183 / 272
第十六章 王国軍対帝国軍
10 おかしいですわね……
しおりを挟む
オーミュッツへの空中散歩以後も、アリツェとドミニクは定期的に飛行術の練習を繰り返した。随分と慣れてきたのか、以前と比べて思いどおりに動けるようになったとアリツェは実感していた。
そのような上空を駆ける二人の姿が、王国軍陣地の日常風景に溶け込みかかってきた時分、アリツェはフェルディナントから事態が動いたとの連絡を受けた。すぐさま、ドミニクとともに司令部の天幕へと赴いた。
司令部周辺では、伝令兵が忙しく走り回っている。ピリピリとした緊張感がきつく肌へと突き刺さる。アリツェとドミニクは、そんな兵士たちの間を縫って、天幕の中へと入った。
「帝国軍が再び集結しているのですか?」
フェルディナントからの報告を受け、アリツェはため息をつき、肩を落とした。どうやら楽しいドミニクとの空中散歩も、今日で終わりらしい。
「そろそろ、第二波が来そうなんだよね」
伝令兵から上がった報告をまとめた資料を、フェルディナントはアリツェに示した。
アリツェはざっと目をとおしたが、どうやら第一波よりも大規模なものになりそうだ。資料に描かれた帝国軍の予測布陣を見れば、二連敗は絶対に避けたいとの皇帝ベルナルドの強い意志を感じる。
「わたくしをお呼びになったのは……」
アリツェはフェルディナントの顔をじっと注視した。呼ばれた理由は想像がつく。精霊使いとしての仕事だろう。
「そう、また上空から一発ぶちかましてほしい」
やはり、フェルディナントからは予想どおりの答えが返ってきた。
「……承知いたしましたわ」
アリツェはこくりと首肯した。
アリツェの高い能力を見込まれているからこその頼みだ。断る理由も特にない。
「ここ数日、ドミニクと飛行訓練をしておりました。おかげさまで、以前よりも空中での動きが円滑になった気がいたしますのよ。より効果的な嫌がらせを、してさしあげますわ!」
フェルディナントの口ぶりから、初戦で披露した大規模精霊術の再現を欲しているのだろうとアリツェは察した。さっそく飛行術の特訓の成果を見せられると思えば、気分も高揚していく。アリツェは自然と、握ったこぶしを前へと突き出していた。
「そいつは心強い。……でもね、くれぐれも無茶はしないでくれよ。アリツェは私のかわいい姪っ子でもあるんだ」
フェルディナントはアリツェの頭をぽんぽんっと軽くたたく。
「もちろんですわ! わたくしもここで倒れるようなへまを、犯すつもりはございませんもの」
言われるまでもない。アリツェも無理をするつもりは毛頭なかった。ザハリアーシュらもいないところで、身を危険にさらしてまで頑張る必要性はまったく無い。
「ドミニク殿下、アリツェをお願いしますね」
フェルディナントはドミニクに向き直り、深く頭を下げた。
「プリンツ卿、任せてくれ! いざとなれば、ボクが盾になるさ」
ドミニクは声を張り、ドンっと胸を叩いた。
「あら、いけませんわ、ドミニク。あなたは王子なんですから、命を粗末すべきではありませんわ!」
せっかくのドミニクの気持ちに、アリツェも心打たれるものがあった。だが、ドミニクはフェイシア王国の王子でもある。無茶をさせるわけにはいかない。
「もちろんさ。でもね、今王国軍に必要なのは、ボクよりもアリツェなのは間違いないよ。アリツェだけは、何としても護る!」
ドミニクは首肯しつつも、身を挺してでもアリツェを護って見せる、との強い意気込みだけは、変えようとしなかった。
「ではお互いに、十分気をつけましょう」
であるならば、互いに互いを注意しあうまでだ。アリツェはドミニクとうなずきあった。
アリツェとドミニクはすぐさま戦闘の準備を整え、初戦と同様に空へと舞いあがった。
「どうする? また光の精霊術でかく乱かい?」
ドミニクの問いにアリツェはしばし考え、同意しようとした。だが――。
「どうやら、そううまくはいかないようですわ」
眼下の帝国兵たちの様子がおかしかった。顔に何かをつけているように見える。目を凝らしてよく観察すれば、どうやら色のついたメガネのようだ。
「あー、本当だね。色メガメを用意してくるとは、なかなか考えたね」
前回の帝国軍の敗戦の直接的な原因は、アリツェの光を使った目つぶし攻撃による混乱だ。当然、対策をしているだろう。第二波を寄こすまでに時間がかかったのも、このサングラスを用意するためだったに違いない。
「また光の目つぶしが来るだろうと読んで、あのメガネを身につけているのでしょうね」
「ってことは、少し地形に影響が出るのは目をつぶって、風か地の精霊術を使うかい?」
光の精霊術が最も周囲の環境に影響を及ぼすことなく、敵の足止めができる。だが、その手段を封じられた以上は、ドミニクの言うとおり多少の被害は致し方なしとして、暴風や地震、落とし穴などでの嫌がらせを選ばざるを得ない。だが――。
「それも考えたのですが、水の精霊術のほうが、より地形に影響を与えずに足止めできるのではないかと考えましたわ。今は冬ですし」
アリツェにはもう一つ、自然環境への影響が少なそうな精霊術の心当たりがあった。
「というと?」
「敵陣にのみ強烈な土砂降りの雨を浴びせ、兵たちを凍えさせます。小雨程度への対策はあっても、さすがに土砂降りの雨にはどうしようもないでしょう? こんな真冬に、大雨はめったに降りませんもの」
ドミニクの問いに、アリツェは詳細を説明した。
水の精霊術で敵陣の真上のみに土砂降りを降らせ、寒さで行動不能に陥らせようとの考えだ。夏場ならともかく、池の水も氷りそうな気温の今の時期なら、かなり強烈な嫌がらせになるとアリツェは睨んでいた。手先がかじかみ、武器もろくに握れなくなるだろう。
幸いにも、今日は風が強い。濡れた衣服の上から風にあおられれば、一気に体温が奪われるはずだ。
「あー、なるほどね。確かにこの季節って、降っても小雨か雪だもんね。土砂降りの雨を浴びれば、凍えて戦いどころじゃないか」
ドミニクはアリツェの説明に納得したのか、首肯する。
「ただ、指揮官が愚かでないことを祈りますわ。凍死者が出ては後味が悪いですもの。びしょぬれになれば、すぐに兵を引くと思うのですが」
凍死する者が出たとすれば、それは間接的とはいえアリツェが殺したようなものだ。できればそのような状況に陥ってほしくはなかった。賢明な指揮官であれば、すぐにでも撤退を決断するはずだ。
「じゃ、その手でいこうか」
ドミニクの同意を得たアリツェは、背嚢に収まるペスに指示を送り、素早く水の精霊術を具現化させた。
「いや、本当に見事なお手並みだったよアリツェ」
アリツェが司令部の天幕に戻るや、フェルディナントはぱっと笑顔を浮かべ、両手を広げながら迎え入れた。
「ありがとうございますわ、叔父様」
アリツェはちょこんとスカートの裾をつまみ、礼をした。
「二戦連続で一方的な展開になったし、しばらくは帝国軍もおとなしくなるだろう」
帝国軍の第二波は、第一波よりも兵の数を増していた。それがあっさりとアリツェの精霊術の手玉に取られ、一方的にやられるだけに終わった。さすがにしばらくは、軍全体の士気にも影響が出るだろう。
「こちらから攻め込んだりはしないのかい?」
隣に立つドミニクが、フェルディナントに問うた。
現状は、王国軍側が一方的に帝国軍を撃退している状況だ。この余勢をかって帝国内に攻め込もうと思えば、やってやれないことはないだろう。
「それが、いまだにザハリアーシュたちの動向がつかめていないのです。下手に追撃して、背後から襲われたりしたらたまりませんので、なかなかこちらから攻め入るのが難しい状況でして……。すみません、ドミニク殿下」
フェルディナントは渋い表情を浮かべた。
斥候部隊から導師部隊を発見したとの報は、残念ながら入っていないようだ。継続して続けているアリツェの巡回にも引っかからない。帝国の切り札のはずだが、主力を差し向けているはずの対王国軍側に同行している様子がまったく無かった。
「そいつは困ったね……」
ドミニクはため息を漏らした。
「対伯爵領軍側に向かっているのでしょうか。ちょっと心配ですわ」
こうも動向がつかめないと不気味だった。何やら帝国軍側に秘策があるのではないかと勘繰ってしまう。ここまでアリツェの精霊術にやられ放題の現状を鑑みれば、対策として導師部隊を投入するのが筋ではないかとアリツェは思う。
帝都防衛に割くにはあまりにももったいない戦力だ。であるならば、導師部隊は対ムシュカ伯爵領軍の側に向かっているのだろうか。そうなれば最悪のパターンなので、できれば避けてほしいところだった。
「今のところはそういった報告は伯爵から受けていないから、大丈夫だとは思うけれど……」
フェルディナントは言葉を濁した。口では大丈夫といいつつも、やはり一抹の不安はあるようだ。
「しばらくはまだ、定期巡回を続ける必要がありそうですわね」
いくら大勝続きだとはいえ、戦場での油断は厳禁だ。監視を怠って奇襲攻撃を受けてはたまらない。
霊素を掴める人間が、現状でアリツェとラディムのみである以上は、日々の警邏はアリツェがこなさねばならない役割だった。
「悪いけれど、お願いするね」
フェルディナントはすまなそうに頭を垂れた。
そのような上空を駆ける二人の姿が、王国軍陣地の日常風景に溶け込みかかってきた時分、アリツェはフェルディナントから事態が動いたとの連絡を受けた。すぐさま、ドミニクとともに司令部の天幕へと赴いた。
司令部周辺では、伝令兵が忙しく走り回っている。ピリピリとした緊張感がきつく肌へと突き刺さる。アリツェとドミニクは、そんな兵士たちの間を縫って、天幕の中へと入った。
「帝国軍が再び集結しているのですか?」
フェルディナントからの報告を受け、アリツェはため息をつき、肩を落とした。どうやら楽しいドミニクとの空中散歩も、今日で終わりらしい。
「そろそろ、第二波が来そうなんだよね」
伝令兵から上がった報告をまとめた資料を、フェルディナントはアリツェに示した。
アリツェはざっと目をとおしたが、どうやら第一波よりも大規模なものになりそうだ。資料に描かれた帝国軍の予測布陣を見れば、二連敗は絶対に避けたいとの皇帝ベルナルドの強い意志を感じる。
「わたくしをお呼びになったのは……」
アリツェはフェルディナントの顔をじっと注視した。呼ばれた理由は想像がつく。精霊使いとしての仕事だろう。
「そう、また上空から一発ぶちかましてほしい」
やはり、フェルディナントからは予想どおりの答えが返ってきた。
「……承知いたしましたわ」
アリツェはこくりと首肯した。
アリツェの高い能力を見込まれているからこその頼みだ。断る理由も特にない。
「ここ数日、ドミニクと飛行訓練をしておりました。おかげさまで、以前よりも空中での動きが円滑になった気がいたしますのよ。より効果的な嫌がらせを、してさしあげますわ!」
フェルディナントの口ぶりから、初戦で披露した大規模精霊術の再現を欲しているのだろうとアリツェは察した。さっそく飛行術の特訓の成果を見せられると思えば、気分も高揚していく。アリツェは自然と、握ったこぶしを前へと突き出していた。
「そいつは心強い。……でもね、くれぐれも無茶はしないでくれよ。アリツェは私のかわいい姪っ子でもあるんだ」
フェルディナントはアリツェの頭をぽんぽんっと軽くたたく。
「もちろんですわ! わたくしもここで倒れるようなへまを、犯すつもりはございませんもの」
言われるまでもない。アリツェも無理をするつもりは毛頭なかった。ザハリアーシュらもいないところで、身を危険にさらしてまで頑張る必要性はまったく無い。
「ドミニク殿下、アリツェをお願いしますね」
フェルディナントはドミニクに向き直り、深く頭を下げた。
「プリンツ卿、任せてくれ! いざとなれば、ボクが盾になるさ」
ドミニクは声を張り、ドンっと胸を叩いた。
「あら、いけませんわ、ドミニク。あなたは王子なんですから、命を粗末すべきではありませんわ!」
せっかくのドミニクの気持ちに、アリツェも心打たれるものがあった。だが、ドミニクはフェイシア王国の王子でもある。無茶をさせるわけにはいかない。
「もちろんさ。でもね、今王国軍に必要なのは、ボクよりもアリツェなのは間違いないよ。アリツェだけは、何としても護る!」
ドミニクは首肯しつつも、身を挺してでもアリツェを護って見せる、との強い意気込みだけは、変えようとしなかった。
「ではお互いに、十分気をつけましょう」
であるならば、互いに互いを注意しあうまでだ。アリツェはドミニクとうなずきあった。
アリツェとドミニクはすぐさま戦闘の準備を整え、初戦と同様に空へと舞いあがった。
「どうする? また光の精霊術でかく乱かい?」
ドミニクの問いにアリツェはしばし考え、同意しようとした。だが――。
「どうやら、そううまくはいかないようですわ」
眼下の帝国兵たちの様子がおかしかった。顔に何かをつけているように見える。目を凝らしてよく観察すれば、どうやら色のついたメガネのようだ。
「あー、本当だね。色メガメを用意してくるとは、なかなか考えたね」
前回の帝国軍の敗戦の直接的な原因は、アリツェの光を使った目つぶし攻撃による混乱だ。当然、対策をしているだろう。第二波を寄こすまでに時間がかかったのも、このサングラスを用意するためだったに違いない。
「また光の目つぶしが来るだろうと読んで、あのメガネを身につけているのでしょうね」
「ってことは、少し地形に影響が出るのは目をつぶって、風か地の精霊術を使うかい?」
光の精霊術が最も周囲の環境に影響を及ぼすことなく、敵の足止めができる。だが、その手段を封じられた以上は、ドミニクの言うとおり多少の被害は致し方なしとして、暴風や地震、落とし穴などでの嫌がらせを選ばざるを得ない。だが――。
「それも考えたのですが、水の精霊術のほうが、より地形に影響を与えずに足止めできるのではないかと考えましたわ。今は冬ですし」
アリツェにはもう一つ、自然環境への影響が少なそうな精霊術の心当たりがあった。
「というと?」
「敵陣にのみ強烈な土砂降りの雨を浴びせ、兵たちを凍えさせます。小雨程度への対策はあっても、さすがに土砂降りの雨にはどうしようもないでしょう? こんな真冬に、大雨はめったに降りませんもの」
ドミニクの問いに、アリツェは詳細を説明した。
水の精霊術で敵陣の真上のみに土砂降りを降らせ、寒さで行動不能に陥らせようとの考えだ。夏場ならともかく、池の水も氷りそうな気温の今の時期なら、かなり強烈な嫌がらせになるとアリツェは睨んでいた。手先がかじかみ、武器もろくに握れなくなるだろう。
幸いにも、今日は風が強い。濡れた衣服の上から風にあおられれば、一気に体温が奪われるはずだ。
「あー、なるほどね。確かにこの季節って、降っても小雨か雪だもんね。土砂降りの雨を浴びれば、凍えて戦いどころじゃないか」
ドミニクはアリツェの説明に納得したのか、首肯する。
「ただ、指揮官が愚かでないことを祈りますわ。凍死者が出ては後味が悪いですもの。びしょぬれになれば、すぐに兵を引くと思うのですが」
凍死する者が出たとすれば、それは間接的とはいえアリツェが殺したようなものだ。できればそのような状況に陥ってほしくはなかった。賢明な指揮官であれば、すぐにでも撤退を決断するはずだ。
「じゃ、その手でいこうか」
ドミニクの同意を得たアリツェは、背嚢に収まるペスに指示を送り、素早く水の精霊術を具現化させた。
「いや、本当に見事なお手並みだったよアリツェ」
アリツェが司令部の天幕に戻るや、フェルディナントはぱっと笑顔を浮かべ、両手を広げながら迎え入れた。
「ありがとうございますわ、叔父様」
アリツェはちょこんとスカートの裾をつまみ、礼をした。
「二戦連続で一方的な展開になったし、しばらくは帝国軍もおとなしくなるだろう」
帝国軍の第二波は、第一波よりも兵の数を増していた。それがあっさりとアリツェの精霊術の手玉に取られ、一方的にやられるだけに終わった。さすがにしばらくは、軍全体の士気にも影響が出るだろう。
「こちらから攻め込んだりはしないのかい?」
隣に立つドミニクが、フェルディナントに問うた。
現状は、王国軍側が一方的に帝国軍を撃退している状況だ。この余勢をかって帝国内に攻め込もうと思えば、やってやれないことはないだろう。
「それが、いまだにザハリアーシュたちの動向がつかめていないのです。下手に追撃して、背後から襲われたりしたらたまりませんので、なかなかこちらから攻め入るのが難しい状況でして……。すみません、ドミニク殿下」
フェルディナントは渋い表情を浮かべた。
斥候部隊から導師部隊を発見したとの報は、残念ながら入っていないようだ。継続して続けているアリツェの巡回にも引っかからない。帝国の切り札のはずだが、主力を差し向けているはずの対王国軍側に同行している様子がまったく無かった。
「そいつは困ったね……」
ドミニクはため息を漏らした。
「対伯爵領軍側に向かっているのでしょうか。ちょっと心配ですわ」
こうも動向がつかめないと不気味だった。何やら帝国軍側に秘策があるのではないかと勘繰ってしまう。ここまでアリツェの精霊術にやられ放題の現状を鑑みれば、対策として導師部隊を投入するのが筋ではないかとアリツェは思う。
帝都防衛に割くにはあまりにももったいない戦力だ。であるならば、導師部隊は対ムシュカ伯爵領軍の側に向かっているのだろうか。そうなれば最悪のパターンなので、できれば避けてほしいところだった。
「今のところはそういった報告は伯爵から受けていないから、大丈夫だとは思うけれど……」
フェルディナントは言葉を濁した。口では大丈夫といいつつも、やはり一抹の不安はあるようだ。
「しばらくはまだ、定期巡回を続ける必要がありそうですわね」
いくら大勝続きだとはいえ、戦場での油断は厳禁だ。監視を怠って奇襲攻撃を受けてはたまらない。
霊素を掴める人間が、現状でアリツェとラディムのみである以上は、日々の警邏はアリツェがこなさねばならない役割だった。
「悪いけれど、お願いするね」
フェルディナントはすまなそうに頭を垂れた。
0
お気に入りに追加
291
あなたにおすすめの小説
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【グラニクルオンライン】〜女神に召喚されたプレイヤーがガチクズばかりなので高レベの私が無双します〜
てんてんどんどん
ファンタジー
国王「勇者よ!よくこの国を救ってくれた!お礼にこれを!!」
国王は綺麗な腕輪【所有者を奴隷にできる腕輪】を差し出した!
主人公(あかん、これダメな方の異世界転移だわ)
私、橘楓(たちばな かえで)はいつも通りVRMMOゲーム【グラニクルオンライン】にログインしたはずだった……のだが。
何故か、私は間違って召喚されゲーム【グラニクルオンライン】の300年後の世界へ、プレイしていた男キャラ「猫まっしぐら」として異世界転移してしまった。
ゲームの世界は「自称女神」が召喚したガチクズプレイヤー達が高レベルでTUeeeしながら元NPC相手にやりたい放題。
ハーレム・奴隷・拷問・赤ちゃんプレイって……何故こうも基地外プレイヤーばかりが揃うのか。
おかげでこの世界のプレイヤーの評価が単なるド変態なんですけど!?
ドラゴン幼女と変態エルフを引き連れて、はじまる世直し旅。
高レベルで無双します。
※※アルファポリス内で漫画も投稿しています。
宜しければそちらもご覧いただけると嬉しいです※※
※恋愛に発展するのは後半です。
※中身は女性で、ヒーローも女性と認識していますが男性キャラでプレイしています。アイテムで女に戻ることもできます。それでも中身が女でも外見が男だとBLに感じる方はご注意してください。
※ダーク要素もあり、サブキャラに犠牲者もでます。
※小説家になろう カクヨム でも連載しています
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
私は聖女(ヒロイン)のおまけ
音無砂月
ファンタジー
ある日突然、異世界に召喚された二人の少女
100年前、異世界に召喚された聖女の手によって魔王を封印し、アルガシュカル国の危機は救われたが100年経った今、再び魔王の封印が解かれかけている。その為に呼ばれた二人の少女
しかし、聖女は一人。聖女と同じ色彩を持つヒナコ・ハヤカワを聖女候補として考えるアルガシュカルだが念のため、ミズキ・カナエも聖女として扱う。内気で何も自分で決められないヒナコを支えながらミズキは何とか元の世界に帰れないか方法を探す。
【完結】虐待された少女が公爵家の養女になりました
鈴宮ソラ
ファンタジー
オラルト伯爵家に生まれたレイは、水色の髪と瞳という非凡な容姿をしていた。あまりに両親に似ていないため両親は彼女を幼い頃から不気味だと虐待しつづける。
レイは考える事をやめた。辛いだけだから、苦しいだけだから。心を閉ざしてしまった。
十数年後。法官として勤めるエメリック公爵によって伯爵の罪は暴かれた。そして公爵はレイの並外れた才能を見抜き、言うのだった。
「私の娘になってください。」
と。
養女として迎えられたレイは家族のあたたかさを知り、貴族の世界で成長していく。
前題 公爵家の養子になりました~最強の氷魔法まで授かっていたようです~
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる