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縁の下の力持ち、そして、ワイルドカードエントリー。
第11話 マンダリカの痛み
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今回は、RC213Vをインドネシアにあるマンダリカサーキットで行われるテストで走らせた。そして、この時俺は、なんか妙に腕が痛いなと思って、ガレージに戻ってツナギを脱ぐと、思いっきりアザが出来ていた。そう。ここはグラベルの砂利がデカい。マジでコケたら一溜りもない。その事はドゥカティワークスでも起きていた。フランチェスコ・バニャイヤ(以下、ペッコ)も俺同様石がヒットしてアザが出来ていた。しかも前走っていたのはジャック・ミラー(以下、ジャック)という後々かなり気まずくなるパターンだこれ。実はこの時、皆してあるデバイスの事で揉めに揉めていた。それは「ライドハイトアジャスター」というフロントの車高を走行中に下げれたりするシステムが、あまりにも危険だとか危険じゃないとかで大喧嘩していた。ちなみにホンダにはそんなもん搭載してないので当然蚊帳の外。勿論俺は美海と一緒にそんないざこざに巻き込まれることなく、黙々と開発作業に集中していた。ちなみに今回、美海はLCRからのエントリー。ちなみに俺はワークスチームのレプソル・ホンダからのエントリー。ただ今年からホールショットデバイスを搭載してるけど、導入するタイミングがあまりにも遅すぎる。アリエナイヨ!あとこれは俺がスタート練習時に思いついたのだけどホールショットデバイスとアンチウィリーシステムを併用したのを作れないのかと。確かにホールショットデバイスはスグレモノだよ。だけどね、捻ると2ストみたいに浮き上がるから怖いんだよね。でもMotoGPの面白い所ってあれだけTCSやら色々搭載してるくせにABSだけは無いという面白い現象が起きているんだよね。もしOKだとしたらホンダの開発部がハイになってチート級の物作りかねないしな。でも俺自身今月中にはSBKチームの方にも合流しないといけない。だからこの世界にいるのも残りわずかとなる。そんな中俺は3番手タイムを出して大満足。美海も5番手と納得行く結果に。だけど今季型は体力に依存しなくなってかなり性格が落ち着いたマシンに仕上がった。これにはマルケスとポルも大満足。そんな中、結構衝撃的だったのがアプリリアRS-GPに乗るポル・エスパロガロの兄貴アレイシ・エスパロガロがトップタイムを出したということ。アプリリアは去年やっと表彰台をゲットしたりと結構成績出すのに時間かかってるイメージがあったが昨年に関しては突如覚醒。一昨年は「エンジンパワーを上げたら壊れた」というかなり馬鹿げた事をほざいていたりしたが、裏ではフェラーリからエンジニアを呼んだりとかなり気合い入れて取り組んでるだとか。ちなみにアプリリアは昨シーズン結構大変な道を歩んだりしていた。まずは初っ端、グレシー二レーシングのオーナーでもあり、かつてWGP125ccで2気筒のガレリのマシンを巧みに操り、二度の王者になった。ファウスト・グレシー二さんがウイルス性肺炎で亡くなり、その次にはヤマハで不協和音が生じて、色々揉めに揉めて即契約解除になった、マーヴェリック・ビニャーレスがロレンツォ・サバドーリのシートを埋める形で移籍。などと結構大変な事になったとか。ホンダもホンダで色々あって大変だった。勿論ヤマハもビニャーレスをクビにして代役としてラズランさんちのモルビデリ(以下、フランキー)をワークスチームに昇格させたり、そのシートにディクソン(以下、ジェイク)を乗せたりSBKで野左根さんのチームメイトを務めるガーロフ(以下、ギャレット)を乗せたり、仕舞いには放浪人生活をしていたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(以下、ドビちゃん)を起用した勢いで来季の契約を結んだりと結構ドタバタしていた。ちなみに引退したロッシの後継としてMoto3から飛び級エントリーとなる「問題児」ダリン・ビンダーがシートに座る事になった。ただ1つだけ、俺が彼に言いたいのはアウグスト・フェルナンデスとデニス・フォッジャのタイトル争いを妨害せんといて欲しかった…
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