23 / 67
第23話 女の部屋
しおりを挟む
前も来たが、女の部屋。
これが曲者だ。
なんだ? この本棚の本。
わけのわからねー文庫本が並んでやがる!
なにがコナンドイルだ? アガサクリスティーってなんだよ?
オメー挿絵なくて意味わかんのかよ。
コロコーロはどこいったよ?
ドリャえもんはどこいったんだ?
なんだ? この血液型占いの本ってよー!
星占いってなんだ?
バカか? オマエはバカなのか?
お。おあつらえ向きに、この占いんとこに付箋が貼ってやがる!
バカめ。どんな星座を気にしてるんだか見てやらぁ!
そう思いながら本に手を伸ばすと、カチャリとドアが開いた。
当然そちらに目をやると
「なんだ? 座ってねーな。……うぉい! ヤメろ! 本見んな!」
マコは真っ赤な顔をしてオレの手から本をむしり取った。
「なんだよ。見てもいーだろーが!」
「ばっかじゃねーの? 人様の部屋漁んな! そんなんだからダメなんだよ!」
ダメだとぉう!?
「ムカつくなぁ~。オマエ変わったよな~。急に女になるしよー」
これは色気付いて彼氏が出来て……というつもりだったが、マコは思い立ったようにニヤリと笑った。
「そうだ。テッちゃんにも言われたんだった。まぁ座りなよ。お話ししよう」
「お、おう」
小さいキレイなテーブルに向かえ合わせに座ってマコは話し出した。
「あのさー。リュージってさー。マジでウチのこと女じゃないと思ってたの?」
話し方が変わってる。なんだその女みてぇな話し方。
そしてなにを言い出すんだ。答えずれぇ。
「う……ーん」
「あは!」
腹を抱えて笑い出すマコ。
マジムカつく。こっちは悩んでいるというのに。
「それじゃー、一緒にお風呂入ったとか全然なんとも思ってなかったんだ」
「いや、それは、かなり小さくて気にしてると思って言えなかったんだ」
そう言うと笑い過ぎて声が出なくなっていた。
床をゴロリゴロリと転げ回ったと思うと、涙を拭いて起き上がった。
「ホントにクソ鈍感以上だね」
何コイツ。言いたい放題言いやがって。
「まぁ、いいじゃねーか。ゲームでもしようぜ」
「は? ゲーム?」
「プレステは? どこいった?」
「そんなのもうないよ。勉強会でしょ?」
話し方が女。なんで女ゾーンに入っちまったんだ?
「なんだ。マジで勉強すんのか」
「当たり前。リュージ、このまんまじゃ高校も別々になるよ? 一生一緒にいたいんじゃないの?」
「は?」
「『は』じゃねーわ。少しは偏差値上げましょう」
マコのペースに乗せられ、マジで勉強会。
しかもスパルタ。鉄拳が飛んで来る。
バコッとひたいを殴られのけぞった。
「おいおい、血がでてねーか!?」
「出てねーわ! やれ! ちゃんと!」
なんだよコイツ。さっきまで女みてぇだったのに元に戻ってるじゃねーか。
それにちっとばかし頭がいいくれーで調子に乗りやがってよ。
オレは、飽きて後ろに倒れた。
「や~めたっとぉ……」
「なんだそりゃ。もういいわ。寝てろ」
マコの言葉に甘え、横になったままいるとマジでそのまま就寝。
起きると、おばさんが作ったカレーの匂いがした。
「あ。やっと起きた。ホレ」
と、マコはオレの頭を目掛けてティッシュ箱を投げつけた。
当然それがぶち当たる。
「痛!」
「ヨダレ拭け。ヨダレ」
見ると、床に大きくヨダレの跡。
恥ずかしくてすぐに拭いた。
マコはベッドの上で眼鏡をかけて読書をしていた。
ゴクリ……。な、なんなの?
め、眼鏡?
初めて見たわ。
「オマエ、眼鏡なんてかけてたか?」
「ああ。そーだな。家の中とか勉強するときとか」
「そーなんだ。コンビニ行くときはかけてなかったじゃねーか」
「そりゃ、リュージの前ではな」
そう言いながらマコはメガネをとってケースにしまった。
「お母さんが、リュージが起きたらご飯にしようってさ。いこ」
マコはベッドから降りた。オレも立ち上がったが呼び止めた。
「まぁ、マコ」
「なに?」
「オマエ……か、か、か、か」
「なに? カワイイかよォ~?」
そう先走って顔を押さえた。オレは呆れた。
「ちげーわ! もういい」
彼氏がどんなやつか聞こうと思ったがヤメた。
聞いたら傷ついてしまうし、それにオレを部屋にあげるとか、もうしなくなっちまうと思ったんだ。
これが曲者だ。
なんだ? この本棚の本。
わけのわからねー文庫本が並んでやがる!
なにがコナンドイルだ? アガサクリスティーってなんだよ?
オメー挿絵なくて意味わかんのかよ。
コロコーロはどこいったよ?
ドリャえもんはどこいったんだ?
なんだ? この血液型占いの本ってよー!
星占いってなんだ?
バカか? オマエはバカなのか?
お。おあつらえ向きに、この占いんとこに付箋が貼ってやがる!
バカめ。どんな星座を気にしてるんだか見てやらぁ!
そう思いながら本に手を伸ばすと、カチャリとドアが開いた。
当然そちらに目をやると
「なんだ? 座ってねーな。……うぉい! ヤメろ! 本見んな!」
マコは真っ赤な顔をしてオレの手から本をむしり取った。
「なんだよ。見てもいーだろーが!」
「ばっかじゃねーの? 人様の部屋漁んな! そんなんだからダメなんだよ!」
ダメだとぉう!?
「ムカつくなぁ~。オマエ変わったよな~。急に女になるしよー」
これは色気付いて彼氏が出来て……というつもりだったが、マコは思い立ったようにニヤリと笑った。
「そうだ。テッちゃんにも言われたんだった。まぁ座りなよ。お話ししよう」
「お、おう」
小さいキレイなテーブルに向かえ合わせに座ってマコは話し出した。
「あのさー。リュージってさー。マジでウチのこと女じゃないと思ってたの?」
話し方が変わってる。なんだその女みてぇな話し方。
そしてなにを言い出すんだ。答えずれぇ。
「う……ーん」
「あは!」
腹を抱えて笑い出すマコ。
マジムカつく。こっちは悩んでいるというのに。
「それじゃー、一緒にお風呂入ったとか全然なんとも思ってなかったんだ」
「いや、それは、かなり小さくて気にしてると思って言えなかったんだ」
そう言うと笑い過ぎて声が出なくなっていた。
床をゴロリゴロリと転げ回ったと思うと、涙を拭いて起き上がった。
「ホントにクソ鈍感以上だね」
何コイツ。言いたい放題言いやがって。
「まぁ、いいじゃねーか。ゲームでもしようぜ」
「は? ゲーム?」
「プレステは? どこいった?」
「そんなのもうないよ。勉強会でしょ?」
話し方が女。なんで女ゾーンに入っちまったんだ?
「なんだ。マジで勉強すんのか」
「当たり前。リュージ、このまんまじゃ高校も別々になるよ? 一生一緒にいたいんじゃないの?」
「は?」
「『は』じゃねーわ。少しは偏差値上げましょう」
マコのペースに乗せられ、マジで勉強会。
しかもスパルタ。鉄拳が飛んで来る。
バコッとひたいを殴られのけぞった。
「おいおい、血がでてねーか!?」
「出てねーわ! やれ! ちゃんと!」
なんだよコイツ。さっきまで女みてぇだったのに元に戻ってるじゃねーか。
それにちっとばかし頭がいいくれーで調子に乗りやがってよ。
オレは、飽きて後ろに倒れた。
「や~めたっとぉ……」
「なんだそりゃ。もういいわ。寝てろ」
マコの言葉に甘え、横になったままいるとマジでそのまま就寝。
起きると、おばさんが作ったカレーの匂いがした。
「あ。やっと起きた。ホレ」
と、マコはオレの頭を目掛けてティッシュ箱を投げつけた。
当然それがぶち当たる。
「痛!」
「ヨダレ拭け。ヨダレ」
見ると、床に大きくヨダレの跡。
恥ずかしくてすぐに拭いた。
マコはベッドの上で眼鏡をかけて読書をしていた。
ゴクリ……。な、なんなの?
め、眼鏡?
初めて見たわ。
「オマエ、眼鏡なんてかけてたか?」
「ああ。そーだな。家の中とか勉強するときとか」
「そーなんだ。コンビニ行くときはかけてなかったじゃねーか」
「そりゃ、リュージの前ではな」
そう言いながらマコはメガネをとってケースにしまった。
「お母さんが、リュージが起きたらご飯にしようってさ。いこ」
マコはベッドから降りた。オレも立ち上がったが呼び止めた。
「まぁ、マコ」
「なに?」
「オマエ……か、か、か、か」
「なに? カワイイかよォ~?」
そう先走って顔を押さえた。オレは呆れた。
「ちげーわ! もういい」
彼氏がどんなやつか聞こうと思ったがヤメた。
聞いたら傷ついてしまうし、それにオレを部屋にあげるとか、もうしなくなっちまうと思ったんだ。
0
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
私の隣は、心が見えない男の子
舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。
隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。
二人はこの春から、同じクラスの高校生。
一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。
きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた
久野真一
青春
最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、
幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。
堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。
猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。
百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。
そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。
男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。
とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。
そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から
「修二は私と恋人になりたい?」
なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。
百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。
「なれたらいいと思ってる」
少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。
食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。
恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。
そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。
夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと
新婚生活も満喫中。
これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、
新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる