【改稿版】旦那様、どうやら御子がおデキになられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉ 

Hinaki

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第二章  五日後に何かが起こる?

【12】

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「う゛ぅ゛、な、何で今日はこんなにも身体が辛いの〰〰〰〰っ⁉」


 昼近くになって漸く目覚める事の出来たヴィヴィアンは未だ寝台より出る事が叶わない。
 昨夜、いやいや朝方までしっかりと隅から隅まで自身の身体を夫によって貪られた記憶なんてものは一切なく、ただ彼女が理解出来た事と言えば、全身より発する悲鳴とも取れる様な軋みと秘所に残る異物感。

「やはりこれは何かの病なのっ⁉」

 貪られた記憶のないヴィヴィアンは寝台の中でダンゴムシの様に丸く、悶々と頭を抱え込めば悩まなくてもいい問題をこれまた真剣に悩んでいる。

 まさか夜な夜な夫に何度も抱き潰されているとは夢にも思ってはいない。
 
 ヴィヴィアン自身の記憶にある夫婦の営みの中での夫は、本当に物語の王子様そのものと言えるくらいにとても紳士的且つこれ以上ない程に優しく彼女を愛してくれていた。また時折激しく求められる事はあったとしてもそれは本当に数える程。
 そうして常にリーヴァイはヴィヴィアンへの思いやりを以って接していたからこそ、また結婚へ至るまでに男性経験皆無+真面な恋愛経験0レベルの彼女にそれを素早く理解しろとは流石に誰も言えやしないだろう。

 社交界において、いや何処の世界でも女性が複数集まれば色々と男女の話が出るものであり、当然ヴィヴィアンもそちら方面の話を聞いていたし閨に関しての情報はそれなりに知ってもいた。
 まぁそこは人間四十年も生きていれば色々と自然に知るものであるがしかしである。それは譬えるならば机上の空論と言うモノであり、実際にヴィヴィアン自身がそれら全てを体験をしたかと言えば答えは否――――である。

 恋愛小説も年を重ねる毎に色々と読み漁ってはいたけれどもだ。
 だが恋愛小説も肝心な部分はぼかして書き記されている故に、リーヴァイと夫婦となり初めてそのぼかした部分を彼女は身を以って理解したのである。

 この五年の夫婦生活こそがヴィヴィアンの性に関しての実体験に基づいて知る全てであり真実。

 とは言えこうして気怠いを通り越し最早重怠い身体のまま、だらだらと日がな一日寝台の中で過ごす事は出来ないしまた許されはしない。
 それに今日はヴィヴィアンにとって色々とアクティブに動かねばならない貴重な一日でもある。
 
 そう時間は無限ではなく有限なのだ。
 こうしている間にも刻一刻と時は確実に過ぎていく。

「そうよ何時までも寝ていてはダメよヴィヴィアン。今日はとても大事な日なのだから……」

 両手で気合を入れるべく自身の頬を軽く叩く。

「気合注入完了――――っと!!」

 その言葉を発すとれば『よいしょ』と小さな掛け声と共に重怠い身体をゆっくりと起こしたのだった。
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