FIM WSBK World Diary

文字の大きさ
上 下
29 / 48
いざ決戦! 真夏の鈴鹿8耐

2連覇に向けて。

しおりを挟む
WSBKも前半戦を消化しかけてる所で、今年も8耐制覇に向けての練習走行が鈴鹿で始まった。今年は、昨年同様3人体制での挑戦となる。ライダー編成は、昨年のトリオを継続する事になった。チーム名は「ひろがるスカイ!プリキュアHRC Team MORIWAKI 」になった。カーナンバーは昨年から変更されて、キュアスカイ/ソラ・ハレワタールちゃんの誕生日である9月20日にちなんで「920」に決定した。ヘルメットとツナギも4人のプリキュアのデザインになった。俺がキュアスカイ、晴南がキュアプリズム、星奈がキュアウィング&バタフライという形だ。TSRは、昨年同様の体制にケリーが加入という形になった。今回のメインスポンサーは、ブシロードの許可を取っての形になった。マシンは昨年同様耐久仕様のCBR1000RR-RWを使用する事になっている。そして今回、HRCは「2台体制」を復活させて8耐連覇に挑む事になった。2台目のチーム名は「デリシャスパーティー♡プリキュアHRC Team MORIWAKI」に決定した。ライダー編成は、長島哲太選手、高橋巧選手、嵐珠という編成になった。カーナンバーは「伝説のナンバー」である「11」を使用する。ヘルメットとツナギのデザインは、長島選手がキュアプレシャス、高橋巧選手がキュアスパイシー、嵐珠がキュアヤムヤムに決定した。チームアジアは、一飛を筆頭に、レイナルド、俺の古くからの友達であるイルファン、そしてハフィス・シャーリンという編成になった。カーナンバーは、昨年同様との事。こうして鈴鹿で始まった8耐練習走行。まずは俺がライディングする事になった。久しぶりとなる耐久仕様の1000RR-RWに慣れるために、とにかく走った。タイムも初日ながら2分6秒台を叩き出して帰ってきた。嵐珠は、美海ベースのマシンに少々苦戦しながらも安定したペースで距離を重ねた。嵐珠が帰って来ると「美海ベースで開発されてるおかげかもしれないけど、かなり乗りやすい。安定性もバツグン!これなら安心して走れるは!!」と太鼓判を押していた。2号車の方もかなりの速さを見せていた。実はまだマシンカラーの方が完全に仕上がっておらず、2台揃ってカーボンカウルでの走行となった。そして2回目の走行時にアクシデントが起きた。俺がライディングしてる時に西ストレート手前のコーナーで激しく転倒。幸いにもと言いたい所だけど、これによって左足首を捻挫してしまった。だけどあんな転倒して、左足首を捻挫しただけで収まった事が「不幸中の幸い」である。そう言えば、「不幸中の幸い」で思い出したけど、一昨年ミサノでのテストでコケた時は亜脱臼だけで済んだ事を医者に驚かれた。幸いにもマシンは完全には破壊されておらず、修復すれば走れるくらいだった 。もしこれが本戦だったら、今頃コース脇から痛みを押し殺して、ピットロードまで押して戻って来たと思う。まるで2018年大会の中須賀克行先輩みたいに。チームの皆にも「ごめん。俺のミスと不注意でこんなにしちゃって。」と謝ると「何も輝が悪い訳じゃないよ。それより、この左足首、次のラウンドまでには完治させなさいよ。でも、昨年の8耐に比べて成長したね。頑張ってる証拠だよ。」と美海が励ましてくれた。長島選手も「大丈夫?派手に転けたらしいけど? てか、あそこで転けて足首捻挫ってどんな転け方したの!?」と聞かれて「あそこで転けた際に上手いこと受け身とったつもりが、勢いで捻ってたらしくて…最初は痛みのあまり立ち上がれませんでしたよ。俺も転けた時に足首からゴキッ!という鈍い音聞こえなくてホッとして気が緩んだ際に、足首に激痛走って、起き上がれずにグラベルで痛え痛え言ってた所にメディカルさんち来てドナドナされましたよ。それで医者から君?何者?あんな転倒しておいて足首捻挫って?と驚かれましたよ。ちなみに救急車の中では、俺の面白トークで皆大爆笑してましたよ。」と笑いを交えて話したりもした。ただ運が良かったのが、転けた時にマシンが居なかったこと。それだけは本当に良かった。昨年は、ホンダ勢で行くと、ハルクプロと日本郵便。ヤマハだとYARTヤマハとアケノスピードがあのコーナーの「餌食」になっている。マシンも無事に修復されて、星奈が走行を開始。決勝を意識してなのか、終始安定したペースで周回を重ねていった。こうして波乱に満ちた初日を終えた。迎えた2日目は、ライダー編成を変えてのテストに。前述の通り、俺は左足首を捻挫してる為、現地に居るけど、お休みしている。SNS上でも「今日は九嶋選手走ってないけど何かあったのかな?昨日スプーンで転倒して痛そうに寝転がってたから心配。」「スカイどうした?」等と心配の声が多数。俺は「皆ごめんね。スプーンで転けて左足首を捻挫しちったよ。だから今日は走ってないよ。現地に居るけどね。だけど、もし運が良ければ、ガレージでネイル塗ってるかもね。プリティホリックの。」と投稿したりしていた。ひとまず8耐とWSBKには間に合うとの事なので安心。1日くらいは、休む事も大事だと言うのを身を持って実感している。実はレース時にネイルが剥離しないようにトップコートまで着ける徹底ぶりだ。ガレージには、各々のスペースに「ぬいぐるみ」が配置されたりしている。俺はキュアスカイのぬいぐるみを抱えながら、3人の走りを見守っていた。3人もかなり良いペースで走ってタイムを上げていった。こうして2日間の8耐テストは終わりを告げた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

江戸時代改装計画 

華研えねこ
歴史・時代
皇紀2603年7月4日、大和甲板にて。皮肉にもアメリカが独立したとされる日にアメリカ史上最も屈辱的である条約は結ばれることになった。 「では大統領、この降伏文書にサインして貰いたい。まさかペリーを派遣した君等が嫌とは言うまいね?」  頭髪を全て刈り取った男が日本代表として流暢なキングズ・イングリッシュで話していた。後に「白人から世界を解放した男」として讃えられる有名人、石原莞爾だ。  ここはトラック、言うまでも無く日本の内南洋であり、停泊しているのは軍艦大和。その後部甲板でルーズベルトは憤死せんがばかりに震えていた。  (何故だ、どうしてこうなった……!!)  自問自答するも答えは出ず、一年以内には火刑に処される彼はその人生最期の一年を巧妙に憤死しないように体調を管理されながら過ごすことになる。  トラック講和条約と称される講和条約の内容は以下の通り。  ・アメリカ合衆国は満州国を承認  ・アメリカ合衆国は、ウェーキ島、グアム島、アリューシャン島、ハワイ諸島、ライン諸島を大日本帝国へ割譲  ・アメリカ合衆国はフィリピンの国際連盟委任独立準備政府設立の承認  ・アメリカ合衆国は大日本帝国に戦費賠償金300億ドルの支払い  ・アメリカ合衆国の軍備縮小  ・アメリカ合衆国の関税自主権の撤廃  ・アメリカ合衆国の移民法の撤廃  ・アメリカ合衆国首脳部及び戦争煽動者は国際裁判の判決に従うこと  確かに、多少は苛酷な内容であったが、「最も屈辱」とは少々大げさであろう。何せ、彼らの我々の世界に於ける悪行三昧に比べたら、この程度で済んだことに感謝するべきなのだから……。

処理中です...