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第一話 妖精現る
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ひらひらのリボンに、フリフリのドレスを着た女の子が化け物と戦っている。女の子は必殺技みたいなのを出して化け物を倒したが、俺はその女の子のことを知っている気がする。いや、『知らないとおかしい』とまで思う。なぜだろうか。だってその女の子は……。
目覚ましのアラームうるさくが鳴る。これが夢だと気付いたのは少したってからだった。しかし、あと少しで女の子の正体が分かりそうだったのに……。いや、別に女の子の正体を知ったとして得などないか。そんなことをぼんやり考えながら俺は朝の支度をする。
俺の名前は松城京馬。いつかヒーローになる男だ!だが、この13年間一度も化け物にもあったことのない平凡な中学2年生だ。いつか絶対化け物を見つけて倒してやる!……うん!今日も主人公ぽい自己紹介できたな!
「今日はせっかくの日曜日だし、どっか出掛けようかな」
そう思い、俺はなんとなく公園に向かった。なぜか向かわないといけないと思った。理由は分からない。しいて言うなら、ヒーローの感ってやつ? 何か起きる気がして俺はルンルンと公園へ向かった。
いつもの公園とは何かが違う。そう直観で思った。周りを見渡しても誰もいない。いつもならたくさんの子供たちでにぎわっているのに。絶対何かある!多分、今の俺の顔はにやついているが、心配もしている。何が起こっているのか調査をするために公園を探索することにした。しかし、ここの公園はとても広い。芝生はあるわ、グラウンドはあるわで東京ドーム三個分はあるらしい。でも、どこに行っても人は見つからない。見つかったのは空飛ぶ妖精ぐらい。……ん?妖精?
目をこすってみる。目の前に妖精がいる。もう一度こすってみる。やっぱり妖精がいる。
「ちょっとあんた!」
「うわ、妖精がしゃべった!?」
「妖精だってしゃべるわよ!」
たしかに、アニメとかで喋らない妖精は見ないな。……いや!そこじゃなくて!
「なんで妖精がいるの!」
その言葉で妖精は何かを思い出したようで、
「あっそうだ!あたしを助けてほしいの!」と言ってきた。
「悪の手下があたしを殺そうとしてくるの!」
「悪の手下……」
そんなことを話していたら、化け物のような笑い声が聞こえた。
「き……来た!」
妖精はびくびくとおびえている。声の正体はとても人間とは言えない本当の化け物だった。
「これが、悪の手下……」
「ちょっと!ボーとしてないでにげるわよ!」
はっとした俺は妖精と一緒に全力で逃げる。逃げて逃げて逃げまくった。しかし、現実は甘くない。人間の体力は化け物には勝てない。サッカー部の俺でも体力が底に尽きてしまった。
すると、妖精は化け物の前に向かった。
「ちょっと!何やってんの!」
すると妖精は振り向きこう言った。
「あたしがバカだったんだよ。最初から人間を巻き込まなきゃよかった。そうすればあんたも苦労しなくて済んだのに」
まさか、自分を犠牲にして俺を助けようとしてくれるのか……? そんなことあっていいのか……? 助けを求めてきた人に助けられるのか……? そんなのはいやだ!俺はヒーローになるって決めたんだ!俺は残っている体力を振り絞り、化け物へ殴り掛かった。いや、殴り掛かろうとした瞬間俺と妖精は光に飲まれた。
目覚ましのアラームうるさくが鳴る。これが夢だと気付いたのは少したってからだった。しかし、あと少しで女の子の正体が分かりそうだったのに……。いや、別に女の子の正体を知ったとして得などないか。そんなことをぼんやり考えながら俺は朝の支度をする。
俺の名前は松城京馬。いつかヒーローになる男だ!だが、この13年間一度も化け物にもあったことのない平凡な中学2年生だ。いつか絶対化け物を見つけて倒してやる!……うん!今日も主人公ぽい自己紹介できたな!
「今日はせっかくの日曜日だし、どっか出掛けようかな」
そう思い、俺はなんとなく公園に向かった。なぜか向かわないといけないと思った。理由は分からない。しいて言うなら、ヒーローの感ってやつ? 何か起きる気がして俺はルンルンと公園へ向かった。
いつもの公園とは何かが違う。そう直観で思った。周りを見渡しても誰もいない。いつもならたくさんの子供たちでにぎわっているのに。絶対何かある!多分、今の俺の顔はにやついているが、心配もしている。何が起こっているのか調査をするために公園を探索することにした。しかし、ここの公園はとても広い。芝生はあるわ、グラウンドはあるわで東京ドーム三個分はあるらしい。でも、どこに行っても人は見つからない。見つかったのは空飛ぶ妖精ぐらい。……ん?妖精?
目をこすってみる。目の前に妖精がいる。もう一度こすってみる。やっぱり妖精がいる。
「ちょっとあんた!」
「うわ、妖精がしゃべった!?」
「妖精だってしゃべるわよ!」
たしかに、アニメとかで喋らない妖精は見ないな。……いや!そこじゃなくて!
「なんで妖精がいるの!」
その言葉で妖精は何かを思い出したようで、
「あっそうだ!あたしを助けてほしいの!」と言ってきた。
「悪の手下があたしを殺そうとしてくるの!」
「悪の手下……」
そんなことを話していたら、化け物のような笑い声が聞こえた。
「き……来た!」
妖精はびくびくとおびえている。声の正体はとても人間とは言えない本当の化け物だった。
「これが、悪の手下……」
「ちょっと!ボーとしてないでにげるわよ!」
はっとした俺は妖精と一緒に全力で逃げる。逃げて逃げて逃げまくった。しかし、現実は甘くない。人間の体力は化け物には勝てない。サッカー部の俺でも体力が底に尽きてしまった。
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「ちょっと!何やってんの!」
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まさか、自分を犠牲にして俺を助けようとしてくれるのか……? そんなことあっていいのか……? 助けを求めてきた人に助けられるのか……? そんなのはいやだ!俺はヒーローになるって決めたんだ!俺は残っている体力を振り絞り、化け物へ殴り掛かった。いや、殴り掛かろうとした瞬間俺と妖精は光に飲まれた。
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