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いざ決戦! 真夏の鈴鹿8耐
ある来訪者
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それは、鈴鹿で8耐と最終戦日本GPの予行演習とデータ収集を兼ねた走行を終えて3人で色々話してる時だった。ある1人の男の人の声が聞こえた。「ちょっと失礼するよ。」と。そして俺は「良いですよ。」と振り返ると、その人は「やぁ、輝君。久しぶりだね。」と言うと俺は「お久しぶりです。って馬場さん!どうしてここに?」と言うと皆は「馬場さん?誰その人?」と完全に、はてなマーク全開だった。そして俺は皆にこう説明した。「誰って?俺らが乗ってるこのCBR1000RR-R Fire Bladeの先祖、900RR Fire Bladeから俺の愛車である954RR Fire Bladeまでの開発責任者、馬場忠雄さんだよ。」と言うと、本人が「ええ。その通り、私がこの1000RR-Rの先祖に当たる900RR~954RRを生み出した馬場忠雄だよ。よろしくね。」と軽い自己紹介をしてくれた。そして俺は皆に「なんでここにあるマシン、特にWSBK仕様が軽いか教えてあげようか?それは、俺がどうすればもっと速くて軽いマシンになるのか迷走してる時に、若林さんが紹介してくれたんだ。この人に会ってみろ。ファイヤーブレードとは何かと言う教えを乞いに行ってこいってね。そして、今に至るんだよ。」と言うと皆は「だから軽くて扱いやすさ重視なのね。」と納得していた。ちなみに俺は性格上、こういう事には人一倍うるさい。特に俺専用機は。それはある日の事だった。HRCで俺専用機の開発をしてる時だ。これは今でも覚えてる。それは確かエンジンの部品だったかな。その時に確か30g重くなっちゃって1人が「30gくらい良いじゃないですか笑」なんて言ったから俺はその人に「なに寝言を言っているんだ!君は!その30gが全てを変えてしまうんだ!レースでは特にそうだ。たかがグラム単位なんて考えは捨ててしまえ!レースではその30gが勝敗を分けてしまうし、もっと言うと0.01gでも重くなったらお終いなんだよ!君達、馬場さんに会った事無いな?機会があれば会ってみて欲しい。俺と全く一緒のこと言うぞ。」と鬼の様な形相で、猛攻烈火の如くブチギレて言った記憶がある。特に軽さには妥協する事を禁じていた。実は馬場さんと会う時には俺は必ずと言っていい程954RRで行く。しかもカラーリングは俺が一番好きなレッドで。本当にフルパワーにしても扱いやすくて楽しいバイクだ。実は954RRは俺のお気に入りの1台である。あのルックスと言い本当にカッコイイのだ。そして、馬場忠雄さんが手がけた「最後のRR」でもあり「最後のファイヤーブレード」でもあるからだ。理由は単純で「定年退職」だからだ。元々馬場さんは実験畑出身だが、まさに「異例」尽くしだった。と言ってもこれは聞いた話だが、それは俺が954RRを行きつけの店に買いに行った時だった。そこの店長で、仲良いおっちゃんが「そういえば輝はなんで馬場さんがこの代までファイヤーブレードの開発責任者を務めれてたか知ってるか?」と聞かれて俺は「知らないなぁ。」と言うと、おっちゃんは「その答えを待ってたよ。」と言って、この代までのファイヤーブレードを何故馬場さんが開発責任者として選ばれたのか教えてもらった。おっちゃんは「何故この954RRまでの開発責任者として馬場が務まったか教えてあげるよ。それは簡単さ。だって俺上司だったし。当時までの。俺が馬場に、お前にしか出来ねぇんだから、いっその事定年退職するまでお前がやれ。って言ったんだよ。」ととんでもない事をサラッと言うと俺は「おっちゃん、まさか?」と言うとおっちゃんは「そのまさかだよ。俺が朝霧の研究所に居た時の部下が馬場だったんだよ。」と言うと、俺は驚きを隠せなかった。そして、色々縁あって馬場さんにも会う事が出来たという経緯がある。そして俺は馬場さんに「これが俺専用機のスペック表です」といって手渡すと、馬場さんは「こりゃ、また派手にやってるねぇ。954RRにそっくりじゃないか。いや、954RRの化けの皮が剥がれたみたいだ…」と驚いていた。そして、「これ担当したの誰だい?」と言うと俺は「馬場さん。これ担当してるのは俺なんですね。実は。0.01gの増加も良しとしませんでしたから。」と言うと、馬場さんも思わず笑いが出るほどだった。ちなみにRR-RWM,RR-RWKの軽量化担当者も俺だったりする。ちなみに、この2台もライディングしたが、流石に女性ライダーが扱うということもあって、軽さも去ることながら、パワーもマイルドな特性にしている。ここまで来ると単に俺が「曲者」を作ってるかのようにも見えてきた。いや、実際「曲者」だけどな。ちなみに俺が唯一関与かつ干渉してないのがRR-RWR(レイナルド)とRR-RWY(イーフェイ)とRR-RWV(ビエルヘ)だけである。これに関しては、あの3人にも開発するという楽しさを知ってもらいたいからあけて首突っ込んでないだけでもある。
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