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第10話 猫の遊び
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シングルベッドの上で彼女を抱く生活。
それが幾日か過ぎた。
可愛らしい麗。少しおバカな天然さん。
「ねぇ、ねぇ、タイちゃん。テレビ壊れた。今日一日ヒマだったよ! リモコンかなぁ? テレビかなぁ?」
麗はそう言って頬を膨らます。
見ると主電源が入っていない。
昨日、寝る前にオレが切っておいたのだ。
「主電源だよ」
「え? な、なーん」
笑ってしまった。
また明くる日。
「ねぇタイちゃん! 今度こそテレビ壊れたよ。あのね、麗は何にもしてないよ。ホントだよ。主電源も入れたし、コンセントも入ってるのにテレビつかない」
オレはリモコンの電池を新しいのと交換して彼女に渡した。
「あ。ついた」
「ププ」
「もぅ。笑わないでよね」
こんなことしょっちゅうだ。
「ね。タイちゃん。一緒にお風呂入ろ!」
「いいよ。レイ。服脱がせてくれるか?」
「なーん。いいよ」
ネクタイからゆっくりと外してくれる。
ワイシャツのボタンを上目遣いの片手で外す。
「あぁ。レイ。もう我慢できないよ」
「今から下を脱がせてあげるよ」
「待ってました……!」
これが恋人の同棲生活。最高。
ベッドの上では対等に果て合う。
握りあうその手から溢れ出す愛。
「ああ、レイ。愛しているよ」
「タイちゃん、愛してる」
「この前はオレのをやったから、今度はレイが初めてごっこしたいなぁ」
「なー。タイちゃんは変態だ。なー」
「何にも知らない振りするんだよ。そして痛がれ」
「何始めようとしてんの? バカ」
伸ばした手を振り払い麗は怒って立ち上がった。
たまに突然怒るときがある。
いつも笑っている麗も怒るんだよな。
寝室の外に姿を消した麗に向かって叫んだ。
「レイごめーん! 一緒に寝ようー!」
「分かったよぉ。ちょっと待って。牛乳飲んでる」
「お腹壊すぞ」
「なー。冷たくて美味しいなー」
ふふ。可愛い。
ベッドからキッチンまで迎えに行った。
近づくと、そっぽを向いていたがコップを持つ違う手はオレの腕に絡みついてる。
飲み終わった彼女の口元にキス。
牛乳の味がする。口を放すと、麗は妖しく笑った。
「じゃ、猫に食べられる魚ごっこしようか?」
「ちょ。やだよ。一方的にオレが食われるだけじゃねーか」
「ほら、逃げて逃げて。捕まえたら食べちゃうよ」
「わーー!」
オレはベッドに逃げ帰った。
もうすぐ猫が来て、オレを食べてしまうのだ。ベッドに横になり、布団をかぶって震える演技。
今から起こることの想像。
異様な興奮。楽しみの荒い鼻息は人に見られたら軽蔑されるだろう。しかし今は二人きり。お互いの恥ずかしい場所を見せ合う間柄に遠慮はいらない。
「みーけ!」
「あー。見つかっちゃったぁ」
「ふふ。食べちゃうぞ」
「猫さん、許して。勘弁して~」
「にゃ~ん。がぶ~」
「あー……」
猫に睨まれてまな板の上の鯉。
あー。食べられる。あー。食べられる。
この遊び……好き。
それが幾日か過ぎた。
可愛らしい麗。少しおバカな天然さん。
「ねぇ、ねぇ、タイちゃん。テレビ壊れた。今日一日ヒマだったよ! リモコンかなぁ? テレビかなぁ?」
麗はそう言って頬を膨らます。
見ると主電源が入っていない。
昨日、寝る前にオレが切っておいたのだ。
「主電源だよ」
「え? な、なーん」
笑ってしまった。
また明くる日。
「ねぇタイちゃん! 今度こそテレビ壊れたよ。あのね、麗は何にもしてないよ。ホントだよ。主電源も入れたし、コンセントも入ってるのにテレビつかない」
オレはリモコンの電池を新しいのと交換して彼女に渡した。
「あ。ついた」
「ププ」
「もぅ。笑わないでよね」
こんなことしょっちゅうだ。
「ね。タイちゃん。一緒にお風呂入ろ!」
「いいよ。レイ。服脱がせてくれるか?」
「なーん。いいよ」
ネクタイからゆっくりと外してくれる。
ワイシャツのボタンを上目遣いの片手で外す。
「あぁ。レイ。もう我慢できないよ」
「今から下を脱がせてあげるよ」
「待ってました……!」
これが恋人の同棲生活。最高。
ベッドの上では対等に果て合う。
握りあうその手から溢れ出す愛。
「ああ、レイ。愛しているよ」
「タイちゃん、愛してる」
「この前はオレのをやったから、今度はレイが初めてごっこしたいなぁ」
「なー。タイちゃんは変態だ。なー」
「何にも知らない振りするんだよ。そして痛がれ」
「何始めようとしてんの? バカ」
伸ばした手を振り払い麗は怒って立ち上がった。
たまに突然怒るときがある。
いつも笑っている麗も怒るんだよな。
寝室の外に姿を消した麗に向かって叫んだ。
「レイごめーん! 一緒に寝ようー!」
「分かったよぉ。ちょっと待って。牛乳飲んでる」
「お腹壊すぞ」
「なー。冷たくて美味しいなー」
ふふ。可愛い。
ベッドからキッチンまで迎えに行った。
近づくと、そっぽを向いていたがコップを持つ違う手はオレの腕に絡みついてる。
飲み終わった彼女の口元にキス。
牛乳の味がする。口を放すと、麗は妖しく笑った。
「じゃ、猫に食べられる魚ごっこしようか?」
「ちょ。やだよ。一方的にオレが食われるだけじゃねーか」
「ほら、逃げて逃げて。捕まえたら食べちゃうよ」
「わーー!」
オレはベッドに逃げ帰った。
もうすぐ猫が来て、オレを食べてしまうのだ。ベッドに横になり、布団をかぶって震える演技。
今から起こることの想像。
異様な興奮。楽しみの荒い鼻息は人に見られたら軽蔑されるだろう。しかし今は二人きり。お互いの恥ずかしい場所を見せ合う間柄に遠慮はいらない。
「みーけ!」
「あー。見つかっちゃったぁ」
「ふふ。食べちゃうぞ」
「猫さん、許して。勘弁して~」
「にゃ~ん。がぶ~」
「あー……」
猫に睨まれてまな板の上の鯉。
あー。食べられる。あー。食べられる。
この遊び……好き。
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