12 / 63
12
しおりを挟む
ため息。
今日何度目だろう。
昨日はもう勝手に盛り上がってしまった高橋理人を追い返すのに必死だった。
思い出しても情けない。
「か、え、れ、よ!!」
と背中を全力で押すも、ビクともしない。
あれ、こいつ、けっこう筋肉質だな……。
「まだ、いいじゃないですか~!」
「とにかくもう話すことは無い!」
「パートナーになるって言ってくれなきゃ帰りません。」
「ンーーーー!!」
体幹強。
「くそ、お前何部だったっけ?!」
「バスケ。」
体育会系め!
バスケなんてルールすらよく知らん!
スラムダンク読まずに生きてきた人種なんだよ!
「ていうか、ほんとっ、おまえ、重い、なっ……!」
追い出そうと背中を押している俺の動きを、まるで無視して急に振り向くから勢いよく胸に飛び込む形になってしまう。
「あ、積極的。」
背中に手を回してくる、高橋理人。
「ちがうッ!!!」
手を突っ張って距離をとる。
決しておれが小さいわけではない。身長172cm、日本人男性の平均はあるんだから、チビではない。バスケットボール部なだけあってか高橋理人がデカめなだけで。
「くそバスケ部……!」
「あ~、いまバスケ部ディスりました?」
「お前をディスったんだよ!!!」
そんな~とか言いながら、腹を押す俺の腕を掴んで持ち上げる。
やっぱ先生腕細すぎ、骨しかないじゃん。失礼な独り言だ、多少は筋肉も……。
両方の手首を掴んでバンザイさせたり、頭の上でブンブン振らせたり、やりたい放題だ。
筋肉がないことは認めるよ!
「一体何が望みだ!」
「だから言ってるじゃん、俺のパートナーになって。」
「パートナーってお前な、教師と生徒という立場があるだろうが!」
「内緒にすれば大丈夫。俺絶対秘密守るし。」
それに、俺たち相性いいんじゃないかな?
ドキッ。
それは自覚していただけに反論できない。
多分めちゃくちゃ相性はいい。でも、生徒とplayするなんて、倫理観ないって言うか、なんかもう反社会的だろ。
でも、こいつに褒められるの、気持ちよかったなぁ……。
「……じゃない!ちがうちがうちがう!」
触られたところが、ジン、て熱くなって……。
「……って、待て待て!待ておれ!」
命令に従うと心が落ち着いて……。
「もしかして先生、葛藤してる?」
腕を持ち上げてむりやり背伸びさせると顔をのぞきこんだ。
「うるさい!」
噛みつきそうな勢いで返事をする。
図星だったからなわけだけど。
……図星だって、馬鹿らしい。なんだかもう抵抗するのが面倒くさくなってきた。
高校生(しかもバスケ部)の相手ができるほどタフじゃない。もう体力と気力の限界だった。
「……解ったよ。」
「え、なにが?」
「……ナーに……る。」
「え……?」
わかってて聞き返してやがるな。
「パートナーにでも何でもなってやるって言ってんだ!!」
もし漫画なら、おれの後ろには大きな文字で【ででーん】と書かれていることだろう。
斯くして、おれ、佐伯 光太と高橋理人はパートナー関係になった。
今日何度目だろう。
昨日はもう勝手に盛り上がってしまった高橋理人を追い返すのに必死だった。
思い出しても情けない。
「か、え、れ、よ!!」
と背中を全力で押すも、ビクともしない。
あれ、こいつ、けっこう筋肉質だな……。
「まだ、いいじゃないですか~!」
「とにかくもう話すことは無い!」
「パートナーになるって言ってくれなきゃ帰りません。」
「ンーーーー!!」
体幹強。
「くそ、お前何部だったっけ?!」
「バスケ。」
体育会系め!
バスケなんてルールすらよく知らん!
スラムダンク読まずに生きてきた人種なんだよ!
「ていうか、ほんとっ、おまえ、重い、なっ……!」
追い出そうと背中を押している俺の動きを、まるで無視して急に振り向くから勢いよく胸に飛び込む形になってしまう。
「あ、積極的。」
背中に手を回してくる、高橋理人。
「ちがうッ!!!」
手を突っ張って距離をとる。
決しておれが小さいわけではない。身長172cm、日本人男性の平均はあるんだから、チビではない。バスケットボール部なだけあってか高橋理人がデカめなだけで。
「くそバスケ部……!」
「あ~、いまバスケ部ディスりました?」
「お前をディスったんだよ!!!」
そんな~とか言いながら、腹を押す俺の腕を掴んで持ち上げる。
やっぱ先生腕細すぎ、骨しかないじゃん。失礼な独り言だ、多少は筋肉も……。
両方の手首を掴んでバンザイさせたり、頭の上でブンブン振らせたり、やりたい放題だ。
筋肉がないことは認めるよ!
「一体何が望みだ!」
「だから言ってるじゃん、俺のパートナーになって。」
「パートナーってお前な、教師と生徒という立場があるだろうが!」
「内緒にすれば大丈夫。俺絶対秘密守るし。」
それに、俺たち相性いいんじゃないかな?
ドキッ。
それは自覚していただけに反論できない。
多分めちゃくちゃ相性はいい。でも、生徒とplayするなんて、倫理観ないって言うか、なんかもう反社会的だろ。
でも、こいつに褒められるの、気持ちよかったなぁ……。
「……じゃない!ちがうちがうちがう!」
触られたところが、ジン、て熱くなって……。
「……って、待て待て!待ておれ!」
命令に従うと心が落ち着いて……。
「もしかして先生、葛藤してる?」
腕を持ち上げてむりやり背伸びさせると顔をのぞきこんだ。
「うるさい!」
噛みつきそうな勢いで返事をする。
図星だったからなわけだけど。
……図星だって、馬鹿らしい。なんだかもう抵抗するのが面倒くさくなってきた。
高校生(しかもバスケ部)の相手ができるほどタフじゃない。もう体力と気力の限界だった。
「……解ったよ。」
「え、なにが?」
「……ナーに……る。」
「え……?」
わかってて聞き返してやがるな。
「パートナーにでも何でもなってやるって言ってんだ!!」
もし漫画なら、おれの後ろには大きな文字で【ででーん】と書かれていることだろう。
斯くして、おれ、佐伯 光太と高橋理人はパートナー関係になった。
0
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
風邪ひいた社会人がおねしょする話
こじらせた処女
BL
恋人の咲耶(さくや)が出張に行っている間、日翔(にちか)は風邪をひいてしまう。
一年前に風邪をひいたときには、咲耶にお粥を食べさせてもらったり、寝かしつけてもらったりと甘やかされたことを思い出して、寂しくなってしまう。一緒の気分を味わいたくて咲耶の部屋のベッドで寝るけれど…?
不器用Subが甘やかしDomにとろとろにされるまで
もものみ
BL
【Dom/Subの創作BL小説です】
R-18描写があります。
地雷の方はお気をつけて。
タイトルがあらすじみたいなものです。
以下にあらすじを載せておきます。もっと短く内容を知りたい方は一番下までスクロールしてください。
Sub性のサラリーマン、葵(あおい)はある日会社の健康診断に引っかかってしまい病院を訪れる。そこで医師から告げられた診断は『ダイナミクス関連のホルモンバランスの乱れ』。医師からはパートナーを作ることを勧められた。葵はここのところプレイを疎かにしており確かに無視できない体調不良を感じていた。
しかし葵は過去にトラウマがあり、今はとてもパートナーを作るような気分にはなれなかった。そこで葵が利用したのがDomとSub専用のマッチングアプリ。葵は仕方なしにマッチングアプリに書き込む。
『27歳、男性、Sub。男女どちらでもかまいません、Domの方とプレイ希望です。』
完結なメッセージ。葵は体調さえ改善できれば何だってよかった。そんかメッセージに反応した一件のリプライ。
『28歳、男性、Dom
よろしければ△△時に〇〇ホテル×××号室で会いませんか?』
葵はそのメッセージの相手に会いに行くことにした。指定された高級ホテルに行ってみると、そこにいたのは長身で甘い顔立ちの男性だった。男は葵を歓迎し、プレイについて丁寧に確認し、プレイに入る。そこで葵を待っていたのは、甘い、甘い、葵の知らない、行為だった。
ーーーーーーーーー
マッチングアプリでの出会いをきっかけに、過去にトラウマのある不器用で甘え下手なSubが、Subを甘やかすのが大好きな包容力のあるDomにとろとろに甘やかされることになるお話です。
溺愛ものがお好きな方は是非読んでみてください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる