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第25話 若旦那
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宴会が始まって、遊女たちがいつものように、文吉の客。つまり、紀州屋徳兵衛と若旦那衆だ。それに大工や火消しをイジるように話し掛けるので、高貴な方と思っている吉兵衛は気が気でない。
「こちらステキなかたでありんす。主様、お名前をお聞かせくださんし」
「い、いや身共は……」
「みども?」
「いえ、拙者は──」
「せっしゃ?」
バレバレである。座を取り仕切る吉兵衛は、焦りながらボロが出ないようにとまとめて名前を聞いた。
「えー。紀文の旦那と紀九万の旦那はみんな知ってるな。旦那のお友だちは? 徳兵衛さま。では、そちらの若衆、端から名前を言ってみよう!」
「清十郎」
「七兵衛」
「友之進」
「数馬」
「紋奈でござる」
「ござる?」
「なんか、お侍さんみたいなお名前でありんすゥ」
ヤバいヤバいヤバい。吉兵衛は両手を広げて沸く遊女を制した。勝手にトークされてはお侍のボロが出る。
吉兵衛は熊吉へと三味線を向けて話を持ち掛けた。
「九万の旦那。お得意の都々逸を行ってみましょう」
「都々逸ゥ? 今は呑んで食べたい気分だなァ」
そう言って横に朝露を侍らせて焼き豆腐をつまみに酒を呑んでいる。吉兵衛は、しからばこっちに遊女を向けようと、遊女たちに旦那がたの方に移動するように言っても楽しんでいて腰が重い。
「よいよい、吉兵衛とやら。女子が遊んでいるのを遠目に見るのは楽しいものだ」
と大納言に言われる始末。遊女の方では、一番歳の若い紋奈という少年を三人ほどで囲んでからかっていた。
「紋奈さまは何歳でありんすか?」
「あ、あの。身共は15でござる……います」
「へー、お若いでありんすゥ」
「あの、あの」
「どうでありんす。お酒を一献」
「いえ。身共は呑みませぬ。下戸でして」
「あら、いやでありんす。女の誘いを断るとわァ」
一人の遊女が正座している紋奈の膝の上に着物の裾を上げて跨がり、首に手を伸ばした。
「な、なにをなさいます!」
「あら口移しでお酒を飲ませて差し上げるでありんすゥ。そら朝子。夕陽。押さえて」
囲んでいた二人の遊女は、紋奈の肩に腕を回して動きを封じてしまった。平和に慣れた侍だ。それほど力もなく三人に押さえられるともはや動けない。
そんな状況を大納言は楽しそうに見ていた。
「こりゃ見てる方が面白いな」
「こんな状況、初めてです」
それに文吉も答える。紋奈の膝に乗る遊女は口に酒を含んで口を近づける。
「や、やめてくだされ」
必死の抵抗も空しく、遊女からの酒の口移し。吐き出すわけにもいかず、涙目になりながらそれを飲む。
「アラお強い。ではもう一献」
そう言いながらまた口に酒を含む。紋奈は首を振って抵抗したが押さえる遊女も許さない。
「許しんせ、紋奈さま。飛蝶姐さんの言い付けでありんすゥ」
紋奈は一合ほど酒を口に押し込まれ、目を白くしてその場に倒れ込んでしまった。
そんな紋奈を同僚も若侍たちは心からうらやましく思っていた。今は酔って飛蝶の膝に頭を埋めて唸っているが、公務中にけしからん、うらやましい、けしからん、うらやましい、うらやましい。
それを大納言はニヤついて見ている。普段は襟を正して、忠臣ぶっている連中が小娘たちに形無しだ。
「おい、清十郎。そなた……お前さんも呑みなさい」
「いいえ。徳兵衛さま。私は国に妻も子どももおります。このようなことで動ずるものではございませぬ」
中には堅物もいるようで、料理にも箸をつけずただ大納言の身辺を気にしている。大納言はそんな男が崩れるのを見たくなった。
大納言は遊女たちに、清十郎と話をするように命ずるとたちまち三人の遊女に囲まれる。
「あら奥様がいらっしゃるんでありんすかァ。いなせな若旦那」
「まァな。自慢ではないが三界を誓っておる。もっと離れよ」
「奥様がうらやましいでありんすゥ。この手で奥様をお抱きになりんすねェ」
そう言って清十郎の手を取る。もう一人が太股に優しく手を添える。
「お、おい。よさんか」
「お酒が飲めないなら、お茶でもつぎんすゥ」
と一人が茶を注ぐが誤った振りをして湯飲みをひっくり返す。温いお茶が足にかかるのを遊女たちが寄ってたかって股の間を拭く。清十郎は慌てている間に、別な遊女が湯飲みにたっぷりと酒を注いでしまった。
「さァさ。清十郎サマ。災難でありんしたなァ。お茶でも飲んで一息つきんせ」
「おおスマン」
生まれてからこんなに女に囲まれたことはない。しかも白面の美女ばかり。妻がいても何故か胸が高鳴る。しかも先ほど服を拭いていた遊女たちは清十郎の腕を抱いて両側に身をつけ、背中にも身を押し当てている。
興奮と動揺で湯飲みの酒に気付かず、カブリと一気にあおってしまった。
「はれ?」
間抜けな声に笑い出す遊女。
「あーん。清十郎さま、間違えたでありんすゥ。お茶はこっちでありんしたァ」
と急須を手に取るも、清十郎の頭は一気に沸騰。遊女はさらに別な湯飲みを出した。
「みんなヒドいでありんす。ささ清十郎さま。白湯でも飲みんせ」
本当に心配そうに言うので、情にほだされ温めの白湯で酒の気を飛ばそうと一息にあおる。途端にニヤリと笑う遊女。
「ああ、申し訳ござんせん。そちらは燗をしたお酒でありんしたァ」
「な、なに?」
やや温燗を呑んでしまい、一気に体が熱くなり、頭がフラフラ。もともと強い方ではない。背中の遊女に身を倒してしまい、そのまま介抱されてしまった。
熊吉も立ち上がって、若旦那たちに遊ぼう。遊女と尻相撲しようと誘う。
熊吉は遊女朝露の手を取って、互いに背中合わせとなり座布団の端に足を揃える。
吉兵衛が三味線を弾き、遊女たちが誰でも知っている童謡を歌う。歌の間に尻を出したり尻を引いたり。
大漢である熊吉が、小柄な朝露に尻で押されてつんのめって負けたのを大納言は手を叩いて喜んだ。
「ほれお前さんたちもやってご覧」
お上からの上意であるとばかり、三人は『よし!』と立ち上がり、一人一人戦うも一勝二敗。警護を忘れて楽しみだした。
こんなことでいいのかと、吉兵衛が窓から外を見ると、同じような格好をした若旦那が町人と諍いを起こしている。
「ええい! 町人! この店に入るでない!」
「なんだコイツ」
「俺は緒花を抱きにいくんでい! すっこんでろ!」
やいのやいのと喧嘩になりかけている。外にも警護がいるのかと、文吉を呼んだ。
「大旦那。見て下さい。外で同じような若衆がえばってますぜ?」
「ああ、警護のものか」
「あの徳兵衛さまはよほど偉いかたなんでございますな」
「ああ。紀州公大納言光貞さまだ」
「い!? 徳川御三家の?」
「そう」
「そうって大旦那。これじゃ外が却って目立ちますぜ? バレたら一大事だ」
「そうか。なにか名案はあるか?」
「だったら大旦那。今宵は三浦屋を借り切ってしまいましょう。中に侍たちを入れて警護させるんです。通路に配置させれば大納言様に危害を加えるものは遮断できます。そこに遊女を向ければみんな楽しくなりますぜ」
「そりゃいい。楼主を呼べ」
「へい!」
任された吉兵衛は楼主を呼んでくると、貸切と言っても手前のほうも商売ですから、一日の座敷代、床代、遊女の花代を考えましたら、そう簡単に貸切れません。という目の前に二百両積むと二つ返事だった。
吉兵衛は表に出て若衆たちを呼ばわった。
「旦那がた。本日三浦屋は貸し切りとなりました。皆さんは中に入りまして、通路を警護なさいまし」
「おお左様か。ではそのようにいたそう」
と中に入って真面目に通路を押さえる。しかし一人一人に遊女が傍に侍って来るので女慣れしない侍たちは真っ赤になってしまった。
文吉は戻ってきた吉兵衛に金を渡した。
「お前さん。私が見えないところで働く遊女たちに祝儀を渡してきておくれ。一人一両だ。禿には二分も渡せばよかろう」
と明細も不要だ。今晩だけでどれだけ金を使うのだろうと吉兵衛も楽しくなってきた。
吉兵衛はあちこちに駆けずり回って座敷に戻ると手を上げて遊女たちに三味線を持たせた。
「本日は盛り上がって参りましょう。紀文の大旦那、紀九万の旦那、徳兵衛さま。カッポレをやりますんで手拍子をお願いします」
吉兵衛はたすきを巻いて楽しそうに踊りながら歌い出す。
「〽️あ、それ。カッポレ カッポレ
カッポレ カッポレ。
沖のォ暗いのにィ 白帆がァァァ見えるゥ ヨイトコラサ あれはァ紀の国ィ みかん船ェ。
ア、カッポレ カッポレェ」
楽しい歌に楽しい振り付け。熊吉も面白くなって立ち上がり、朝露を横に伴って見よう見まねで踊るものだからたちまち笑いが起こった。
大納言の膝を叩いて喜んでいた。
吉兵衛は後に歌舞伎役者となり、中村吉兵衛を名乗るのだが、この日の文吉の豪快さを「大尽舞」として演じたのである。
「こちらステキなかたでありんす。主様、お名前をお聞かせくださんし」
「い、いや身共は……」
「みども?」
「いえ、拙者は──」
「せっしゃ?」
バレバレである。座を取り仕切る吉兵衛は、焦りながらボロが出ないようにとまとめて名前を聞いた。
「えー。紀文の旦那と紀九万の旦那はみんな知ってるな。旦那のお友だちは? 徳兵衛さま。では、そちらの若衆、端から名前を言ってみよう!」
「清十郎」
「七兵衛」
「友之進」
「数馬」
「紋奈でござる」
「ござる?」
「なんか、お侍さんみたいなお名前でありんすゥ」
ヤバいヤバいヤバい。吉兵衛は両手を広げて沸く遊女を制した。勝手にトークされてはお侍のボロが出る。
吉兵衛は熊吉へと三味線を向けて話を持ち掛けた。
「九万の旦那。お得意の都々逸を行ってみましょう」
「都々逸ゥ? 今は呑んで食べたい気分だなァ」
そう言って横に朝露を侍らせて焼き豆腐をつまみに酒を呑んでいる。吉兵衛は、しからばこっちに遊女を向けようと、遊女たちに旦那がたの方に移動するように言っても楽しんでいて腰が重い。
「よいよい、吉兵衛とやら。女子が遊んでいるのを遠目に見るのは楽しいものだ」
と大納言に言われる始末。遊女の方では、一番歳の若い紋奈という少年を三人ほどで囲んでからかっていた。
「紋奈さまは何歳でありんすか?」
「あ、あの。身共は15でござる……います」
「へー、お若いでありんすゥ」
「あの、あの」
「どうでありんす。お酒を一献」
「いえ。身共は呑みませぬ。下戸でして」
「あら、いやでありんす。女の誘いを断るとわァ」
一人の遊女が正座している紋奈の膝の上に着物の裾を上げて跨がり、首に手を伸ばした。
「な、なにをなさいます!」
「あら口移しでお酒を飲ませて差し上げるでありんすゥ。そら朝子。夕陽。押さえて」
囲んでいた二人の遊女は、紋奈の肩に腕を回して動きを封じてしまった。平和に慣れた侍だ。それほど力もなく三人に押さえられるともはや動けない。
そんな状況を大納言は楽しそうに見ていた。
「こりゃ見てる方が面白いな」
「こんな状況、初めてです」
それに文吉も答える。紋奈の膝に乗る遊女は口に酒を含んで口を近づける。
「や、やめてくだされ」
必死の抵抗も空しく、遊女からの酒の口移し。吐き出すわけにもいかず、涙目になりながらそれを飲む。
「アラお強い。ではもう一献」
そう言いながらまた口に酒を含む。紋奈は首を振って抵抗したが押さえる遊女も許さない。
「許しんせ、紋奈さま。飛蝶姐さんの言い付けでありんすゥ」
紋奈は一合ほど酒を口に押し込まれ、目を白くしてその場に倒れ込んでしまった。
そんな紋奈を同僚も若侍たちは心からうらやましく思っていた。今は酔って飛蝶の膝に頭を埋めて唸っているが、公務中にけしからん、うらやましい、けしからん、うらやましい、うらやましい。
それを大納言はニヤついて見ている。普段は襟を正して、忠臣ぶっている連中が小娘たちに形無しだ。
「おい、清十郎。そなた……お前さんも呑みなさい」
「いいえ。徳兵衛さま。私は国に妻も子どももおります。このようなことで動ずるものではございませぬ」
中には堅物もいるようで、料理にも箸をつけずただ大納言の身辺を気にしている。大納言はそんな男が崩れるのを見たくなった。
大納言は遊女たちに、清十郎と話をするように命ずるとたちまち三人の遊女に囲まれる。
「あら奥様がいらっしゃるんでありんすかァ。いなせな若旦那」
「まァな。自慢ではないが三界を誓っておる。もっと離れよ」
「奥様がうらやましいでありんすゥ。この手で奥様をお抱きになりんすねェ」
そう言って清十郎の手を取る。もう一人が太股に優しく手を添える。
「お、おい。よさんか」
「お酒が飲めないなら、お茶でもつぎんすゥ」
と一人が茶を注ぐが誤った振りをして湯飲みをひっくり返す。温いお茶が足にかかるのを遊女たちが寄ってたかって股の間を拭く。清十郎は慌てている間に、別な遊女が湯飲みにたっぷりと酒を注いでしまった。
「さァさ。清十郎サマ。災難でありんしたなァ。お茶でも飲んで一息つきんせ」
「おおスマン」
生まれてからこんなに女に囲まれたことはない。しかも白面の美女ばかり。妻がいても何故か胸が高鳴る。しかも先ほど服を拭いていた遊女たちは清十郎の腕を抱いて両側に身をつけ、背中にも身を押し当てている。
興奮と動揺で湯飲みの酒に気付かず、カブリと一気にあおってしまった。
「はれ?」
間抜けな声に笑い出す遊女。
「あーん。清十郎さま、間違えたでありんすゥ。お茶はこっちでありんしたァ」
と急須を手に取るも、清十郎の頭は一気に沸騰。遊女はさらに別な湯飲みを出した。
「みんなヒドいでありんす。ささ清十郎さま。白湯でも飲みんせ」
本当に心配そうに言うので、情にほだされ温めの白湯で酒の気を飛ばそうと一息にあおる。途端にニヤリと笑う遊女。
「ああ、申し訳ござんせん。そちらは燗をしたお酒でありんしたァ」
「な、なに?」
やや温燗を呑んでしまい、一気に体が熱くなり、頭がフラフラ。もともと強い方ではない。背中の遊女に身を倒してしまい、そのまま介抱されてしまった。
熊吉も立ち上がって、若旦那たちに遊ぼう。遊女と尻相撲しようと誘う。
熊吉は遊女朝露の手を取って、互いに背中合わせとなり座布団の端に足を揃える。
吉兵衛が三味線を弾き、遊女たちが誰でも知っている童謡を歌う。歌の間に尻を出したり尻を引いたり。
大漢である熊吉が、小柄な朝露に尻で押されてつんのめって負けたのを大納言は手を叩いて喜んだ。
「ほれお前さんたちもやってご覧」
お上からの上意であるとばかり、三人は『よし!』と立ち上がり、一人一人戦うも一勝二敗。警護を忘れて楽しみだした。
こんなことでいいのかと、吉兵衛が窓から外を見ると、同じような格好をした若旦那が町人と諍いを起こしている。
「ええい! 町人! この店に入るでない!」
「なんだコイツ」
「俺は緒花を抱きにいくんでい! すっこんでろ!」
やいのやいのと喧嘩になりかけている。外にも警護がいるのかと、文吉を呼んだ。
「大旦那。見て下さい。外で同じような若衆がえばってますぜ?」
「ああ、警護のものか」
「あの徳兵衛さまはよほど偉いかたなんでございますな」
「ああ。紀州公大納言光貞さまだ」
「い!? 徳川御三家の?」
「そう」
「そうって大旦那。これじゃ外が却って目立ちますぜ? バレたら一大事だ」
「そうか。なにか名案はあるか?」
「だったら大旦那。今宵は三浦屋を借り切ってしまいましょう。中に侍たちを入れて警護させるんです。通路に配置させれば大納言様に危害を加えるものは遮断できます。そこに遊女を向ければみんな楽しくなりますぜ」
「そりゃいい。楼主を呼べ」
「へい!」
任された吉兵衛は楼主を呼んでくると、貸切と言っても手前のほうも商売ですから、一日の座敷代、床代、遊女の花代を考えましたら、そう簡単に貸切れません。という目の前に二百両積むと二つ返事だった。
吉兵衛は表に出て若衆たちを呼ばわった。
「旦那がた。本日三浦屋は貸し切りとなりました。皆さんは中に入りまして、通路を警護なさいまし」
「おお左様か。ではそのようにいたそう」
と中に入って真面目に通路を押さえる。しかし一人一人に遊女が傍に侍って来るので女慣れしない侍たちは真っ赤になってしまった。
文吉は戻ってきた吉兵衛に金を渡した。
「お前さん。私が見えないところで働く遊女たちに祝儀を渡してきておくれ。一人一両だ。禿には二分も渡せばよかろう」
と明細も不要だ。今晩だけでどれだけ金を使うのだろうと吉兵衛も楽しくなってきた。
吉兵衛はあちこちに駆けずり回って座敷に戻ると手を上げて遊女たちに三味線を持たせた。
「本日は盛り上がって参りましょう。紀文の大旦那、紀九万の旦那、徳兵衛さま。カッポレをやりますんで手拍子をお願いします」
吉兵衛はたすきを巻いて楽しそうに踊りながら歌い出す。
「〽️あ、それ。カッポレ カッポレ
カッポレ カッポレ。
沖のォ暗いのにィ 白帆がァァァ見えるゥ ヨイトコラサ あれはァ紀の国ィ みかん船ェ。
ア、カッポレ カッポレェ」
楽しい歌に楽しい振り付け。熊吉も面白くなって立ち上がり、朝露を横に伴って見よう見まねで踊るものだからたちまち笑いが起こった。
大納言の膝を叩いて喜んでいた。
吉兵衛は後に歌舞伎役者となり、中村吉兵衛を名乗るのだが、この日の文吉の豪快さを「大尽舞」として演じたのである。
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