20 / 28
縁の下の力持ち、そして、ワイルドカードエントリー。
第21話 Moto3代役参戦のオファー
しおりを挟む
WSBKで「歴史的死闘」をケリーと演じた後にレオパード・レーシングから「レオパードから出ている鈴木竜生が怪我で2戦欠場が決定した。どうだ?出られそうか?Moto3に?」と打診されて俺は「Moto3か…2017年以来6年ぶりだからな…まともに乗れっかな?俺?でも、乗ったよ。その話。良いよ、出ても。その代わり俺に現行型NSF250RWをテストライディングする時間が欲しい。流石の俺も人間だ。直ぐに乗ってどうこうで済めば可愛い話だけど、今回は、流石に事が事だ。」と頼んだところ「分かった。君にテストライディングする時間を与えるよ。その代わり、決勝までにアジャストを済ませてくれ。」と快諾してくれた。実は俺、HRCの開発兼リザーブと言ってもMoto3クラスには大々的に関与する事が難しいのだ。あのクラスは、プライベーターチーム主体の為、ワークスが下手に関与する事が禁止されている。その為、俺もあまりこのマシンに関しては、多くを知ってる訳では無い。だからテストライディングする時間が欲しいと要望したのだ。最後にNSF250RW乗ったのが今から8年前だから、知らなくて当たり前なのだ。寧ろそれで知ってる方が可笑しいし、怖い。俺は、拠点の日本から、レオパードレーシングの本拠地ルクセンブルクまで出向いて顔合わせやら何やらを行った際に「あれ?コイツってこんなに小柄なバイクだったか?俺が乗った時大柄に感じたんだけどなぁ~。」と呟くと「そりゃ、お前が大きくなったからだよ。久しぶりだな!ヒカル!随分と大きくなったもんだよ!昨年のWSBK世界王者獲得おめでとう!!」と俺に話しかける声がすると俺は「アレックス?本当にアレックスなのか!!久しぶり!元気にしてたか!?」と大喜びしていた。そう、8年前のCEVジュニア選手権Moto3クラスで俺が所属していた「ダッチレーシング・チーム」で俺の担当チーフメカニックだったアレックス、今となっては、このチームで鈴木竜生先輩の担当チーフとして動いてる傍らで俺の事を心配してくれていた。今回は、2戦限定で俺の担当をしたいと自ら希望したとか。あの時は「型落ちワークスマシンでどう戦うか」という答えを直ぐにとは言えないが、お互いに導き出した経緯があるため、お互いに軽口を叩きつつも、尊敬し合ってる関係なのだ。アレックスも「いやぁ、あん時は凄かったな。今でも忘れねぇよ。最終戦バレンシアGPを。ケリーとの一騎打ちをな。そういやぁケリーはどうだ?元気にしてっか?」と懐かしみつつもケリーの安否を心配しており、俺は「あぁ元気だよ。今となっては俺のチームメイトで、最近だと、同郷のライダーであるギャレット・ガーロフ目掛けて、リタイアさせられた腹癒せにありったけの暴言吐きまくってたけどな。」と俺が言うと「ケリーも、遂にお前とチームメイトか。時が経つのも早いもんだなぁ。」とアレックスも呟いていた。そしてメディアでも、俺の2戦限りのMoto3カムバックとその「カーナンバー」は、かなり話題になっていた。何とホンダにとってもMotoGPにとっても「伝説」と言われている「74」をMoto3クラスで「復活」させたからだ。マシンカラーでも俺が「74の所はあの蛍光色で頼むよ。」とリクエストを出す程、俺は加藤大治郎さんを尊敬してるのだ。そして今のMoto3マシンはリアに「ホイールカバー」が装備されてるだとか。そこも8年で大きく変わってる点である。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。



魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる