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縁の下の力持ち、そして、ワイルドカードエントリー。
第15話 LCRからの緊急エントリー
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WSBKも、終盤戦に入り、ランキングでも、俺がトップのままだが、ここに来てLCRのルーチョさんから、「次のタイラウンド、出れるか?ウチのタカが日本GP後にやっぱり、指の腱断裂してたみたいで。」と言われた俺は、「喜んで!」と即決。そして、ブリーラムへと向かい、タカさんのマシンでスタイルチェックをしたりしていた。本当に緊急エントリーの為、WSBKで着用してるギアを持ち込むしか無くて、色々大変だった。「Pirelli」の所を「MICHELIN」に貼り替えたりとか。そして、迎えたFP1。俺は、久方ぶりのMotoGPマシンに慣れる事をメインにしていた。そして、コースイン。そして、何周か慣らし運転をして、本気でとまでは行かないが、かなり走り込んで15番手という結果に。FP2は、感覚を取り戻したのか、マルケスのすぐ後ろの2番手と、このマシンの本来のポテンシャルを引き出す事に成功した。そして、ついさっきFP3が終わり、結果は、トップタイムと、久しぶりのエントリーにも関わらず、腕は衰えてなかった。そして予選。予選は、何かが今ひとつ噛み合っておらず、後方のグリッドになってしまった。でも、個人的には満足しており、今後のヒントにもなった。そして、決勝は、後方からの追い上げにも関わらず、何と、ホンダ勢トップの1位でフィニッシュ。LCRにも久しぶりの表彰台をもたらしたのとホンダにも一矢報いる結果になった。そして、ルーチョさんから「次のオーストラリアも出て欲しい」と頼まれた為、次も、代役でオーストラリアGPにエントリーすることになった。けど…あのコース、あまり好きじゃないんだよね。フィリップアイランド。だけど、せっかくルーチョさんから貰ったチャンスなんだ。無駄になんか出来ないし、したくも無い。ただ、レース前に雨降ったのが全てだったのかもしれない。これまで、「雨は苦手」と言っていたが、実は違って「得意だけど苦手」と言うだけである。ただ、あの路面はどのクラスのライダーも苦戦していた。ましてや、Moto3,Moto2クラスは赤旗中断のままレース成立と言うくらいの雨の酷さだった。俺もレース前に「雨…止むかなぁ…」と思っていた程だ。だけど止んでくれたおかげで、少し楽になった俺もいた。だけど、路面がスリッピーだった為、運転には細心の注意を払って走行していた。でも、タカさんのマシンは、俺も呆れるほど、かなり凝った作りで、非常に乗りやすかった上に、俺がWSBKで使ってるのと同等のスペックを持つ、カレックスのスイングアームを使ってるので、かなり乗りやすかった。
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