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私だけ仲間外れ
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部活が終わって、友人との下校は楽しい。先輩への愚痴も、男子への感情を話すのも止まらない。
だけどこの歩道橋のある交差点。ここで友人たちと別れなくてはならない。三人は帰り道が一緒なのだ。私は上に、彼女らは真っ直ぐに。
「じゃまた明日ね」
「うん、またー」
と言ったとたん、彼女たちは別の話題で笑い出す。
ヒドくモヤモヤする。
向こうは三人、私は一人──。
だからこそ時間が長い。考えてしまう。あの先輩への愚痴も、先生への悪口も、同級生の不満も。
あの三人が言わないわけない。私のことを。きっと帰りがけに私の悪口で盛り上がるんだ。
そして、それは増幅されて、いつかは私一人ハブられるのではないか、と。
毎日、毎日、彼女たちの後ろ姿を歩道橋の上から眺める。そして妬み嫉んでいる。楽しそうな笑い声を。
その時だった。ブレーキ音もなく大きなSUV車が彼女らを横薙ぎにしてビルに突っ込み、友人たちは血だらけのぺしゃんこになってしまっているのが遠目にも分かった。
私は歩道橋の上でしゃがみこんで大きく息を吐き出した。
これで心配ごとはなくなった。今日は善く眠れそうだと、安堵の息を──。
だけどこの歩道橋のある交差点。ここで友人たちと別れなくてはならない。三人は帰り道が一緒なのだ。私は上に、彼女らは真っ直ぐに。
「じゃまた明日ね」
「うん、またー」
と言ったとたん、彼女たちは別の話題で笑い出す。
ヒドくモヤモヤする。
向こうは三人、私は一人──。
だからこそ時間が長い。考えてしまう。あの先輩への愚痴も、先生への悪口も、同級生の不満も。
あの三人が言わないわけない。私のことを。きっと帰りがけに私の悪口で盛り上がるんだ。
そして、それは増幅されて、いつかは私一人ハブられるのではないか、と。
毎日、毎日、彼女たちの後ろ姿を歩道橋の上から眺める。そして妬み嫉んでいる。楽しそうな笑い声を。
その時だった。ブレーキ音もなく大きなSUV車が彼女らを横薙ぎにしてビルに突っ込み、友人たちは血だらけのぺしゃんこになってしまっているのが遠目にも分かった。
私は歩道橋の上でしゃがみこんで大きく息を吐き出した。
これで心配ごとはなくなった。今日は善く眠れそうだと、安堵の息を──。
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