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第二章 五日後に何かが起こる?
【11】
しおりを挟む夕方遅く慰問より戻ったヴィヴィアンは夕食を摂り小休憩後に入浴を終え、そうして今ナタリーより運ばれてきた果実水をちびちびと飲んでいた。
因みにこの果実水を飲み始めてかれこれ今年で五年になる。
これはリーヴァイがヴィヴィアンへの愛の為にと作られたオリジナルの果実水らしい。それはレシピを考案したリーヴァイの緋色の瞳の色と良く似た不思議な味の果実水。
「ベースは苺? んー桃も入っているの……よね?」
一口含めば口内へ最初に広がるのは甘酸っぱい苺。次に彼女の可愛らしいとろりと舌へ絡みつくのは濃厚な甘さと華やかで上品な香りは白桃……だろうか。
主となるこの二つが絶妙なバランスで、おまけに後味がさっぱりする様に炭酸水で割ってあるから就寝前でも比較的飲み易い。
ただ不思議とこれを飲んだ後は何時も朝までの記憶がないのが唯一の難点だったりする。
「本当に変よね。幾ら飲み慣れ幾らているとは言って……も、っく、っぃっく、ふふほぉら、目の前が直ぐにくるんくるんと回って、ほ、本当に……こ、これももう飲み納めっく、何だ……からっ、さよーならりぃう゛ぃ、っく……」
「何故さようならなのヴィー」
「っく、ひっく、りぃう゛ぃなんかには教えないもん!! いーだっ。ふふ、れもそうなのれすよぉ。だってわぁたぁしぃはっ、これからぁ、大空を自由に飛んでいる鳥さんになるっくぅ……」
ソファーでポツンと一人座っているヴィヴィアンをそっと背後より抱き締めると、リーヴァイは態と彼女の耳朶へ自身の薄い唇を這わせながら伝わる熱と共にそっと優しく、甘く囁いてきた。
低音の色香を孕んだ男性的な声音だけでも相当な凶器となるのにも拘らず、またそこがヴィヴィアンのウィークポイントになる事も併せ、彼の十分理解した上での行動に彼女は次第に翻弄され始めていく。
「ねぇヴィーは夫である僕に隠し事が出来るとでも思っているの?」
「あ、んンっ、ぃやああ……だ、ダメっ、リーヴィ……そ、そこっ、ダメだ……からっ⁉」
ねっとりと分厚くも熱い舌でヴィヴィアンの耳の奥までぐりぐりと抉る様に、またじっとりと時間を掛けて舐め上げられていく度に、彼女は彼の腕の中でビクンビクンと身体を魚の様に跳ねさせる。
「早く内緒事を話してくれないと僕はもっと貴女に酷い事をしてしまうよ」
「や、っあ、んひゃっ、や、も、もうっ、や、やぁああああああ!!」
何時の間にかリーヴァイはソファーへと座り自身の膝の上にヴィヴィアンを座らせればである。口で彼女の可愛らしい耳を、ごつごつとした指は彼女の大事な場所を執拗に攻め立てれるとものの数分でヴィヴィアンは上体を大きく仰け反らせると同時に高みへと昇り詰めていった。
そうしてくたりと、全身の力が抜けたヴィヴィアンはリーヴァイの逞しい胸の中ではあはあと荒い呼吸を繰り返している。
ヴィヴィアンの頭と言わず全身は既に熱くなり、意識はぼんやりと霞が掛かった状態なのにそれでもリーヴァイは尚も彼女を、今度は優しく寝台まで運んだかと思えば彼女の夜着をさらりと慣れた手つきで剥ぎ取れば、泣いて懇願しようが関係なく何度も何度も柔らかくも蕩けきった胎内を思うままに蹂躙していく。
愛しいヴィヴィアンが何度意識を飛ばそうとも関係なくリーヴァイの行為は猛獣が新鮮な肉を骨まで綺麗に、そう肉片一つ残さず綺麗に貪り喰い尽す様であった。
「ねぇヴィーが何を企んでいるのかを素直に話してくれればここまで……いやきっと素直に話してくれても結果は同じだよね。何故なら僕にとって貴女は運命の半身なんてその様な軽い存在ではないのだから……」
何度ヴィヴィアンの中へ欲望を解放したのだろう。
数時間後空が徐々に白んでくる頃リーヴァイの激愛により意識を手放した彼女は、今夫によって何時もの様に浴室で身体を綺麗に清めていく。
広い浴槽の中でぷかりと浮くのはヴィヴァンの円みのある大きくも雪の様に真っ白な二つの乳房。
その頂には40歳には到底思えない桜色の小さくもきゅっと尖った愛らしい飾り。
それを見ただけでリーヴァイがまたも欲情するには十分過ぎるもの。
「実に離れ難いが面倒事を片付ける方を優先させなければ……ね。僕のヴィーを悲しませる屑は、この僕自身の手で一切を塵へと帰させなければならないからね。その後でヴィー、貴女の身体だけではなくその美しい心の隅々までも僕なしでは絶対生きていけない様に、今度こそじっくりと時間を掛けて教えてあげるよ。だからそれまでの間は出来れば大人しくしてくれるといいのだけれどね。でも万が一貴女が僕の忠告を無視した暁にはわかっている? 僕は残念ながら聖人君子でもましてや聖職者でもないからね。その際には優しく貴女を愛してあげられるかは……わからないよ」
くつくつと実に愉し気に喉の奥でリーヴァイは嗤う。
でもその全ては寝台で穏やかな?
いやいやかなり疲れ切った表情で眠るのではなく、完全に意識を失ったヴィヴィアンの耳には一切届く事はない。
「愛しているよ僕のただ一人のヴィー……」
そっとヴィヴィアンの唇へ口づけを落とせば、リーヴァイは後ろ髪を引かれながらもまた何処かへと姿を消したのであった。
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