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シャルロット幼少期

マリちゃんと今日も一緒

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あれからシャルロット達は買い物を切り上げて帰宅すると、リビングにお茶を用意させ一息吐いていた。

「あのさマリウス、お前まで何でここにいるんだ?」

「ん?帰って来たんだから当然だろ?」

エリオットは目の前で何時の間にかシャルロットを自分の膝の上にキープしている親友に、またかと呆れながら聞いていた。何せ彼はこの家に二日と開けずシャルロットに会いに来る。毎回泊まりで……。

「いや、そもそも殿下の家じゃ無いですから。影の護衛の方々も毎回大変だと思いますし、早くお城に戻られた方が良いんじゃないですか?」

いつもは自身の膝の上に居る筈のシャルロットは、婚約者の特権でマリウスが居る時はいつも彼に取られる事になるので、その不満からかクラウスの口調はぞんざいだ。

「気にしなくていい。今日もシャルロットが離れるのを見逃し、僕より見つけるのが遅かったんだ。影が聞いて呆れるよ。鍛え直すためにも丁度良いんじゃないか?」

「いや、殿下の護衛の為の影ですから。殿下と共に居るのに殿下より早く見つける何て、無理に決まってますよ」

呆れた顔でもっともなツッコミをしたクラウス。
それを、シャルロットにクッキーを食べさせながら「美味しいかい?」などと彼女に微笑むマリウスは、クラウスに視線もよこさず訂正する。

「クラウスそれは違うよ。彼らは僕の側にはいなかった、手分けしてシャーリーを捜していたからね」

「えっ?」
クラウスは有り得ない言葉につい耳を疑った。

「僕は彼らに言ってあるんだよ、シャーリーに何かあれば僕よりそちらを優先しろと……。僕の護衛は勿論だが、僕の未来の王妃も守って貰わないとね。余程の事が無い限り僕は一人でも何とかなるけど、シャーリーは違う。しかも王太子の僕より常に危険な子だからね。ね?シャーリー?」

「ん?なぁに?マリちゃん」

きょとんと頭上のマリウスの顔を仰ぎ見るシャルロット。その口元には今食べたクッキーの食べかす。

「あ、シャーリーお口についてる」
そういうと、嬉嬉としてすぐ様シャーリーの唇に舌を這わせて口付けする。ちゅっちゅっと軽くしたら今度は素早く口の中に舌を滑らせくちゅくちゅと貪り始めた。
「ふぅ…んっん……はぁん」

その時、マリウスの「僕よりシャルロットを優先しろ」という信じられない発言にクラウスとエリオット、ミリアンネは固まり、マリウスのシャルロットへの執着と溺愛の深さを改めて感じていた。

「「「…………」」」

家族の目の前で堂々と、シャルロットに貪る様な口付けを続けるマリウスへ、三人は生暖かく見つめるだけで何も言わない。いつもの事だし、婚約者なので止める理由もない。

理由があるとすれば兄達の嫉妬だけれども、こういう時クラウス達は邪魔しない。マリウスが満足するまで好きにさせる事にしている。邪魔したら後が怖いのと、自分達の時も後でイチャイチャを邪魔されたくないからだ。
マリウス自身もクラウス達の事は了承している。


なにせ、この世界の貞操観念は緩い。男女比7対3で女が少ないので男を溢れさせない為にも一妻多夫制は勿論の事、同性婚、近親婚、など結婚の形も様々だ。近親者同志でも、親子以外は魔道具や専用の薬などあり、血や遺伝に何の問題も無いため、結婚相手を探すのも大変なので案外こちらも一般的だったりする。


こども同士の戯れにしては少しませている様に感じ無い事も無いが、男女の性に緩く寛容な世界だからか婚約者や兄弟に至っては教育や練習の為にもなるので、親が何かを言う事は無い。寧ろ応援される場合もある。

この家のように…………。



「殿下は今日もお泊まりになられますか?」


「ちゅっ。ええ、そのつもりです」

シャルロットとの濃厚なキスを一通り堪能したマリウスは、先程のねっとりキスとは正反対な爽やかな微笑みをミリアンネに向けた。


「じゃあお部屋はまたシャーリーちゃんの部屋で良ろしいですわよね?」

「はい、いつもお世話になります」

((そう思うなら帰ればいいのに))

と、兄達の心の声。

「はぁ……はぁっ…マリちゃんと……今日も一緒に寝れるの?」

まだ慣れない激しい口付けに息を乱しながら、マリウスの膝の上でとろんとするシャルロットは嬉しそうだ。

「ああ、今日も一緒に寝れるよ。僕の可愛いシャーリー」

マリウスは極上に甘い微笑みをシャルロットへ向けた。










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