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第4章 STAR WE CHACE
Round3 テキサスDay1
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前回のセントピーターズバーグから、舞台をテキサスに移して迎えた第3戦と4戦。今回はダブルヘッダーというのもあり、かなり緻密かつ高度なセッティングと作戦が求められるレースになっている。このラウンドから、パートタイムながら俺の教え子でもある絵梨子ちゃんがチップ・ガナッシからインディ500を含むオーバルラウンドのみエントリー。カーナンバーは71を着けるとの事だ。そして、今日の朝の記者会見で何やらトヨタが「重大発表」をするとの事で、皆してスマホ片手に作業を一時中断して見入っていた。その内容とは「私達トヨタ自動車は、来シーズンのNTT DATA インディカーシリーズに、いや、今シーズンのインディカー最終戦もてぎにて、チップ・ガナッシとペンスキーのエンジンサプライヤーとして復帰する事をここに表明します!」という内容だった。噂では聞いてたものの、まさか本当に復帰するとは聞いてなかった。これには皆も驚きを隠せなかった。それもそのはず。かつてのトヨタユーザーチームが蘇ったのだから。そんな電撃発表を終えて、チームは普段通りに。フリー走行開始の時間となり、コースイン。各々のセッティングを探る為に走り込んだ。各々が最高のセットアップを見つけて迎えた予選。俺らチームのマシンには「1+1」といったように各々のゼッケンに、亡き親友誠真のゼッケン「1」を着けている。当初は誠真もチーム郷と交渉しており、来季乗る事が決定した矢先での事故だったと後々判明したりもした。その際に「もしも俺が無理になった時や、俺に何かあったら九嶋を頼む!乗せてやってくれ!」と頼み込んでいた事もだ。それを郷さんから聞かされた時は、涙が込み上げてきかけた。予選は、インディカー史上稀に見る「超接戦」を展開。俺とケリーがお互いにと思ったら、初参戦の絵梨子ちゃんも割って入る形の大荒れの予選に。ポールポジションは、ルーキーながら恐ろしい速さを見せた絵梨子ちゃん。2位にケリーで3位に俺と言う並びに。そして、晴南と星奈は5位と6位という並びに。俺は、このラウンドとインディ500と最終戦限定で「スペシャルヘルメット」を持ってきている。そして決勝。決勝は超スプリントドッグファイトレースを展開。ファンはダブルヘッダーなのに、初日から大盛り上がり。ピット戦略も俺がアンダーカットを成功させたりと見せ場を多く作ったりした。最後は5ワイド横一列になってゴールラインを通過。これにはハイスピードカメラを用いたビデオ判定が行われた。俺らは控え室でジョークを飛ばしながら結果を見ていた。そして結果は、ケリーが1000分の1秒差で先にゴールしていた。その為、優勝はケリー。2位に俺で、3位に初参戦の絵梨子ちゃんが入った。初日にこれだから、次の日はもっと盛り上がるね。次戦は、オーバルでは初の試みともいえる「リバースグリッド」を採用した最初のレースとなる。その為、ケリーが「逆ポール」の10位、俺が9位と逆になっていく感じだ。
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