にするな、あの一族は大抵表に出てくるから分かる」
「そうなのですかじゃ?」
「お前だって何百年も生きている口ではなかろうか」
「それでも若様には勝てないですよ、なぜなら若様は300歳を超えておりますがな」
「まぁ、呪いだがな」
「7代将軍が1人ラガディ・ヘルマの造った技術を応用した力の失敗があなたなのですが、それは成功と捉えたほうがよかろうですじゃ」
「それがポジティブだというのかもしれないな」
「まぁ、気にする事ではないですじゃ、それじゃあ、わしは食事の準備をしてまいりますじゃ」
「ありがとうな」
「気にするなですじゃ」
今宵もナルデラ・ゴッド・ブシャルーは逆立ちになりながら玉座に集中していた。
本が大好きだった。
父親はドガリル・ウェイト、7代将軍の1人だった。
母親は病気で死んだ。
旅に出たかった。
世界各地に眠るであろう本を読み解きたかった。
突如としてい頭の中で声が響くようになった。
フラッシュパックのように見た事も無い景色が思い浮かんだ。
果てしなく果てしなく、どこまでもどこまでも、見たこともない本の知識が頭に流れるようになった。
額に七角の文様が現れるようになった。
不思議だった。
それが現れているとあらゆる知識が流れてくる。
膨大な量に驚きながら、意識が朦朧としていた。
だが、それらは遥か昔の知識だという事が分かった。
自分自身が、一番最初に武器を開発したウェイバリアンと言う生まれ変わりだという事も悟った。
新しい知識が欲しかった。
だから、ドーマスは忽然と消えてしまっていたが、ロイには別れの挨拶を澄まして旅に出た。
ドリームは戦う事を知らないから頭を使って旅をした。
村に行くと冒険者ギルドで護衛の冒険者を雇っての冒険。
ドリームは荷物持ちをしながら、本やら何やらを集めていた。
彼の知識は武器や防具の設計図に秀でていたので、ひたすら設計図を売って金貨にしていた。
飲み食いや寝床には困らなかった。
ただ1つだけ困るとしたら。
夢の世界の時間と現実の世界の時間が違っていたからだ。
夢の世界で1週間が経つと、現実の世界では1日しかたっていないし。
夢の中には沢山の書物が積み重なっており、暇を持て余す事も無かった。
何より一番最高に良かったのは、コレクション感覚で本を積み重ねる事が出来たことだ。
新しい知識となった本は新しい本として夢の中にコレクションされていく。
本に囲まれた夢の図書館がそこには広がっていた。
指先1つで本を操る事が出来る。
この力が現実世界でも使えたらどれだけ最高だろうか。
指先1つで物を操る力。
それはある意味最強なのかもしれない。
眼が覚めると、人々の悲鳴がこだましていた。
ある時から、モンスターの大軍が攻めてこなくなった。
巨大な隕石が大地に5つ降り注いだ時だったろうか。
だが、現在は見たこともない人間のような化け物が異世界から来訪者としてやってきていた。
彼等は村や街や国を襲っていった。
彼等は拠点を作る事を好まず、ひたすら残虐に殺してく。
まるでどこかに生贄を送っているかのような行いだ。
ドリームがいる村も同じような状況だったようだ。
彼は即座に外に出たのだが、問題はそこからだ、多くの村人が悲鳴を上げて逃げまとっている。
目の前の子供が化け物のような人間に襲われそうになっている。
はっとなって、夢の中でやっていたように指先を向けた。
対象者から剣を弾き飛ばす。
まるで演奏者の如く指揮棒で操って剣を弾き飛ばしたかのようだ。
「こ、これは」
次から次から、化物のような人間から武器を弾き飛ばす。
ドリームの周りには多くの冒険者達が集まってくる。
「皆さん今です」
化け物のような人間達は見えない攻撃にさらされながら、びくびくとしながら逃げまとっている。
そうして、冒険者達が化け物のような人間達を倒しつくす事に成功すると。
ドリームはその場で歓迎の宴の主役となっていた。
自分自身でもよくわからなかった。
不思議と変な力が使えるのだと思った。
だから命を助けるために使えたらいいなと思った。
もしこの力を使ってカーゼル村を守れたら。
きっとこれからひどい事になるから、戻ろうか。
それにこの村からだとそんなに遠くないだろうし。
そうして、ドリームはまた旅に出た。
大量の本は売り飛ばす事にして。
カーゼル村に向かう。
山と山に囲まれた村。
まるで逆傘のような村にドリームは夢や希望を詰め込んで歩き出す。
もちろん1人だ。
冒険者を雇うお金がない訳ではない。
ただただ。この指揮者の力を使ってみたいと思ったからだ。
だからなのかもしれないけど。
今、生きているっていう感じがするんだ。
ドリームは走る。
楽しくて楽しくてたまらないからだ。
筋肉もろくについておらず。
ただぼろぼろの肉体な訳でもなく。
ただ少しなよってしているかもしれないけど。
1人の男として、不思議な力を使えて。
ただそれだけで良いのだから。
ただそれだけで、沢山の命を救えるのだから。
だからドリームはカーゼル村に向かう。
そこにはかつての友ロイとドーマスがいる事を願っているのだから。
★
==ブシャルー帝国==
ナルデラ・ゴッド・ブシャルーは玉座にて逆立ちで集中していた。
「これこれ、若様、何をなさっているのですか」
「鬼婆か、今集中していたところだ」
「ほほう、鬼婆からしたら意味不明そのものですがな」
「そうか? 頭に血が巡って集中しやすいぞ」
「そうでもないものかもしれませんなぁ、さてと、異世界からの来訪者達の気配が消えてから、モンスターの大軍が消えたと思ったら次は、見た事もない化け物の人間が攻めてきました。ブシャルー帝国の10の領地にて、10人の滅び人が守り切りましたが、ガンムンド・ソーラとゴルドン・ソーラの2人に変な鎧がまとわりついて、彼等の情報によりますと」
「話が長いぞ、鬼婆」
「はふー失礼しました。簡単に説明しますと、5人の鎧の候補者を選ぶためにモンスターの大軍を送り込んでいたそうです、決まったのでモンスターは攻めてこぬようですが、異世界各地にて戦争が勃発しており、それを救う手段のようですね、今残りの3体の鎧候補者を探しておりますが、いまだ見つかっておりません」
「ふむ、やはり長いな」
「こ、これは失礼しましたーですじゃ」
「いや、良いんだ。ハルニレム王は助け出さねば、お主の予知能力でなんとかなるだろう」
「まぁ、見えとるのは異世界に吹き飛ばされたと言う事です。他の7代将軍もそれぞれ異世界とこの世界の各地にて療養しているようですじゃ」
「ふむ、そのハルニレムが飛ばされた異世界の名は?」
「地球と呼ばれる場所ですじゃ」
「そこに俺が行く方法は?」
「ないですじゃ。異世界に渡る方法は限られておりますじゃ」
「そうか、それなら力を蓄えるしかないか」
「その通りですじゃ、それにハルニレム王の息子が2人いるのですがじゃ、1人は死んだとされておりましたが、地球にいるようですじゃ、それに1人は隠されており、魔法がかけられており見つけられないですじゃ」
「それは気にするな、あの一族は大抵表に出てくるから分かる」
「そうなのですかじゃ?」
「お前だって何百年も生きている口ではなかろうか」
「それでも若様には勝てないですよ、なぜなら若様は300歳を超えておりますがな」
「まぁ、呪いだがな」
「7代将軍が1人ラガディ・ヘルマの造った技術を応用した力の失敗があなたなのですが、それは成功と捉えたほうがよかろうですじゃ」
「それがポジティブだというのかもしれないな」
「まぁ、気にする事ではないですじゃ、それじゃあ、わしは食事の準備をしてまいりますじゃ」
「ありがとうな」
「気にするなですじゃ」
今宵もナルデラ・ゴッド・ブシャルーは逆立ちになりながら玉座に集中していた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


創者―ソウシャ―
AKISIRO
ファンタジー
異世界【カラクリ】
日本から異世界へと来訪者が渡る。
夢を見る事で異世界に渡る事が出来る彼は夢の中で創造の力を使う事が出来る。
だが力を使うと思い出が消えていく。
少年は旅を続け、旅の果てに何かを見つけ出す。
思い出が失われるなら思い出を作ればいいのだから。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~
にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。
その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。
そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。
『悠々自適にぶらり旅』
を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる