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第十六章 王国軍対帝国軍
9 空中散歩で『でぇと』ですわ
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アリツェのある意味で飯テロな騒動があった翌日、すっかり回復したドミニクがアリツェの天幕へやってきた。
「アリツェ、いるかい?」
「どうなさいましたの? ドミニク」
アリツェは天幕に入ってきたドミニクの全身をざっと眺めたが、昨日泡を噴いて倒れていた面影はない。ほっと胸をなでおろした。
「少し時間もできたし、ちょっと散歩をしないかな」
ドミニクはにこやかに微笑みながら、手で外を指し示した。
「それは素敵ですわね。喜んでご一緒させていただきますわ」
帝国軍が国境地帯から撤兵したわけではないが、再侵攻はまだないだろうとフェルディナントからは言われている。ストレスの溜まる戦争の中での、束の間の休息の時だった。であるならば、婚約者とともに息抜きをしていたところで、咎める者もいないはずだ。そもそも、アリツェがこの貴重な時間を作り出した最大の功労者なのだから。
「それでね、一つお願いがあるんだ」
ドミニクにしては珍しく、何やら少し気恥しそうなそぶりを見せている。
「何でございましょうか?」
アリツェは怪訝に思い、小首をひねった。
「空中散歩って、どうかな?」
「といいますと、精霊術でですの?」
ドミニクの言う『空中散歩』は、渓谷などにかかったつり橋を一緒に歩くなどといった話ではないはずだ。精霊術を用いての、文字どおりの空中散歩だろう。
「うん、ルゥだっけ? あの使い魔の精霊術で飛んだ奴さ」
やはり予想どおりの言葉が返ってきた。
「構いませんけれど、いったいなぜですの?」
切迫した状況でもなし、霊素を多少大目に消費しても特段問題はない。娯楽としての飛行術による空中散歩も、防寒対策さえしっかりしておけば、乙なものかもしれないとも思う。断る理由もなかった。
だが、ドミニクはなぜ突然、このような提案をしてきたのだろうか。先日の戦場での飛行術が、ドミニクのお気に召したのだろうか。
「今後の作戦でも、空からの急襲を行う場面があるかもしれないし、慣れておきたいんだ。で、どうせ慣らすなら楽しみながら、ね」
趣味と実益を兼ねた発案のようだった。
「わかりましたわ。では、お空のお散歩を楽しみましょう。国境方面は危険ですし、オーミュッツ方面に行きましょうか」
アリツェとしても、ドミニクを伴いながらの飛行訓練は望むところだった。申し出に乗って、今日は存分に羽を伸ばそうと決心した。
防寒用の外套を用意し、アリツェとドミニクは王国軍陣地を出てオーミュッツ方面に少し歩いた。
この日も雲一つない快晴だった。珍しく風もほとんど吹いていないため、かなり快適な空の旅ができそうだ。肌に突き刺さる冷たく乾いた風がないだけでも、体感温度は相当に変わってくる。まさに空中散歩日和と言えよう。冬真っただ中でそれほど景色を楽しめるわけではないが、普段見慣れない視点から周囲を眺めるのも悪くはないとアリツェは思う。
ある程度陣地から離れたところで、アリツェはルゥとペスに霊素を纏わせ、精霊具現化を施した。ルゥには風で飛行術を、ペスには火で防寒対策を行わせる。
アリツェの背に現れた白く半透明な翼がはためけば、ふわりと体が浮き始めた。ペスはすかさずアリツェの背嚢に収まり、ドミニクはアリツェの腰にしがみついた。
「うわっ、やはり上空は寒いねっ」
ドミニクの言うとおり、ある程度の高度にまで達すればかなり寒さが堪えた。風がない分、先日の対帝国軍戦での空中作戦よりはましであったが……。
「でもこうやって、アリツェのぬくもりをより一層感じられるのはうれしいなぁ」
ドミニクは甘えたような口調でつぶやく。
「もうっ、いつもバカなことをおっしゃって……。少し我慢なさってくださいませ。すぐにペスの火の精霊術で暖を取りますわ」
アリツェは苦笑を浮かべつつドミニクをたしなめ、すぐさま念話でペスに精霊術行使の指示を送った。
ペスから放たれた霊素により、アリツェとドミニクの周囲にぼんやりと赤い空気の膜ができ、急速に体感温度が上がっていった。やがて、快適な気温に達したところで安定する。
「こいつはいいね!」
ドミニクが感心したように声を上げた。
「ありがとうございますわ」
精霊術を褒められ、アリツェも自然と笑みがこぼれた。
「しかし、こうやって今後も空から戦うような機会があるのなら、ボクも自由に動けるような方法を何か見つけないとかな?」
アリツェの腰に抱き着いていなければ、ドミニクは落下してしまう。両手がふさがってしまうので、飛行状態でドミニクのできることといえば、アリツェの相談相手を務めるくらいしかない。
「もう一匹使い魔を操れるようになれば、ドミニクにも翼をつけて差し上げられると思うのですが……」
さらに別の使い魔を背嚢へ忍ばせ、風の精霊術を施し翼を生成できれば、ドミニクもある程度自由に行動がとれるようになるはずだった。
「それまではこうして、アリツェにしがみついているしかないか。役得だから、うれしいと言えばうれしいけれど」
おどけた調子でドミニクは笑った。
「うふふ、わたくしもうれしいですわ。だから、ドミニクが気に病む必要はございませんのよ」
アリツェもこうしてドミニクに抱きしめられているのは心地が良い。いつまでもこのままでいられたらいいなとも思う。なので、戦闘に直接参加をできないからといって、ドミニクに引け目を感じられても困る。
「そういってもらえると、すごく助かるよ」
ドミニクは安堵したような声で答えた。
おしゃべりをしつつ景色も楽しみながら、アリツェたちは二時間ほどの空の旅を満喫した。霊素残量が心許なくなってきたところで、眼前にオーミュッツの街が見えてくる。
「オーミュッツが見えてきましたわ。少し買い物をして、陣地に戻りましょうか」
アリツェはそう告げると、滑空しながら少しずつ高度を下げた。
「そうだね。それにしても、空の旅だとあっという間だね。馬よりも圧倒的に早いじゃないか」
予想以上の移動速度に、ドミニクは感服しているようだ。
「空ですと障害物もないですし、一直線に目的地に行けますから。ただ、霊素消費が大きいので、オーミュッツよりもさらに遠い場所まで行こうとなると、往復は難しいですわね」
移動速度自体馬よりも相当に速いし、路面状況に左右されないため、一定の速度を保てるのも大きい。ただ、難点は霊素の燃費が非常に悪いところだった。近場を高速で移動するのには向いている。だが、遠距離の移動には、途中の霊素の回復休憩なども含めれば、あまり効率がいいとは言えなかった。
「そうか、それは残念だね」
「ただ、こうして霊素消費の多い精霊術を積極的に使えば、わたくしの霊素の最大量もどんどんと増していくはずですわ。今後のためにも、わたくし自身の成長を図れるので、空のお散歩は今後も定期的に行いましょう」
燃費が悪いということは、それだけ、使えば使うほど精霊使いとしての熟練度が増しやすい。安全に精霊術関連の能力を伸ばすためには、飛行術はある意味で最適とも言えた。他の大規模精霊術で熟練度の成長を図ろうとすれば、突風やら洪水、大地震を引き起こしたりなどで、地形に悪影響を及ぼしかねない。
このまま定期的に飛行術を繰り返し、霊素が才能限界値近くまで伸びれば、今の倍の時間は飛んでいられるはずだった。そこまで飛べるようになれば、使い道も格段に増えるだろう。
「おー、それは楽しみだね」
「うふふ」
アリツェはドミニクの期待に応えられるように頑張ろうと、心に誓った。
「アリツェ、いるかい?」
「どうなさいましたの? ドミニク」
アリツェは天幕に入ってきたドミニクの全身をざっと眺めたが、昨日泡を噴いて倒れていた面影はない。ほっと胸をなでおろした。
「少し時間もできたし、ちょっと散歩をしないかな」
ドミニクはにこやかに微笑みながら、手で外を指し示した。
「それは素敵ですわね。喜んでご一緒させていただきますわ」
帝国軍が国境地帯から撤兵したわけではないが、再侵攻はまだないだろうとフェルディナントからは言われている。ストレスの溜まる戦争の中での、束の間の休息の時だった。であるならば、婚約者とともに息抜きをしていたところで、咎める者もいないはずだ。そもそも、アリツェがこの貴重な時間を作り出した最大の功労者なのだから。
「それでね、一つお願いがあるんだ」
ドミニクにしては珍しく、何やら少し気恥しそうなそぶりを見せている。
「何でございましょうか?」
アリツェは怪訝に思い、小首をひねった。
「空中散歩って、どうかな?」
「といいますと、精霊術でですの?」
ドミニクの言う『空中散歩』は、渓谷などにかかったつり橋を一緒に歩くなどといった話ではないはずだ。精霊術を用いての、文字どおりの空中散歩だろう。
「うん、ルゥだっけ? あの使い魔の精霊術で飛んだ奴さ」
やはり予想どおりの言葉が返ってきた。
「構いませんけれど、いったいなぜですの?」
切迫した状況でもなし、霊素を多少大目に消費しても特段問題はない。娯楽としての飛行術による空中散歩も、防寒対策さえしっかりしておけば、乙なものかもしれないとも思う。断る理由もなかった。
だが、ドミニクはなぜ突然、このような提案をしてきたのだろうか。先日の戦場での飛行術が、ドミニクのお気に召したのだろうか。
「今後の作戦でも、空からの急襲を行う場面があるかもしれないし、慣れておきたいんだ。で、どうせ慣らすなら楽しみながら、ね」
趣味と実益を兼ねた発案のようだった。
「わかりましたわ。では、お空のお散歩を楽しみましょう。国境方面は危険ですし、オーミュッツ方面に行きましょうか」
アリツェとしても、ドミニクを伴いながらの飛行訓練は望むところだった。申し出に乗って、今日は存分に羽を伸ばそうと決心した。
防寒用の外套を用意し、アリツェとドミニクは王国軍陣地を出てオーミュッツ方面に少し歩いた。
この日も雲一つない快晴だった。珍しく風もほとんど吹いていないため、かなり快適な空の旅ができそうだ。肌に突き刺さる冷たく乾いた風がないだけでも、体感温度は相当に変わってくる。まさに空中散歩日和と言えよう。冬真っただ中でそれほど景色を楽しめるわけではないが、普段見慣れない視点から周囲を眺めるのも悪くはないとアリツェは思う。
ある程度陣地から離れたところで、アリツェはルゥとペスに霊素を纏わせ、精霊具現化を施した。ルゥには風で飛行術を、ペスには火で防寒対策を行わせる。
アリツェの背に現れた白く半透明な翼がはためけば、ふわりと体が浮き始めた。ペスはすかさずアリツェの背嚢に収まり、ドミニクはアリツェの腰にしがみついた。
「うわっ、やはり上空は寒いねっ」
ドミニクの言うとおり、ある程度の高度にまで達すればかなり寒さが堪えた。風がない分、先日の対帝国軍戦での空中作戦よりはましであったが……。
「でもこうやって、アリツェのぬくもりをより一層感じられるのはうれしいなぁ」
ドミニクは甘えたような口調でつぶやく。
「もうっ、いつもバカなことをおっしゃって……。少し我慢なさってくださいませ。すぐにペスの火の精霊術で暖を取りますわ」
アリツェは苦笑を浮かべつつドミニクをたしなめ、すぐさま念話でペスに精霊術行使の指示を送った。
ペスから放たれた霊素により、アリツェとドミニクの周囲にぼんやりと赤い空気の膜ができ、急速に体感温度が上がっていった。やがて、快適な気温に達したところで安定する。
「こいつはいいね!」
ドミニクが感心したように声を上げた。
「ありがとうございますわ」
精霊術を褒められ、アリツェも自然と笑みがこぼれた。
「しかし、こうやって今後も空から戦うような機会があるのなら、ボクも自由に動けるような方法を何か見つけないとかな?」
アリツェの腰に抱き着いていなければ、ドミニクは落下してしまう。両手がふさがってしまうので、飛行状態でドミニクのできることといえば、アリツェの相談相手を務めるくらいしかない。
「もう一匹使い魔を操れるようになれば、ドミニクにも翼をつけて差し上げられると思うのですが……」
さらに別の使い魔を背嚢へ忍ばせ、風の精霊術を施し翼を生成できれば、ドミニクもある程度自由に行動がとれるようになるはずだった。
「それまではこうして、アリツェにしがみついているしかないか。役得だから、うれしいと言えばうれしいけれど」
おどけた調子でドミニクは笑った。
「うふふ、わたくしもうれしいですわ。だから、ドミニクが気に病む必要はございませんのよ」
アリツェもこうしてドミニクに抱きしめられているのは心地が良い。いつまでもこのままでいられたらいいなとも思う。なので、戦闘に直接参加をできないからといって、ドミニクに引け目を感じられても困る。
「そういってもらえると、すごく助かるよ」
ドミニクは安堵したような声で答えた。
おしゃべりをしつつ景色も楽しみながら、アリツェたちは二時間ほどの空の旅を満喫した。霊素残量が心許なくなってきたところで、眼前にオーミュッツの街が見えてくる。
「オーミュッツが見えてきましたわ。少し買い物をして、陣地に戻りましょうか」
アリツェはそう告げると、滑空しながら少しずつ高度を下げた。
「そうだね。それにしても、空の旅だとあっという間だね。馬よりも圧倒的に早いじゃないか」
予想以上の移動速度に、ドミニクは感服しているようだ。
「空ですと障害物もないですし、一直線に目的地に行けますから。ただ、霊素消費が大きいので、オーミュッツよりもさらに遠い場所まで行こうとなると、往復は難しいですわね」
移動速度自体馬よりも相当に速いし、路面状況に左右されないため、一定の速度を保てるのも大きい。ただ、難点は霊素の燃費が非常に悪いところだった。近場を高速で移動するのには向いている。だが、遠距離の移動には、途中の霊素の回復休憩なども含めれば、あまり効率がいいとは言えなかった。
「そうか、それは残念だね」
「ただ、こうして霊素消費の多い精霊術を積極的に使えば、わたくしの霊素の最大量もどんどんと増していくはずですわ。今後のためにも、わたくし自身の成長を図れるので、空のお散歩は今後も定期的に行いましょう」
燃費が悪いということは、それだけ、使えば使うほど精霊使いとしての熟練度が増しやすい。安全に精霊術関連の能力を伸ばすためには、飛行術はある意味で最適とも言えた。他の大規模精霊術で熟練度の成長を図ろうとすれば、突風やら洪水、大地震を引き起こしたりなどで、地形に悪影響を及ぼしかねない。
このまま定期的に飛行術を繰り返し、霊素が才能限界値近くまで伸びれば、今の倍の時間は飛んでいられるはずだった。そこまで飛べるようになれば、使い道も格段に増えるだろう。
「おー、それは楽しみだね」
「うふふ」
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