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「リズ!!」
厭わしい行為は終わり貴方へ跨っておられたキャサリン王女を除ければ一糸纏わぬ姿のまま貴方は私の許へと来て下さいました。
「――――触らないで下さいませ!!」
私は散々頼りないと思っていた夜着で口元を隠せば、私へ近づき触れようとする貴方へはっきりとした拒絶の意思を示しました。
そう、その汚らわしい姿で、その汚れきった手で私へ触れないでくれと――――。
「リ……ズ」
やめて下さい!!
その様に心より傷ついた様な視線で私を見つめるのもっっ。
今にも泣き出しそうな表情をするのもっっ。
力なく身体を丸めたまま項垂れる姿もです!!
「あ、貴方が傷つくよりも私のっっ⁉」
「済まない。許してくれとは口が裂けても言えない。だがこれだけは――――」
「何も言わないで下さいませ!! そしてこれ以上何も口にしないで下さいませ!!」
言い訳なんて何も聞きたくはないのです!!
ええ本当に何も聞きたくはないのです!!
済まない?
許してくれとは言わない?
それ以上に何を仰りたいと言うのですか!!
わかっておりましたわ。
承知しておりましたもの貴方と妹であられるキャサリン王女との関係を。
だからこそ私は貴方の妻にはなれないとわかったからこそ身を引こうとっ、これ以上傷つけられない為にもそして気づ付けられない様に貴方方と距離を置こうとあの日そう思い立ったと言うのにっっ。
「ど、どうしてこの様な事……あの日に戻る事が出来ればどれ程〰〰〰〰⁉」
今更後悔をしても仕方がないと思う。
それでも後悔をせずにはいられない。
何故?
どうして?
この二つの言葉が私の頭を、心を何処までも支配していく時だった。
「用がなければさっさと部屋から出て行きなさい。今宵はエセルの初夜と言う特別な夜なのよ」
「やめろキャシー!!」
キャサリン王女も一糸纏わぬ……この兄妹は人前で裸体を晒す趣味があるのかと、何気に私はそう思いました。
逞しい体躯の貴方の身体へ豊満で美しい曲線美を誇る様にご自身の身体を貴方の身体へと押し付け私へ見せつけるのです。
まるで嫉妬させるようにも思いましたが、先程のキラキラで残っていただろう貴方への気持ちは全て吐き出した心算だったのです。
ですので私は目を逸らす事無くお二人をキッと睨みつければ、多分想像でしかないのですがキャサリン王女は気に障られたのでしょう。
その瞬間表情を険しくすれば大きな声で笑われましたの。
「ほほほ、エセルはね貴女のものではないのよ。もうずっと前から――――」
「存じておりますわ」
ええ知っていたからこその婚約破棄を願い出たのですもの。
しかしそれが益々王女には気に障られたご様子で……。
「ふん、エセルの正妃になったからと言っていい気にならない事ね!! 私がリドゲート公爵家へ降嫁したとは言えよ。私がエセルの子を孕むまで、いいえ子を産んだ後もエセルの心と身体は生涯私だけのもの!!」
「キャシーやめろ!!」
「いいえっ、誰であろうとも私とエセルを離す事なんて出来やしないわ。譬え神であろうとも……ね!!
だから人間の、ただの女であるお前にエセルを自由にはさせはしない!! 正妃になったからと言っていい気にならない事ね!!」
「やめてくれキャシー、もうこれ以上俺とリズの間を壊すんじゃない!!」
狂った様に嫣然と微笑みながら王女は――――と申しますか一体何時の間にご降嫁なされたのでしょう。
いいえ今はそれに関してはどうでもいいのです。
ただ鬼気迫った面持ちで一人悦に入った様にお話をされるキャサリン様のご様子は正直に申しまして恐ろしいものを感じました。
それと同時にキャサリン様と子を生し、生してからも関係を迫られると言われた貴方の絶望に満ちた表情も初めて拝見しましたわね。
何故なら私の前では何時も年上の余裕と言うものなのでしょうか。
この八年間何時も決まりきった対応でしたけれどもです。
貴方の表情はとても穏やかで好ましかったのです。
この様な事がなければきっと私達は幸せな夫婦となっていたでしょうね。
厭わしい行為は終わり貴方へ跨っておられたキャサリン王女を除ければ一糸纏わぬ姿のまま貴方は私の許へと来て下さいました。
「――――触らないで下さいませ!!」
私は散々頼りないと思っていた夜着で口元を隠せば、私へ近づき触れようとする貴方へはっきりとした拒絶の意思を示しました。
そう、その汚らわしい姿で、その汚れきった手で私へ触れないでくれと――――。
「リ……ズ」
やめて下さい!!
その様に心より傷ついた様な視線で私を見つめるのもっっ。
今にも泣き出しそうな表情をするのもっっ。
力なく身体を丸めたまま項垂れる姿もです!!
「あ、貴方が傷つくよりも私のっっ⁉」
「済まない。許してくれとは口が裂けても言えない。だがこれだけは――――」
「何も言わないで下さいませ!! そしてこれ以上何も口にしないで下さいませ!!」
言い訳なんて何も聞きたくはないのです!!
ええ本当に何も聞きたくはないのです!!
済まない?
許してくれとは言わない?
それ以上に何を仰りたいと言うのですか!!
わかっておりましたわ。
承知しておりましたもの貴方と妹であられるキャサリン王女との関係を。
だからこそ私は貴方の妻にはなれないとわかったからこそ身を引こうとっ、これ以上傷つけられない為にもそして気づ付けられない様に貴方方と距離を置こうとあの日そう思い立ったと言うのにっっ。
「ど、どうしてこの様な事……あの日に戻る事が出来ればどれ程〰〰〰〰⁉」
今更後悔をしても仕方がないと思う。
それでも後悔をせずにはいられない。
何故?
どうして?
この二つの言葉が私の頭を、心を何処までも支配していく時だった。
「用がなければさっさと部屋から出て行きなさい。今宵はエセルの初夜と言う特別な夜なのよ」
「やめろキャシー!!」
キャサリン王女も一糸纏わぬ……この兄妹は人前で裸体を晒す趣味があるのかと、何気に私はそう思いました。
逞しい体躯の貴方の身体へ豊満で美しい曲線美を誇る様にご自身の身体を貴方の身体へと押し付け私へ見せつけるのです。
まるで嫉妬させるようにも思いましたが、先程のキラキラで残っていただろう貴方への気持ちは全て吐き出した心算だったのです。
ですので私は目を逸らす事無くお二人をキッと睨みつければ、多分想像でしかないのですがキャサリン王女は気に障られたのでしょう。
その瞬間表情を険しくすれば大きな声で笑われましたの。
「ほほほ、エセルはね貴女のものではないのよ。もうずっと前から――――」
「存じておりますわ」
ええ知っていたからこその婚約破棄を願い出たのですもの。
しかしそれが益々王女には気に障られたご様子で……。
「ふん、エセルの正妃になったからと言っていい気にならない事ね!! 私がリドゲート公爵家へ降嫁したとは言えよ。私がエセルの子を孕むまで、いいえ子を産んだ後もエセルの心と身体は生涯私だけのもの!!」
「キャシーやめろ!!」
「いいえっ、誰であろうとも私とエセルを離す事なんて出来やしないわ。譬え神であろうとも……ね!!
だから人間の、ただの女であるお前にエセルを自由にはさせはしない!! 正妃になったからと言っていい気にならない事ね!!」
「やめてくれキャシー、もうこれ以上俺とリズの間を壊すんじゃない!!」
狂った様に嫣然と微笑みながら王女は――――と申しますか一体何時の間にご降嫁なされたのでしょう。
いいえ今はそれに関してはどうでもいいのです。
ただ鬼気迫った面持ちで一人悦に入った様にお話をされるキャサリン様のご様子は正直に申しまして恐ろしいものを感じました。
それと同時にキャサリン様と子を生し、生してからも関係を迫られると言われた貴方の絶望に満ちた表情も初めて拝見しましたわね。
何故なら私の前では何時も年上の余裕と言うものなのでしょうか。
この八年間何時も決まりきった対応でしたけれどもです。
貴方の表情はとても穏やかで好ましかったのです。
この様な事がなければきっと私達は幸せな夫婦となっていたでしょうね。
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