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第79話 密室の二人1
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週末。鷹也はいつものように仕事に奮戦していた。
しかし一段落付いて、喫煙室に入り込むと後ろのドアが開いてもう一人入って来た。
鷹也は窓側に身を詰めてその人物がもっと入って来れるようにしたが、見ると近野だった。
「なんだ。近野くんか」
「課長、タバコ一本貰えます?」
「ああいいぞ」
鷹也は胸からタバコを取り出し近野に手渡した。近野はそれを自分の電子機器にセットした。吸えるまでにはしばらく時間がかかる。
「あざっす」
「いや。多分私の方がまだ借りが多いはず」
「そうでしたっけ?」
「分からん。数えてないから。でもいいだろ? そんなしっかりかっきり返さんでも」
「ですね」
そんな雑談をしながら喫煙に興じた。
二人のわずかばかりの休息。
もうそろそろこの休息も四年目を迎えようとしていた。
「休日は鈴ちゃんと何してらっしゃいます?」
「おお。よくぞ聞いてくれた。鈴と少しばかり旅行しようと思っててな」
「あら、そうなんですね。よければ鈴ちゃんと遊びたかったんですけど」
「ああ、そう言ってくれると嬉しいよ。鈴もたまに近野くんの話をするんだ」
「え? マジですか?」
「うん。本を読んでくれたおねぇちゃんって言ってるぞ」
「ふふ。あの時の」
近野はあの時を思い出しながら笑った。
鈴が座った膝のぬくもり。あの時の可愛らしい姿の鈴を思い返すと笑みがこぼれてしまうのだ。
「それから立花のことも、遊んでくれたおにいちゃんって言ってるよ。二人とまた遊びたいってさ」
「は? セットですか?」
「うん。立花も遊ぶの上手だもんなぁ。二人で来てくれたら鈴も喜ぶだろう」
鷹也は立花が近野に特別な気持ちがあることを知らない。
近野にしてみれば、立花とコンビと思われるのが少しばかり抵抗があった。
近野が無言で煙を吐き出すと、鷹也の方が先に吸い終わっていた。
「すまんな。先に出るよ。今日も早く仕事を終わらせて帰らないといけないんでな」
そう言って鷹也が喫煙室を出る。
出たところで鷹也へ向かって「お疲れ様です」という立花の声が聞こえた。
そして喫煙室の扉が開き、近野の元へ立花が入って来た。
しかし一段落付いて、喫煙室に入り込むと後ろのドアが開いてもう一人入って来た。
鷹也は窓側に身を詰めてその人物がもっと入って来れるようにしたが、見ると近野だった。
「なんだ。近野くんか」
「課長、タバコ一本貰えます?」
「ああいいぞ」
鷹也は胸からタバコを取り出し近野に手渡した。近野はそれを自分の電子機器にセットした。吸えるまでにはしばらく時間がかかる。
「あざっす」
「いや。多分私の方がまだ借りが多いはず」
「そうでしたっけ?」
「分からん。数えてないから。でもいいだろ? そんなしっかりかっきり返さんでも」
「ですね」
そんな雑談をしながら喫煙に興じた。
二人のわずかばかりの休息。
もうそろそろこの休息も四年目を迎えようとしていた。
「休日は鈴ちゃんと何してらっしゃいます?」
「おお。よくぞ聞いてくれた。鈴と少しばかり旅行しようと思っててな」
「あら、そうなんですね。よければ鈴ちゃんと遊びたかったんですけど」
「ああ、そう言ってくれると嬉しいよ。鈴もたまに近野くんの話をするんだ」
「え? マジですか?」
「うん。本を読んでくれたおねぇちゃんって言ってるぞ」
「ふふ。あの時の」
近野はあの時を思い出しながら笑った。
鈴が座った膝のぬくもり。あの時の可愛らしい姿の鈴を思い返すと笑みがこぼれてしまうのだ。
「それから立花のことも、遊んでくれたおにいちゃんって言ってるよ。二人とまた遊びたいってさ」
「は? セットですか?」
「うん。立花も遊ぶの上手だもんなぁ。二人で来てくれたら鈴も喜ぶだろう」
鷹也は立花が近野に特別な気持ちがあることを知らない。
近野にしてみれば、立花とコンビと思われるのが少しばかり抵抗があった。
近野が無言で煙を吐き出すと、鷹也の方が先に吸い終わっていた。
「すまんな。先に出るよ。今日も早く仕事を終わらせて帰らないといけないんでな」
そう言って鷹也が喫煙室を出る。
出たところで鷹也へ向かって「お疲れ様です」という立花の声が聞こえた。
そして喫煙室の扉が開き、近野の元へ立花が入って来た。
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