35 / 67
第35話 大会出場
しおりを挟む
次の日。師匠の車に乗って、オレとマコは大会会場まで連れて行かれた。
今日の大会は強化選手は関係ない。
中学部活と、道場の中学生が参加出来る。
他に、高校生もいる。
中学男子、中学女子、高校男子、高校女子の順で区切られ、それぞれトーナメント方式だ。
最初は団体戦が行われ、次に個人戦。ここにオレとマコは入って行く。
オレとマコは師匠の道場から出場と言うことで二人しかいない。
かえって気が楽だ。
他のところはぞろぞろ人がいる。
「いいか? オメーら。オレは役員だし審判もしなくちゃいけねーからここから離れるが、変なことすんじゃねーぞ!」
変なこと……。おそらく血の気が荒いやつらばかりだからケンカなんかするなと言う意味だと思い、返事をすると師匠は足早に去って行った。
二人して会場の畳の一角に小さいレジャーシートをひいた。
ここがオレたちの陣地。
マコが持って来たバッグには、あの遊園地で買った人形と、テツと共同で買ったお守りがぶら下がっていた。
「あ、それ」
「うん。ウチの守り神」
「すげぇ」
「んふふふ」
ちゃんと付けていてくれていることが嬉しかった。
開会式も終わり、会場は活気づいて行った。団体戦を見ていると血が騒ぐ。
どこのチームの誰が強そうだとかマコと言い合ったりしていた。
「なんだアイツ! デカくて強ぇえ!」
「碧中の三年、牛島くんだよ」
「あのゴツくて貫禄あるのは?」
「剛掌会の猪俣くんだね」
「向こうのもデケぇ!」
「剛掌強人会の犀川くん」
「あんなに小さくても大将ってのもいるんだな」
「黒華中の都権くん」
「やっぱ何でも知ってるなぁ。マコは」
「あの人たちも大会の常連さんだよ」
「うげ。やっぱ強ぇえんだろうなぁ」
「まーね。でもリュージも負けてないと思うよ」
「マジかよぉ」
たしかに師匠やマコを良く見ているからだろうか?
牛島や猪俣、犀川の動きを見れないわけじゃなかった。
しかし、大会の熱量は凄まじく、圧倒され緊張感が押し寄せて来たんだ。
マコは別の中学の女子に連れられてどこかに行ってしまった。
オレはポツンと一人。
自分の出場まであと1時間ほどある。
その辺を歩いてみようとブラつき始めた。
自動販売機のスペースがあった。
壁で囲まれており、少しばかり薄暗い。今現在の利用者はゼロ。
それで儲かるのかな? と思いながら中をのぞこうとすると背中をトンと押されて中に入れられた。
今日の大会は強化選手は関係ない。
中学部活と、道場の中学生が参加出来る。
他に、高校生もいる。
中学男子、中学女子、高校男子、高校女子の順で区切られ、それぞれトーナメント方式だ。
最初は団体戦が行われ、次に個人戦。ここにオレとマコは入って行く。
オレとマコは師匠の道場から出場と言うことで二人しかいない。
かえって気が楽だ。
他のところはぞろぞろ人がいる。
「いいか? オメーら。オレは役員だし審判もしなくちゃいけねーからここから離れるが、変なことすんじゃねーぞ!」
変なこと……。おそらく血の気が荒いやつらばかりだからケンカなんかするなと言う意味だと思い、返事をすると師匠は足早に去って行った。
二人して会場の畳の一角に小さいレジャーシートをひいた。
ここがオレたちの陣地。
マコが持って来たバッグには、あの遊園地で買った人形と、テツと共同で買ったお守りがぶら下がっていた。
「あ、それ」
「うん。ウチの守り神」
「すげぇ」
「んふふふ」
ちゃんと付けていてくれていることが嬉しかった。
開会式も終わり、会場は活気づいて行った。団体戦を見ていると血が騒ぐ。
どこのチームの誰が強そうだとかマコと言い合ったりしていた。
「なんだアイツ! デカくて強ぇえ!」
「碧中の三年、牛島くんだよ」
「あのゴツくて貫禄あるのは?」
「剛掌会の猪俣くんだね」
「向こうのもデケぇ!」
「剛掌強人会の犀川くん」
「あんなに小さくても大将ってのもいるんだな」
「黒華中の都権くん」
「やっぱ何でも知ってるなぁ。マコは」
「あの人たちも大会の常連さんだよ」
「うげ。やっぱ強ぇえんだろうなぁ」
「まーね。でもリュージも負けてないと思うよ」
「マジかよぉ」
たしかに師匠やマコを良く見ているからだろうか?
牛島や猪俣、犀川の動きを見れないわけじゃなかった。
しかし、大会の熱量は凄まじく、圧倒され緊張感が押し寄せて来たんだ。
マコは別の中学の女子に連れられてどこかに行ってしまった。
オレはポツンと一人。
自分の出場まであと1時間ほどある。
その辺を歩いてみようとブラつき始めた。
自動販売機のスペースがあった。
壁で囲まれており、少しばかり薄暗い。今現在の利用者はゼロ。
それで儲かるのかな? と思いながら中をのぞこうとすると背中をトンと押されて中に入れられた。
0
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
5分くらいで読めるハッピーエンド
皆川大輔
青春
現代をメインに、思いついた舞台で小説を書きます。
タイトルにもあるように、ハッピーエンドが大好きです。
そのため、どんな暗い物語でも、登場人物たちは幸せになりますので、その点だけご了承いただけたらと思います。
あくまで自分が幸せだな、と思うようなハッピーエンドです。
捉えようによってはもしかしたらハッピーエンドじゃないのもあるかもしれません。
更新は当面の間、月曜日と金曜日。
時間は前後しますが、朝7:30〜8:30の間にアップさせていただきます。
その他、不定期で書き上げ次第アップします。
出勤前や通学前に読むもヨシ、寝る前に読むのもヨシ。そんな作品を目指して頑張ります。
追記
感想等ありがとうございます!
めちゃくちゃ励みになります。一言だけでもモチベーションがぐんぐん上がるので、もしお暇でしたら一言下さいm(_ _)m
11/9
クリエイターアプリ「skima」にて、NYAZU様https://skima.jp/profile?id=156412に表紙イラストを書いていただきました!
温かみのあるイラストに一目惚れしてしまい、すぐに依頼してしまいました。
また、このイラストを記念して、一作目である「桜色」のPVを自分で作ってしまいました!
1分くらい時間ありましたら是非見に来てください!
→https://youtu.be/VQR6ZUt1ipY
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
私の隣は、心が見えない男の子
舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。
隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。
二人はこの春から、同じクラスの高校生。
一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。
きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる