無限の果てを目指して歩み進む 〜裏切られ続けた少年は《無限迷宮》を駆け抜ける〜


【灰被り】。それがスラムで暮らす少年、エイルの呼び名だ。
 冒険者の底辺である荷物持ちとして、他の冒険者に顎で使われる毎日。荷物を運び、魔石を回収し、裏切られる。
 荷物持ち――またの名を『都合のいい囮』。
 仲間に見捨てられ、世界から見放され、それでも生き残ってきたエイルは冒険者達から『必ず生還する囮』として、その名前が広がっていった。

 全てに絶望し、ただ成り上がることだけを目標にした少年は、ある日人攫いに遭った少女と邂逅を果たす。
 奴隷として売り飛ばされそうだった少女を図らずも助け出したエイルに、少女は感謝を伝え――

「でも、やっぱり奴隷になってみるのも面白そうでしたねぇ……」
「はぁ? アンタ何言ってんだ?」

 どこか頭のおかしい美少女と、全てに絶望した少年の出会いが、五百年間攻略される事のなかった《無限迷宮》に激震を走らせる――!
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