4 / 7
第4話 好きのかたち、愛のかたち
しおりを挟む
王太子さまを怒らせてから二週間。なんとか王太子さまとは会うことなく上手く過ごせた。
その間も、ロベルトはイケてた。カッコいいし紳士だし、さりげなく私を気遣ってくれるのが分かった。
さすが、キティの意中の人だわ。このストーリーの流れはロベルトとくっつけたがってるんではなかろうか?
私のニヤケ顔は止まらない。
しかしその日は突然きた。教室はあっという間に静まり返ったのだ。
教室に入ってきたのは真っ赤な制服の王太子さま。後ろには護衛が二人。ヤバい。あの怒らせたことが今になって祟るのでは!?
私はサッとモブ嬢の後ろに隠れたが、すぐに見つかった。ちくせう。
王太子さまは、私に数枚の紙を押し付けてきた。それに目を落とすと短編の恋愛小説だ。
すぐさま仕事モードに切り替わった私は速読ながらもじっくりと中身を拝読した。
「どうだ。今度は前のように手厳しいことは言わせんぞ?」
と王太子さまはいうものの、私の返答をドキドキしながら待っているようだった。
私は小説を読んでいた顔を上げて王太子さまを見る。そして口を開いた。
「前のように、ストーリーと文章がバラバラではありません。読んでいて心地よいです」
「で、あろう?」
王太子さまは胸を張って威張ってみせた。
「ですがそれだけです。一度読めば充分。二度読みたいとは思わない。魅力ある小説ではないのです」
「くぅぅうう!」
し、まっ、た!
またやっちまった。小説のこととなるとお世辞がいえなひ……。
王太子さまは私から原稿をむしりとると、去り際にゴミ箱に叩きいれていた。怖い。
静まり返った教室だったが、王太子さまが出ていくとクラスメイトが集まってきた。
「ねぇねぇ、王太子さまとなんのお話?」
「怒っていたみたいだけど大丈夫?」
「どうやって王太子さまとお近づきになれたのぉ?」
と好意的。ふー、よかった。
ふと気づくと、ロベルト君が寄り添って肩に手を置いていた。少しだけ厳しい顔。怒られる?
「俺が……守るから」
ひぇぇぇえええいいい!
カッコいい! これはロベルト君ルート確定!
あの瞳に宿る決意は間違いなく私のことを好き! なの? どうなのその辺。恋愛経験ないから分からない。
でも王太子のやつ。あの態度はなくね? 最初は可愛いと思ったけど、小説のことになるとカッとしやすいだろ。
立場的に無視できないからウザい。アイツ教室にまで乗り込んできて大恥かきやがって、ざまぁ!
んー。なんにしろこれからはロベルト君に集中しよう。そうしよう。
それから、放課後まで可能な限りロベルト君とお話しした。そして帰りには馬車まで一緒に行こうって言われちゃった。ウフ!
馬車が並んでいる駐車場に行くとロベルト君とはお別れ。うーん、切ない。
そこにうちの馬丁と御者がすっ飛んできた。なにごと?
「お嬢様、大変です」
「あらどうしたのかしら?」
「実は馬車の車軸が折れまして、動けない状況です」
「ま、なんてこと?」
あらやだ。じゃあお屋敷まで歩いて帰るのかぁ。結構遠いぞ?
この学校に通っている貴族の面々は領地とは別にこの都にお屋敷をそれぞれ持っている。すぐに王宮にいくためだ。
だからお屋敷はそれなりの敷地面積がある。そのために遠い。結構難儀する。
「キティ。だったら私の馬車に便乗するといい」
ロ、ロ、ロ、ロベルト君! 爽やか笑顔! 天使かよキミわぁ。
馬車のほうは使用人に任せて、私はロベルト君にエスコートされて彼の馬車に。
うーん、ステキ。ロベルト君の香りが充満しております。うふーん。ロベ君ったらぁ、この馬車でいつも学校に通ってるのね!
そうしていると、ロベ君が自分の隣りの革張りのシートを叩く。
おうっふ。やっぱりそーっすよねっ! お隣のシートに並んで座るっすよね! 嬉しい。こんな美男な少年の隣に座れるなんて! 死んでよかった! いや言ってることがおかしいか。
待たせたら悪い。ではロベ君のお隣──いただきます!
私はロベ君の隣に座った。若干の密着。ロベ君ったら、膝の上に手を置いて正面見てる。口がモゴモゴして顔が赤いぞ。緊張してるのかよぉ! おいおい可愛いなぁ。
幸せな時間は短い。お互いに照れて何も話せないまま馬車は私の屋敷の門をくぐり、敷地内へ。その時、ロベルト君が沈黙を破る。
「懐かしいなぁ、叔父ぎみのお屋敷か。よくキティと遊んだっけ」
おっと。私の知らない記憶の話だわ。その頃のお話は小説を読んでないから知らない。でも知ったかで答えるしかない。
「そうだったわねぇ」
よし。ロベ君が微笑んでる。間違ってない。すると、ロベ君の美しい唇が開く。
「あの時の約束……。俺は忘れてないよ」
キメ顔! ですが、約束が分からない! たぶんそういうことですよね? 察しました私。
キティはこの意中のロベ君に「大きくなったらお嫁さんにして!」とかそういうのを言ったに違いない!
考えていると馬車の速度が遅くなり、屋敷の前で停まる。その時、ちょうどお母様がお屋敷から出てきた。
ロベルト君は馬車を降りて私をエスコートすると、母に挨拶をした。
「お久しぶりです。ウェンガオルト夫人」
「あら。甥のロベルトじゃないの」
「実はキティの馬車の車軸が折れまして、こうして送って参りました」
「あらそうなの。聡明な甥がいて助かったわ」
その時、屋敷の扉が荒々しく開いて、血相を変えた父が出てきて母の前に立った。父よ……。
「誰かねキミは! ルビー、大丈夫か? 怪我はないか?」
「大丈夫よ。どうしたの?」
「キミぃ! ルビーと、なんの話をした!」
「アーサー。あなたの甥のロベルトよ」
「なに、ロベルトだと? ああそういえば……」
「お、お久しぶりです。叔父ぎみ」
父は母に男が近づくと、スズメバチのように攻撃的になるのね。怖い。見境ない。制服着てるんだから学生だって分かるでしょ。
ロベルト君はまた父に丁寧に今日のことを説明していた。ホントにホントにゴメンねぇ。
「では私はこの辺で。ごきげんよう。叔父ぎみ、叔母ぎみ。そしてキティ」
「ええ……ごきげんよう……」
ロベルト君が馬車に向かう背中を見送る。なんか寂しい~。ロベ君が行っちゃうなんて。
その時だった。『意中の人』のタグの後ろから新しいタグが発生して横に浮かんだ。
『悲恋』
ひ、ひ、ひ、悲恋ですと? 悲しい恋。恋が成就しないってことよね? え! どういうこと? ロベ君と、私は結ばれないってことなのぉ?
その間も、ロベルトはイケてた。カッコいいし紳士だし、さりげなく私を気遣ってくれるのが分かった。
さすが、キティの意中の人だわ。このストーリーの流れはロベルトとくっつけたがってるんではなかろうか?
私のニヤケ顔は止まらない。
しかしその日は突然きた。教室はあっという間に静まり返ったのだ。
教室に入ってきたのは真っ赤な制服の王太子さま。後ろには護衛が二人。ヤバい。あの怒らせたことが今になって祟るのでは!?
私はサッとモブ嬢の後ろに隠れたが、すぐに見つかった。ちくせう。
王太子さまは、私に数枚の紙を押し付けてきた。それに目を落とすと短編の恋愛小説だ。
すぐさま仕事モードに切り替わった私は速読ながらもじっくりと中身を拝読した。
「どうだ。今度は前のように手厳しいことは言わせんぞ?」
と王太子さまはいうものの、私の返答をドキドキしながら待っているようだった。
私は小説を読んでいた顔を上げて王太子さまを見る。そして口を開いた。
「前のように、ストーリーと文章がバラバラではありません。読んでいて心地よいです」
「で、あろう?」
王太子さまは胸を張って威張ってみせた。
「ですがそれだけです。一度読めば充分。二度読みたいとは思わない。魅力ある小説ではないのです」
「くぅぅうう!」
し、まっ、た!
またやっちまった。小説のこととなるとお世辞がいえなひ……。
王太子さまは私から原稿をむしりとると、去り際にゴミ箱に叩きいれていた。怖い。
静まり返った教室だったが、王太子さまが出ていくとクラスメイトが集まってきた。
「ねぇねぇ、王太子さまとなんのお話?」
「怒っていたみたいだけど大丈夫?」
「どうやって王太子さまとお近づきになれたのぉ?」
と好意的。ふー、よかった。
ふと気づくと、ロベルト君が寄り添って肩に手を置いていた。少しだけ厳しい顔。怒られる?
「俺が……守るから」
ひぇぇぇえええいいい!
カッコいい! これはロベルト君ルート確定!
あの瞳に宿る決意は間違いなく私のことを好き! なの? どうなのその辺。恋愛経験ないから分からない。
でも王太子のやつ。あの態度はなくね? 最初は可愛いと思ったけど、小説のことになるとカッとしやすいだろ。
立場的に無視できないからウザい。アイツ教室にまで乗り込んできて大恥かきやがって、ざまぁ!
んー。なんにしろこれからはロベルト君に集中しよう。そうしよう。
それから、放課後まで可能な限りロベルト君とお話しした。そして帰りには馬車まで一緒に行こうって言われちゃった。ウフ!
馬車が並んでいる駐車場に行くとロベルト君とはお別れ。うーん、切ない。
そこにうちの馬丁と御者がすっ飛んできた。なにごと?
「お嬢様、大変です」
「あらどうしたのかしら?」
「実は馬車の車軸が折れまして、動けない状況です」
「ま、なんてこと?」
あらやだ。じゃあお屋敷まで歩いて帰るのかぁ。結構遠いぞ?
この学校に通っている貴族の面々は領地とは別にこの都にお屋敷をそれぞれ持っている。すぐに王宮にいくためだ。
だからお屋敷はそれなりの敷地面積がある。そのために遠い。結構難儀する。
「キティ。だったら私の馬車に便乗するといい」
ロ、ロ、ロ、ロベルト君! 爽やか笑顔! 天使かよキミわぁ。
馬車のほうは使用人に任せて、私はロベルト君にエスコートされて彼の馬車に。
うーん、ステキ。ロベルト君の香りが充満しております。うふーん。ロベ君ったらぁ、この馬車でいつも学校に通ってるのね!
そうしていると、ロベ君が自分の隣りの革張りのシートを叩く。
おうっふ。やっぱりそーっすよねっ! お隣のシートに並んで座るっすよね! 嬉しい。こんな美男な少年の隣に座れるなんて! 死んでよかった! いや言ってることがおかしいか。
待たせたら悪い。ではロベ君のお隣──いただきます!
私はロベ君の隣に座った。若干の密着。ロベ君ったら、膝の上に手を置いて正面見てる。口がモゴモゴして顔が赤いぞ。緊張してるのかよぉ! おいおい可愛いなぁ。
幸せな時間は短い。お互いに照れて何も話せないまま馬車は私の屋敷の門をくぐり、敷地内へ。その時、ロベルト君が沈黙を破る。
「懐かしいなぁ、叔父ぎみのお屋敷か。よくキティと遊んだっけ」
おっと。私の知らない記憶の話だわ。その頃のお話は小説を読んでないから知らない。でも知ったかで答えるしかない。
「そうだったわねぇ」
よし。ロベ君が微笑んでる。間違ってない。すると、ロベ君の美しい唇が開く。
「あの時の約束……。俺は忘れてないよ」
キメ顔! ですが、約束が分からない! たぶんそういうことですよね? 察しました私。
キティはこの意中のロベ君に「大きくなったらお嫁さんにして!」とかそういうのを言ったに違いない!
考えていると馬車の速度が遅くなり、屋敷の前で停まる。その時、ちょうどお母様がお屋敷から出てきた。
ロベルト君は馬車を降りて私をエスコートすると、母に挨拶をした。
「お久しぶりです。ウェンガオルト夫人」
「あら。甥のロベルトじゃないの」
「実はキティの馬車の車軸が折れまして、こうして送って参りました」
「あらそうなの。聡明な甥がいて助かったわ」
その時、屋敷の扉が荒々しく開いて、血相を変えた父が出てきて母の前に立った。父よ……。
「誰かねキミは! ルビー、大丈夫か? 怪我はないか?」
「大丈夫よ。どうしたの?」
「キミぃ! ルビーと、なんの話をした!」
「アーサー。あなたの甥のロベルトよ」
「なに、ロベルトだと? ああそういえば……」
「お、お久しぶりです。叔父ぎみ」
父は母に男が近づくと、スズメバチのように攻撃的になるのね。怖い。見境ない。制服着てるんだから学生だって分かるでしょ。
ロベルト君はまた父に丁寧に今日のことを説明していた。ホントにホントにゴメンねぇ。
「では私はこの辺で。ごきげんよう。叔父ぎみ、叔母ぎみ。そしてキティ」
「ええ……ごきげんよう……」
ロベルト君が馬車に向かう背中を見送る。なんか寂しい~。ロベ君が行っちゃうなんて。
その時だった。『意中の人』のタグの後ろから新しいタグが発生して横に浮かんだ。
『悲恋』
ひ、ひ、ひ、悲恋ですと? 悲しい恋。恋が成就しないってことよね? え! どういうこと? ロベ君と、私は結ばれないってことなのぉ?
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?

婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました
宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。
しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。
断罪まであと一年と少し。
だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。
と意気込んだはいいけど
あれ?
婚約者様の様子がおかしいのだけど…
※ 4/26
内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活
ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。
「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」
そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢!
そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。
「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」
しかも相手は名門貴族の旦那様。
「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。
◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用!
◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化!
◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!?
「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」
そんな中、旦那様から突然の告白――
「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」
えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!?
「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、
「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。
お互いの本当の気持ちに気づいたとき、
気づけば 最強夫婦 になっていました――!
のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

悪役令嬢に転生して主人公のメイン攻略キャラである王太子殿下に婚約破棄されましたので、張り切って推しキャラ攻略いたしますわ
奏音 美都
恋愛
私、アンソワーヌは婚約者であったドリュー子爵の爵士であるフィオナンテ様がソフィア嬢に心奪われて婚約破棄され、傷心……
いいえ、これでようやく推しキャラのアルモンド様を攻略することができますわ!
平和的に婚約破棄したい悪役令嬢 vs 絶対に婚約破棄したくない攻略対象王子
深見アキ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢・シェリルに転生した主人公は平和的に婚約破棄しようと目論むものの、何故かお相手の王子はすんなり婚約破棄してくれそうになくて……?
タイトルそのままのお話。
(4/1おまけSS追加しました)
※小説家になろうにも掲載してます。
※表紙素材お借りしてます。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる