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いざ決戦! 真夏の鈴鹿8耐
緊急帰国
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それは第4戦ミサノを前にした出来事だった。若林さんから、急遽「君達には1度日本に帰国してもらいたい。理由は鈴鹿8耐のテストに合流して欲しいからだ。」と言われて、俺と晴南と星奈は急遽日本へと帰国した。本当に予想外過ぎてビックリした。ただ幸いな事に、全日本ロードレース選手権の最高峰クラス、JSB-1000で実質的なワークスとも言える、日本郵便ホンダレーシングで大暴れしてる、誠吾とも会えるのは嬉しい話だ。そして、3人で何で鈴鹿に来たかと言うと、理由は2つあって、1つは先述した8耐のテスト。2つ目はWSBK最終戦日本GPに向けての予行演習をする為だからだ。実は誠吾もWSBK最終戦日本GPにワイルドカードエントリーしており、本人もその予行演習との事だ。ただ問題は、常日頃から「ブリジストン」では無くて「ピレリ」を使ってる為、まずはタイヤに慣れる事から始める必要があった。そして、耐久レース仕様とスプリント仕様との違いも探る為でもある。そして、コースインの時間になり、まずは俺がデータ収集も兼ねて走る事に。実はこの時、誠吾も、ワークスに合流していた為、普段は見ることが出来ない俺のライディングスタイルに終始驚いていた。実はこの時、俺が一体何度寝かせてるかを見せる為に「わざと」バンクアングルを表示して走っていた。ちなみにこれは余談だが、コースイン前にオンボード映像を撮影する為にヘルメットに超小型カメラをくっつけている。そして、走り込んでピットに戻ってくると誠吾は「あんた一体何度寝かせてるのさ?!なんか有り得ない数値見えてたけど!?」と言うと俺は「ん?ざっと61~62度前後かな。」と何食わぬ顔で答えると一同騒然。そして俺は更に「その気になればノリックさんの走法も完コピ出来るぞ。あとここまで寝かせられるのはサイドが柔らかい証拠。GPマシン乗ってみ?ここまで寝かせるのは物理的に無理だから。だってサイド硬いから。後でオンボード映像見せてあげるよ。かなりエグいから。」と言って、皆が一度走り終えた後に俺のオンボードを見た時の第一声は「めちゃくちゃ寝かせてんじゃん!にしても速いな!」という声だった。特に誠吾に関してはかなり驚いていので、俺は「こんなのまだまだよ。そんな事言ったら、俺仕様のワークスマシン乗ってみるか?はっきり言って、あの2人も乗ったけど2人揃ってまともに扱えたもんじゃないという言葉が出たからね。」と言うと誠吾は「それなら乗ってみようと思う。」とCBR1000RR-RWHの本当の怖さと恐ろしさを知らない彼は俺のマシンに乗り、コースイン。実はレース中に無線交信も出来るかのテストも並行してる為、誠吾に無線を付けて走らせている。そして俺はインカムで「不用意にスロットル捻らない方がいいよ。すっ飛ぶからね。あとこの子は超高回転高出力型エンジンだから、パワーバンド外すと詰むからね。まぁ外してもトルクで誤魔化せるけどね。」というと、誠吾は「えっ、お前…それ2stマシンじゃねぇか!早く言えよ!」と焦っていた。俺は「え~、だってそんな事言ったらつまんないじゃん。」と笑いながら言った。そして、俺は誠吾が俺のマシンに手こずって悪戦苦闘してる様子をモニター越しに見ていた。星奈からは「あんた一体どんなマシン作ったのよ…誠吾があそこまで手こずってるの初めて見たよ…」と言うと俺は「どんなって?2stみたいな4stを作っただけだよ。」と言うと星奈は「マジかよ…」と引いていた。それもそのはずだ。何せ俺専用機なのだから。だから美海のやつと比べても出力特性が超高回転高出力型となってるから、あまりにもピーキー過ぎて俺以外扱えないのだ。ちなみに美海や星奈や誠吾たちのマシンは安定性確保の為、スプロケの歯数は43だが、俺は速さと安定性その他諸々を両立させたいけど2stみたいな機動力も欲しい為、歯数が3つ少ない40Tのスプロケを着けている。あんなのに歯数が30番台のスプロケなんて着けた日には流石の俺も扱えない。狂暴極まりないマシンになってしまう。そして、誠吾が帰って来て開口一番「お前は、俺を殺す気か!?マジで死ぬかと思ったよ!」と言うと俺は「だって俺専用に改良したやつだもん。ピーキー過ぎて、まともに扱えるの俺くらいしかいないよ。」とサラッと言った。でも誠吾も初めてのWSBKマシンを体験出来たらしくとても嬉しかった模様。そして、3人で色々話したりしてる所にとある人がやって来た。そのとある人とは一体誰なのか、この時まだ誰も知る由もなかった。
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