Verizon,NTT-Data IndyCar series extreme Speed

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第1章 インディカー初参戦。そして友の死を乗り越えて。

Round11 アイオワ・コーン300

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前回は、友達の葬儀とかで急遽帰国して、色々済ませてなんて言う感じだったが、今回はもう1回アメリカへと戻りレースに出る。ちなみにあの後、彼のメットは、俺が箱に入れて活動拠点まで持って帰り、そのままチームの元へ持って行き、俺のスペースに保管してある。そして今回は、またオーバルでのレース。前回の件があった影響で不安が残る中迎えた、今回のレース。はっきり言って俺も「また、前みたいな事が起きなければ良いのだが…」と思いながら現地入りした。そしてチームとのミーティング終了後に俺はスポッターの安田さんに「今回も、前みたいな事が起きなければ良いんですけどね…はっきり言って不安です。あのレース以降、考える事があるんですよ。あの時、本当にこれで良かったのかと。」そう言うと「あの時の君の選択は、何も間違えてなかったよ。確かに不安もあるよね。あの事故を目の当たりにしちゃうと。僕も現役の時そうだったからよく覚えてるよ。確かあの時は僕の現役ラストレースとなった最終戦のラスベガスだったかな?あの時の状況も何故か今回の1件と一緒だったんだよ。マシンは宙を舞い、火を吹くマシンも居た。僕はとにかくマシンを壊してはダメだと思って咄嗟に回避して事なきを得たけど、やっぱり自分の目に見えた光景は奇遇にも今回の1件と一緒だったんだ。そしてその後もね。」と話してると俺は「えっ!?もしかして安田さんってあの」と言うと「うん。僕が安田彰人だよ。」とサラッとすごい事言って俺は驚きが隠せなかった。そう、俺はこの人の走りに釘付けでファンだったのだ。そして何かの縁あってスポッターになってくれた。そして7年前のダンの死亡事故を目の当たりにしてしまったドライバーでもある。だから俺の気持ちが良く分かるのか。だけど最初にあった時に安田さんは「君が、九嶋 輝 君だね。今日からよろしく。それにしても君、意外な道に足を踏み入れたね。普通ならGP3と来たらF2,F1と言う、所謂、「フォーミュラ出世街道」を通ってるはずなのに。何でインディカーでレースしたいなんて言い出すのか不思議なんだよ。」と言われて、俺は「今やF1は、カネと政治にまみれた、嫌な世界になってるんですよ。だったらそんな政治に巻き込まれるくらいなら純粋なレースをしたいと思ってインディカーに飛び込んだ訳ですよ。普通のサーキット走るのも良いんですけどオーバルとかも走ってみたかったので。」と返して安田さんは「君の答えはすごい大正解で満点の回答だよ!アメリカンモータースポーツは楽しいよ!!ヨーロッパでは味わえない魅力があるからね!!何なら僕がスポッターになってやろうか?」とかなり高揚した様子で話してくれると俺は「是非ともお願いします!!現役を経験してる人の方が心強いので!!」と頭下げてお願いして今に至る。俺はこのインディカーという世界に来る前に安田さんのラストレースを見終わった後ものすごいロスになった。特に2010年のインディジャパンモテギ300のラスト5周なんて今でも覚えてる。もう各セクション事にトップと2位が入れ替わって最後は安田さんが僅差で優勝した。なんていうのを。かなり話がそれまくったから戻すと安田さんからのアドバイス(?)を聞いて心を入れ替えて臨む今回のレース。セッティングは少しだけ面白いことをしようと企んでいた。それは予選決勝別のセットで行くということ。これも勝つ為に必要なのだ。そしてフリー走行ではトップタイムを出してこのチームのマシンがどれだけのものかアピールした。が、ターンでバランスを崩して壁ドンしてマシンを壊してしまった。まずは安田さんから「大丈夫か!?怪我は無いか!?」と聞かれ「無事だよ。マシンはやっちまったけどな。」と言うと「良かったぁ~。心臓がバクバクしちゃったよ(笑)」とホッとしていた模様。チームには「皆ごめんよ。壊しちゃって。」と謝った。そして俺とマシンはドナドナされ、俺はメディカルチェックを受けて怪我ひとつなく問題無しとの事で即復帰。マシンはメカさん達により元通りに。もう一度コースへと復帰して、前と変わらぬペースでトップを死守して終えた。そして予選でもこの波は止まらずポールポジションを獲得した。そして迎えた決勝。俺は現地入りしてすぐにセッティングを少しだけ変更しようと提案した。そしたら予選ベースのセッティングを施してくれた。そしてペースカーランが終わりグリーンフラッグ。俺は相手を牽制して一気に突き放す形でスタート。そして中盤に1度ピットインをしてそこから更にリードを拡大して迎えた終盤。もう誰にも勢いは止められずこのまま逃げ切り優勝。しかもフルポイントの51ポイントをマークしてランキングも13位へとアップした。
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