【完結】転生少女の立ち位置は 〜婚約破棄前から始まる、毒舌天使少女の物語〜


「真実の愛ゆえの婚約破棄って、所詮浮気クソ野郎ってことじゃない?」
巷で流行ってる真実の愛の物語を、普段から軽くあしらっていた。

そんな私に婚約者が静かに告げる。

「心から愛する女性がいる。真実の愛を知った今、彼女以外との未来など考えられない。
君との婚約破棄をどうか受け入れてほしい」


ーー本当は浮気をしている事は知っていた。

「集めた証拠を突きつけて、みんなの前で浮気を断罪した上で、高らかに婚約破棄を告げるつもりだったのに…断罪の舞台に立つ前に自白して、先に婚約破棄を告げるなんて!浮気野郎の風上にも置けない軟弱下衆男だわ…」

そう呟く私を残念そうに見つめる義弟。



ーー婚約破棄のある転生人生が、必ずしも乙女ゲームの世界とは限らない。
この世界は乙女ゲームなのか否か。
転生少女はどんな役割を持って生まれたのか。

これは転生人生に意味を見出そうとする令嬢と、それを見守る苦労人の義弟の物語である。

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