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学園編 シャルロット13歳でも大人
はた迷惑なやんちゃ王子認定
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四人の目の前に立つのは見知らぬ男子生徒。
マリウス達と同じ位背が高く、スラリとしたスタイルの良い男子生徒だ。
アッシュグレーの髪に深い藍色の瞳をした男子生徒は、マリウス達とは違う種類の美形だった。
自信に満ち溢れている表情は少し生意気そうで、そこがまた彼の魅力でもあった。
男子生徒の首に締めたネクタイの色はピンクである。
「あの、すみません」
男子生徒はマリウス達の目の前で、堂々とシャルロットに話しかけた。どうやらざわつきの原因はその男子生徒らしく、あの王太子の前でシャルロットに話しかけようとした無謀さへのざわつきだった様た。
「?はい、私でしょうか?」
ぱちくりっ。と音がしそうな不思議そうな表情で、シャルロットはその男子生徒を見つめる。
「「「………………」」」
マリウス達は警戒しながらも、とりあえず目の前の男子生徒の出方を待つ。
「コレ落としましたよ、貴女のですよね?」
そう言って手を出して来た男子生徒が持っていたのは精緻なレースで縁どられたハンカチだった。
「あっ……はい私のですわ、わざわざ拾って頂きありがとうございました」
ぺこっと頭を下げお礼を言うと、にっこりと純粋無垢なシャルロットの最強微笑みを男子生徒に向ける。男子生徒がその微笑みに固まっていると
男子生徒からハンカチを受け取ろうとシャルロットが手を伸ばした時、その前にマリウスの手がハンカチを掴んだ。
「ありがとう、僕の大切な婚約者のハンカチを拾ってくれて」
そう言うと、マリウスはにっこりと妖艶な悪魔の微笑みを浮かべた。
「…………いえ、」
「はいシャーリー、もう落とさないよう気をつけるんだよ」
「はいマリ様」
マリウスは手に持ったハンカチをシャルロットに渡してあげる。微笑み合う二人のやりとりを男子生徒は黙って見つめていた。
____________________
シャルロット達は男子生徒と別れてから、初中等部の校舎に併設されたカフェやラウンジ、個室レストランなどが入ったエリアに来ていた。
「凄いわ……校舎もとっても美しくて大きかったですけど、カフェもレストランも沢山あるのですね……どれもとっても広いですわ」
目を輝かせてはしゃぐシャルロットにマリウス達は暖かい微笑みを浮かべた。
ずっと箱入り娘で育って来たのであまり世間の色々なものを見てこなかったシャルロットだから、一つ一つの反応が可愛いくてならない。
「ふふ、そうだろう?この学園は生徒数に対して規模が大き過ぎるからね。ここのレストランやカフェに初中等部の生徒全員入っても、満員になって席が無い何て事は無いよ。この一階の飲食エリアはいつでも開いてるから、授業以外の好きな時に使うといいよ。まぁ授業中でも開いてるし来ていいんだけどね」
「えっ?授業中に来て良いのですか?」
「まぁ、良いっていうか、許されるかな。自信のある授業は一部欠席する事も許されるんだ。勿論全部の授業に出た方がいいけど……分かってるなら時間を無駄にしちゃうからね」
マリウスの言葉にエリオットがかぶせる。
「主にマリウスや僕達はこのしくみを使って上にある王族専用ラウンジで個々のしたい勉強をしてるんだ。兄さんも高等部の王族専用ラウンジで一人寂しく勉強してるよ。今度シャーリーも王族専用のラウンジに連れてってあげるから、シャーリーも好きな時にくつろぎに来るといいよ」
エリオットの発言の中で一人寂しくが引っかかったクラウスだったがそこは黙っておいた。
シャルロット達は話しながら誰もいないカフェに入ると、マリウス達が時間になるまで少しだけお茶する事にした。
「あのっエリー兄様……王族専用なのにお兄様達は自由に使っても良いのですか?」
「ん?良いんだよ僕達は。はた迷惑なやんちゃ王太子の世話してるし、実際僕達も先祖に王族の血いくつも入ってるから、ほぼ王族みたいなもんだし。でも僕達以外は使えないけど」
「おい、エリオット。誰がはた迷惑でやんちゃだって?」
「マリウスしかいないだろ」
「殿下しかいないですから」
「…………お前ら兄弟マジで遠慮無い奴らだな」
マリウスの反論を零点何秒の域で即答して返す兄弟だった。
「ごめんなさいマリ様……」
けれどシャルロットもクラウス達と兄弟だった。
「違う違う!シャーリーの事は言って無いからね。あそこの失礼な二人組の事だから!」
焦るマリウスにはははと笑ってる幼なじみ達を、マリウス大魔王はギロッ!!っと渾身の一睨みをした。
「「…………」」
「ふん!……さ、シャーリーお膝においで。一緒にシフォンケーキを食べよう。ここのカフェのシフォンケーキは美味しいよ、シャーリーシフォンケーキだいすきだろう?」
「はい!シフォンケーキ大好きですわ、マリ様一緒にいただきます」
うるさい幼なじみ兄弟をひと睨みで黙らせた大魔王は、この後のひと時の幸せな時間を堪能したらしい。
______________________
マリウス達と同じ位背が高く、スラリとしたスタイルの良い男子生徒だ。
アッシュグレーの髪に深い藍色の瞳をした男子生徒は、マリウス達とは違う種類の美形だった。
自信に満ち溢れている表情は少し生意気そうで、そこがまた彼の魅力でもあった。
男子生徒の首に締めたネクタイの色はピンクである。
「あの、すみません」
男子生徒はマリウス達の目の前で、堂々とシャルロットに話しかけた。どうやらざわつきの原因はその男子生徒らしく、あの王太子の前でシャルロットに話しかけようとした無謀さへのざわつきだった様た。
「?はい、私でしょうか?」
ぱちくりっ。と音がしそうな不思議そうな表情で、シャルロットはその男子生徒を見つめる。
「「「………………」」」
マリウス達は警戒しながらも、とりあえず目の前の男子生徒の出方を待つ。
「コレ落としましたよ、貴女のですよね?」
そう言って手を出して来た男子生徒が持っていたのは精緻なレースで縁どられたハンカチだった。
「あっ……はい私のですわ、わざわざ拾って頂きありがとうございました」
ぺこっと頭を下げお礼を言うと、にっこりと純粋無垢なシャルロットの最強微笑みを男子生徒に向ける。男子生徒がその微笑みに固まっていると
男子生徒からハンカチを受け取ろうとシャルロットが手を伸ばした時、その前にマリウスの手がハンカチを掴んだ。
「ありがとう、僕の大切な婚約者のハンカチを拾ってくれて」
そう言うと、マリウスはにっこりと妖艶な悪魔の微笑みを浮かべた。
「…………いえ、」
「はいシャーリー、もう落とさないよう気をつけるんだよ」
「はいマリ様」
マリウスは手に持ったハンカチをシャルロットに渡してあげる。微笑み合う二人のやりとりを男子生徒は黙って見つめていた。
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シャルロット達は男子生徒と別れてから、初中等部の校舎に併設されたカフェやラウンジ、個室レストランなどが入ったエリアに来ていた。
「凄いわ……校舎もとっても美しくて大きかったですけど、カフェもレストランも沢山あるのですね……どれもとっても広いですわ」
目を輝かせてはしゃぐシャルロットにマリウス達は暖かい微笑みを浮かべた。
ずっと箱入り娘で育って来たのであまり世間の色々なものを見てこなかったシャルロットだから、一つ一つの反応が可愛いくてならない。
「ふふ、そうだろう?この学園は生徒数に対して規模が大き過ぎるからね。ここのレストランやカフェに初中等部の生徒全員入っても、満員になって席が無い何て事は無いよ。この一階の飲食エリアはいつでも開いてるから、授業以外の好きな時に使うといいよ。まぁ授業中でも開いてるし来ていいんだけどね」
「えっ?授業中に来て良いのですか?」
「まぁ、良いっていうか、許されるかな。自信のある授業は一部欠席する事も許されるんだ。勿論全部の授業に出た方がいいけど……分かってるなら時間を無駄にしちゃうからね」
マリウスの言葉にエリオットがかぶせる。
「主にマリウスや僕達はこのしくみを使って上にある王族専用ラウンジで個々のしたい勉強をしてるんだ。兄さんも高等部の王族専用ラウンジで一人寂しく勉強してるよ。今度シャーリーも王族専用のラウンジに連れてってあげるから、シャーリーも好きな時にくつろぎに来るといいよ」
エリオットの発言の中で一人寂しくが引っかかったクラウスだったがそこは黙っておいた。
シャルロット達は話しながら誰もいないカフェに入ると、マリウス達が時間になるまで少しだけお茶する事にした。
「あのっエリー兄様……王族専用なのにお兄様達は自由に使っても良いのですか?」
「ん?良いんだよ僕達は。はた迷惑なやんちゃ王太子の世話してるし、実際僕達も先祖に王族の血いくつも入ってるから、ほぼ王族みたいなもんだし。でも僕達以外は使えないけど」
「おい、エリオット。誰がはた迷惑でやんちゃだって?」
「マリウスしかいないだろ」
「殿下しかいないですから」
「…………お前ら兄弟マジで遠慮無い奴らだな」
マリウスの反論を零点何秒の域で即答して返す兄弟だった。
「ごめんなさいマリ様……」
けれどシャルロットもクラウス達と兄弟だった。
「違う違う!シャーリーの事は言って無いからね。あそこの失礼な二人組の事だから!」
焦るマリウスにはははと笑ってる幼なじみ達を、マリウス大魔王はギロッ!!っと渾身の一睨みをした。
「「…………」」
「ふん!……さ、シャーリーお膝においで。一緒にシフォンケーキを食べよう。ここのカフェのシフォンケーキは美味しいよ、シャーリーシフォンケーキだいすきだろう?」
「はい!シフォンケーキ大好きですわ、マリ様一緒にいただきます」
うるさい幼なじみ兄弟をひと睨みで黙らせた大魔王は、この後のひと時の幸せな時間を堪能したらしい。
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