49 / 140
第三章 別離
2 Sideジーク
しおりを挟む
地上へと、俺の身体は勿論先に身を投げたであろうエルネスティーネの身体が真っ逆さまへと堕ちていく。
何でもいい!!
使えるモノならば何も躊躇いはしない。
俺の命を差し出す事でエルが助かるのであらば俺は喜んでこの命を差し出そう。
頼む!!
どうか俺の天使を助けてくれぇぇえええええええええええ!!
死ぬな!!
何があろうとも死なないでくれ。
エルっ、お願いだから……。
「絶対に死なせない!!」
少しでも、ほんの少しでもいいからエルへ、彼女の傍へ辿り着きたいとただそれだけを強く想い願った。
貴女を助けられるならば俺の命や身体等どうなってもいい。
誰よりも何よりもエルを、エルだけを助けたい!!
その想いが通じたのかは今の俺にはわからない。
ただあの白雪の様に真っ白で、マシュマロの様に柔らかな肌へ一つの傷もつけたくはない。
咄嗟に浮遊魔法からの重防御結界を展開させる。
当然身体強化も忘れはしない。
だが俺は騎士であって魔法師ではない。
魔法は貴族故に使う事は出来るのだが、如何せん今この状況下で全く意味をなさない氷属性が俺の得意とする魔法。
戦いにおいて身体強化は必要に駆られ行使するのには問題ない。
とは言え大前提に俺の様な屈強な騎士専用の魔法なのである。
可憐で、ほんの少し力を加えれば簡単に壊れ兼ねない華奢なエルの柔らかな身体にだ。
果たして俺の魔法強化は苦痛にはならないだろうか。
本来ならばもっと慎重に万全を期し、彼女の身体に見合った強化魔法をかけてやりたい。
しかしこの状況ではそうも言ってはいられまい。
そんな緊迫した状況で一つの奇跡が起こったのだ。
先に身を投げ地上へ向かって堕ちていた筈のエルだ。
何故なのか理由は全くわからない。
離れていた筈のエルがこの瞬間確実に俺の腕の中にいたのである!!
この奇跡に俺は歓喜した。
それと同時に此度こそ俺は、俺の願いは叶うのかもしれないと希望を抱く。
柔らかなも温かい、甘い匂いに包まれるエルの、エルネスティーネの身体を抱き俺は、俺達は眩い光に包まれていく。
不思議とその光に恐怖や怖れと言ったものは抱かない。
ただ穏やかに、安らかに俺達は光に包まれる。
まるで母の胎内で眠る赤子の様に……。
何でもいい!!
使えるモノならば何も躊躇いはしない。
俺の命を差し出す事でエルが助かるのであらば俺は喜んでこの命を差し出そう。
頼む!!
どうか俺の天使を助けてくれぇぇえええええええええええ!!
死ぬな!!
何があろうとも死なないでくれ。
エルっ、お願いだから……。
「絶対に死なせない!!」
少しでも、ほんの少しでもいいからエルへ、彼女の傍へ辿り着きたいとただそれだけを強く想い願った。
貴女を助けられるならば俺の命や身体等どうなってもいい。
誰よりも何よりもエルを、エルだけを助けたい!!
その想いが通じたのかは今の俺にはわからない。
ただあの白雪の様に真っ白で、マシュマロの様に柔らかな肌へ一つの傷もつけたくはない。
咄嗟に浮遊魔法からの重防御結界を展開させる。
当然身体強化も忘れはしない。
だが俺は騎士であって魔法師ではない。
魔法は貴族故に使う事は出来るのだが、如何せん今この状況下で全く意味をなさない氷属性が俺の得意とする魔法。
戦いにおいて身体強化は必要に駆られ行使するのには問題ない。
とは言え大前提に俺の様な屈強な騎士専用の魔法なのである。
可憐で、ほんの少し力を加えれば簡単に壊れ兼ねない華奢なエルの柔らかな身体にだ。
果たして俺の魔法強化は苦痛にはならないだろうか。
本来ならばもっと慎重に万全を期し、彼女の身体に見合った強化魔法をかけてやりたい。
しかしこの状況ではそうも言ってはいられまい。
そんな緊迫した状況で一つの奇跡が起こったのだ。
先に身を投げ地上へ向かって堕ちていた筈のエルだ。
何故なのか理由は全くわからない。
離れていた筈のエルがこの瞬間確実に俺の腕の中にいたのである!!
この奇跡に俺は歓喜した。
それと同時に此度こそ俺は、俺の願いは叶うのかもしれないと希望を抱く。
柔らかなも温かい、甘い匂いに包まれるエルの、エルネスティーネの身体を抱き俺は、俺達は眩い光に包まれていく。
不思議とその光に恐怖や怖れと言ったものは抱かない。
ただ穏やかに、安らかに俺達は光に包まれる。
まるで母の胎内で眠る赤子の様に……。
82
お気に入りに追加
2,688
あなたにおすすめの小説
【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った
Mimi
恋愛
声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。
わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。
今日まで身近だったふたりは。
今日から一番遠いふたりになった。
*****
伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。
徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。
シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。
お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……
* 無自覚の上から目線
* 幼馴染みという特別感
* 失くしてからの後悔
幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。
中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。
本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。
ご了承下さいませ。
他サイトにも公開中です
妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます
冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。
そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。
しかも相手は妹のレナ。
最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。
夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。
最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。
それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。
「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」
確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。
言われるがままに、隣国へ向かった私。
その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。
ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。
※ざまぁパートは第16話〜です
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
旦那様、離縁の申し出承りますわ
ブラウン
恋愛
「すまない、私はクララと生涯を共に生きていきたい。離縁してくれ」
大富豪 伯爵令嬢のケイトリン。
領地が災害に遭い、若くして侯爵当主なったロイドを幼少の頃より思いを寄せていたケイトリン。ロイド様を助けるため、性急な結婚を敢行。その為、旦那様は平民の女性に癒しを求めてしまった。この国はルメニエール信仰。一夫一妻。婚姻前の男女の行為禁止、婚姻中の不貞行為禁止の厳しい規律がある。旦那様は平民の女性と結婚したいがため、ケイトリンンに離縁を申し出てきた。
旦那様を愛しているがため、旦那様の領地のために、身を粉にして働いてきたケイトリン。
その後、階段から足を踏み外し、前世の記憶を思い出した私。
離縁に応じましょう!未練なし!どうぞ愛する方と結婚し末永くお幸せに!
*女性軽視の言葉が一部あります(すみません)
真実の愛は素晴らしい、そう仰ったのはあなたですよ元旦那様?
わらびもち
恋愛
王女様と結婚したいからと私に離婚を迫る旦那様。
分かりました、お望み通り離婚してさしあげます。
真実の愛を選んだ貴方の未来は明るくありませんけど、精々頑張ってくださいませ。
2度目の人生は好きにやらせていただきます
みおな
恋愛
公爵令嬢アリスティアは、婚約者であるエリックに学園の卒業パーティーで冤罪で婚約破棄を言い渡され、そのまま処刑された。
そして目覚めた時、アリスティアは学園入学前に戻っていた。
今度こそは幸せになりたいと、アリスティアは婚約回避を目指すことにする。
理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました
ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。
このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。
そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。
ーーーー
若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。
作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。
完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。
第一章 無計画な婚約破棄
第二章 無計画な白い結婚
第三章 無計画な告白
第四章 無計画なプロポーズ
第五章 無計画な真実の愛
エピローグ
さよなら、皆さん。今宵、私はここを出ていきます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【復讐の為、今夜私は偽の家族と婚約者に別れを告げる―】
私は伯爵令嬢フィーネ・アドラー。優しい両親と18歳になったら結婚する予定の婚約者がいた。しかし、幸せな生活は両親の突然の死により、もろくも崩れ去る。私の後見人になると言って城に上がり込んできた叔父夫婦とその娘。私は彼らによって全てを奪われてしまった。愛する婚約者までも。
もうこれ以上は限界だった。復讐する為、私は今夜皆に別れを告げる決意をした―。
※マークは残酷シーン有り
※(他サイトでも投稿中)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる