FIM WSBK World Diary

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CBR使いの復活

Round6 夏休み前ラストレース(モスト)

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第6戦の舞台はチェコ、モストサーキット。このレースが、夏休み前ラストレースとなる。そして、その後には3年ぶりの開催となる「2022FIM世界耐久選手権第3戦コカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース」が待ち構えている。はっきりいって、休まるかどうか不安ではあるが、凱旋帰国レースの序章でもあり、3年前のリベンジを果たせるのであればと内心喜んでる自分もいる。このレースから、リザーブとして登録している香里奈ちゃんが同行してくれている。これで万全な体制となった。俺は、香里奈ちゃんに「万が一の時、いや、最悪の場合ぶっつけ本番になるけど大丈夫?」と聞くと、香里奈ちゃんは「少し心配ですけど、自分のやれる限りの仕事をやるだけなので、無問題ラ!」と返してくれた。そう、彼女は、父親が日本人、母親が中国人のハーフ。だから、ふとした拍子に中国語が出てしまうことがある。そんな俺も、樺太(サハリン)にルーツを持っていたりもする。その為、ほんのちょっぴりだけど、ロシア語を喋ったりしている時がある。俺は、フリー走行からどうも本調子では無かった。単にタイヤで苦しんでるのか、それとも別の何かが悪さしてるのか、何も突き詰められずに終えた。決勝レース1は、とにかく完走させる事を視野に置いたレースを展開しつつも、安定したペースで2位を獲得。スーパーポールでは、最後までタイヤに苦しみつつも、何とか3位に入った。迎えたレース2。このレースは、SBK史上稀に見る超接近戦を繰り広げた。もう各コーナー毎に順位を入れ替えあっていた。しかも相手は、普段ろくな所に居るイメージが無い、レイナルドや野左根先輩、レディングやファン・デル・マークというかなりのメンツだった。俺は、暴れるマシンを巧みに制御しつつ、応戦。俺は、このマシンの「真の力」を引き出す事に成功した。それは、以前馬場さんと話した際に馬場さんが「君はまだこの子の真の力を持て余している。まだまだ使い切れてない。これじゃ、まだファイヤーブレードの炎が中途半端な炎のままだよ。954RRを乗ってる君だからこそ分かると思うけど、私が今まで手懸けてきた、歴代ファイヤーブレードを見てみ?そこに何が見える?乗る者みんなを熱くさせる炎が見えると思うよ。」その言葉がCBR1000RR-RWHに響いてくれたのか、「真の力」を引き出す事に成功した。エンジンからは「フォォォォォォォォン!!!!」と甲高い乾いた音がモリワキ管を通して伝わってきた。俺はそのままゴールイン。結果は、最後までトップを死守した俺が通過して、そのすぐ後ろに野左根先輩、その後にはレイナルドという結果になった。野左根先輩とレイナルドとは、互いに健闘をたたえ合い握手を交わしたりした。一方美海も途中転倒を喫したものの、8位でチェッカーを受けた。その際、皆からは拍手喝采で迎えられて、俺もウィニングラン中に拍手を送ったりもした。
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