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原作終わったけど、どうしたらいいの?
4話
しおりを挟む「ここだ、頼むアイリスを、俺の妹を助けてくれ」
ガキの家、屋根も壁も無い野晒しのスラムの一角を家というかは謎であるが、とにかく家に連れてこられた。
そこに寝かされている私よりちっさい薄汚い少女は、なんというか死にそうだった。
息荒いし、しんどそうだし、なんかもう死ぬんじゃないこの子。医者じゃないから詳しくわかんねーけどさー。
というかこんな野晒しの場所で寝かせてたら治るどころか死ぬでしょ。
アンタ達、私に何してほしいのこれ、こんなの死ぬの見送ることぐらいしかできないよ。
そもそもやる気だってないし、お礼の金も払えないならこの少女も死ねばいいんじゃないの。
つーかこんな場所に住んでる人間の何でもってまじで何も無さそうね。
「私は動かないよ」
「そんな、何でだよ、アンタは何でも願いを叶えてくれるんだろ、嘘だといってくれよ!」
「私は願いを叶えるだなんて一言も言ってない」
「そんな…じゃあどうして来たんだよ!助けてくれるんじゃなかったのかよ!」
私の当たり前の結論にショックを受け喚きながら掴みかかってくる少年と、私に対して大きく頷くアイン。
いやアンタ何に対して頷いてるの、その私は全てわかってますみたいな顔は止めて。
全然わかってねーから、アンタは私の言いたい事まったく理解してねーから。
幽閉フラグ叩き折ってくれたことは感謝してるけど、他は怒りしか沸いてこねーから。
ていうか、つい最近までアンタこんなんじゃなかったわよね。
いっつも私の近くにいて、私の話をきっちり聞いてくれてたわよね、なんで突然会話が出来なくなってるのよ、おかしいじゃない。
「ジェスタ様」
何よ、私に泣きながら掴みかかってくるこのガキなんとかしてくれる気になった?
ガクガクされて酔いそうなんだけど。
「少し時間を頂きますが、よろしいでしょうか」
何に対して???
えっその足に付けたナイフで、少女の介錯でもするの?
そんなわけ無いわよねー。流石にそれは元貴族令嬢としてやったらダメでしょ。
「おい少年」
「なんだ!なんで誰も助けて、ぐぇっ」
よし、よくやったアイン、やっぱり貴女は最高よ!
会話なんて無くても私がやってほしいことをやってくれたわね!
もっと殴りなさい。子供だからって調子に乗ったら痛い目見て当然よ。
「な、に、をするんだよぉ…」
「ジェスタ様の言葉を聞いていてその態度はなんだ!お前には考える頭が無いのか、きちんと考えて物事を喋れ」
「だってこいつは、アイリスを、助けてくれるって…」
言ってねーから。
ほらアイン、アンタからもはっきり言ってやって、アンタ達スラムのガキなんてここで死ねって。
「ジェスタ様は『私は動かない』そう言ったな」
「あ、ああ、だからアイリスを助けてくれないんだろう?どうしてだよ、なんでだよ、俺たちに死ねっていうのかよ…」
そうよ、私は動かないし助けない。
「そして『願いを叶えない』だ、これぐらい少し考えればどういうことかわかるだろう?」
そうそう、お金も碌に持ってないスラムのガキなんて死ねってことで…
「妹を助けるために私を好きに使っていい?」
「ああそうだ、辺境伯当主「ジェスタ・レスカーレ」の立場を好きに使って良いから妹を救えと仰られているのだ」
言ってねーよ!
そんなこと全然言ってないわよ、アイン、また裏切ったわね。
伝わってると思ったのに、また裏切ったわね!全然言ってない!そんなこと一言たりとも言ってない!
それに辺境伯の爵位を返上してるから、完全に詐欺よ!
「あ、あ…本当なのか…俺なんかのために、スラムの住人の俺達のために、そこまでしてくれるのか…?」
「無論だ、少年。お前は、自分の手と足と頭で、妹の命を勝ち取るんだ、早くしろ、時間は最大の敵だ」
「ありがとう、本当にありがとう」
私の手を掴む少年と、少女を抱きかかえるアイン。
なんでアンタら、そんなに連携完璧なのよ、私とアインは連携どころか不信感しか無いのに。
「こっちだ、こっちの表通りに貴族専門の医者がいる、そこにいけばアイリスを助けてくれるはずだ」
そう…。
どうでもいい…。ああでもそんな医者の病院なら寝泊まりできるかもね…。
「そこで、泊まりたいわね」
「ああ、アイリスの症状を止めてもらう!」
あー、立派なベットとかあって、優しいお医者さんだと良いなー。
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